この記事では「ご承知おきください」について解説する。

端的に言えばご承知おきくださいの意味は「前もって知っておいてください」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

中高生に英語や数学など、指導経験豊富なライター要を呼んです。一緒に「ご承知おきください」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/要

塾講師を5年していた経験がある。留学経験があり、学生時代は留学生と英語でコミュニケーションを取っていた。日本語とは違った英語の感覚をわかりやすく伝える。

「ご承知おきください」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速「ご承知おきください」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「ご承知おきください」の意味は?

「ご承知おきください」という言葉自体は、辞書に記載されていません。そこでまずは、含まれている単語の意味を確認します。

1.事情などを知ること。また、知っていること。わかっていること。
2.依頼・要求などを聞き入れること。承諾。
3.相手の事情などを理解して許すこと。多く下に打消しの語を伴って用いる。

出典:goo辞書「承知」

《動詞「くださる」の命令形》

1.「くれ」の尊敬語。相手に物や何かを請求する意を表す。ちょうだいしたい。
2.「お」を伴った動詞の連用形、「ご(御)」を伴った漢語、また、動詞の連用形に接続助詞「て」を添えたものなどに付いて、相手に何かを要望・懇願する意を表す。

出典:goo辞書「ください」

12.多く動詞の連用形、または、それに助詞「て」を添えた形に付く。
12-1.今後の用意のために、あらかじめ…する。
12-2.その状態を続けさせる。そのままにする。

出典:goo辞書「おく(置く)」

「承知」とは、事情を理解する事。「おき」は「おく」が変化した形で、「用意する」「そのままにする」という意味があります。また、「ご~ください」は、2つ目の意味で「要望する」という意味です。「ご」は尊敬の意味を持ち、丁寧語の「ください」は相手への敬いを表す表現になっています。

これらの意味から、「ご承知おきください」は「前もって知っておいてください」という意味になるのです。

「ご承知おきください」の使い方・例文

「ご承知おきください」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.明日より変更になる部分があるので、ご承知おきください。
2.この点については、ご承知おきください。
3.来週、工事で通行止めになります。ご承知おきください。

ここで紹介したように、相手に知っておいて欲しい内容を伝える際に使用されます。ビジネスのシーンで使われる事も多いです。文法的に違和感を感じられる方もいますが、日本語として正しい表現になります。

一方、「ご承知おきください」は尊敬の意味も含まれていますが、目上の人や上司に対して用いるのはNGです。承知の「承る」という漢字は、自分をへりくだる謙譲語になります。そのため、「ご承知おきください」では上から物を言っている印象を強めてしまうケースがあるのです。

つまり「ご承知おきください」は、目上の人や上司の人、取引相手などに対しては使わない方が良い言葉になります。立場が同じ、もしくは立場が下の人に対する敬語として用いるのがおすすめです。具体的には、何かを教える立場になった時や、一般的な文書などになります。

\次のページで「「ご承知おきください」の類義語は?違いは?」を解説!/

「ご承知おきください」の類義語は?違いは?

image by iStockphoto

「ご承知おきください」の類義語は、以下のようなものがあります。

1.お含みおきください
2.何卒お願い致します
3.ご容赦ください
4.ご了承ください
5.目を通して頂ければ幸いです
6.ご認識ください

どの言葉も、意味はほとんど同じです。ただ、1~3つ目は目上の人に対しても用いる事ができる表現になります。

「お含みおきください」

目上の人や上司に対してよく使用される表現が、「お含みおきください」です。基本的な意味は「心にとめておいてください」になります。もとは「含みおく」という言葉で、「お」がつくことで尊敬の意味を持つ敬語になっていますね。そのため、目上の人や上司に対して使っても、失礼にはならない言葉です。

具体的には、「こちらの内容を、お含みおきください。」といったように用います。

「何卒お願い致します」

「何卒(なにとぞ)」は、相手に強く望むという気持ちを表します。ビジネスシーンでは、自分をへりくだったり、丁寧な表現で伝えたりする際によく使われる言葉です。

「何卒お願い致します」だけでは、何をお願いしているのか伝わりません。そのため、以下のように使われる事が多いです。

1.ご理解のほど、何卒お願い致します。
2.ご了承くださいますよう、何卒宜しくお願い致します。
3.ご協力いただけますよう、何卒お願い致します。

「何卒お願い致します」だけでなく、「何卒宜しくお願い致します」という表現もよく使われますよ。

\次のページで「「ご容赦ください」」を解説!/

「ご容赦ください」

「ご容赦ください」は、自分のミスや失敗について許しを願う表現になります。相手に損害が実際にない状況でも、損害を与えてしまう可能性がある場合に、その損害を事前に伝えておくために使う事が可能です。

表現としては、目上の人に対して用いる事もできます。ただ、自分の失敗を伝えるシーンになるので、精一杯の誠意を伝える事も重要です。「ご容赦」という言葉だけで済むという訳ではない事は、頭に入れておいた方が良いでしょう。

「ご了承ください」

「ご了承ください」は、相手に納得してもらいたい時に用います。相手に不快感を与えず、物事を理解してもらうための表現です。

これは「ご承知おきください」とほとんど同じ意味になります。そのため、目上の人に対して用いる事は、ほとんどありません。「受け入れて欲しい」という一方的な印象を与えてしまうためです。

「ご承知おきください」の対義語は?

「ご承知おきください」の対義語という言葉はありませんが、ここでは「教えてください」という敬語表現をご紹介しておきます。

「お教えいただけませんか」

「教えてください」の敬語を考えると、「お教えいただけませんか」や「お教えくださいませ」などがあります。

「いただく」は謙譲語ですが、感謝の気持ちを感じられる表現と言われているようです。細かい表現の違いはいろいろあるので、相手や使いやすさによって選ぶことをおすすめします。

「ご承知おきください」の英訳は?

image by iStockphoto

「ご承知おきください」の英訳には、さまざまな表現があります。

その1「Please 〇〇」

「ご承知おきください」と似た意味を表す「please」を使った表現は、主に2つです。

1.Pleaase note that ○○.
○○をご了承ください。

2.Pleaase understand that ○○.
○○をご理解ください。

2つの表現とも、知っておいて欲しい内容を○○の部分に入れて使います。

\次のページで「その2「Thank you」」を解説!/

その2「Thank you」

「ご理解ありがとうございます」と、感謝を伝える表現「Thank you」もよく用いられます。

1.Thank you very muvh in advance.
前もってお礼申し上げます。

2.Thank you for your understanding.
ご理解ありがとうございます。

知っておいてほしい内容を伝えた後で、付け足す形で用います。カジュアルな表現ではありますが、「ご承知おきください」よりも「理解に感謝します」という表現の方がよく使われますよ。

「ご承知おきください」を使いこなそう

この記事では「ご承知おきください」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「ご承知おきください」は、相手に何かを知っておいて欲しい時に用いられます。ただ、目上の人に対して用いるのではなく、一般的文書や自分が上の立場に立った時の敬語として用いるのが一般的です。正しい場面で使えるよう、正しく覚えてくださいね。

" /> 「ご承知おきください」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説! – Study-Z
国語言葉の意味

「ご承知おきください」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「ご承知おきください」について解説する。

端的に言えばご承知おきくださいの意味は「前もって知っておいてください」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

中高生に英語や数学など、指導経験豊富なライター要を呼んです。一緒に「ご承知おきください」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/要

塾講師を5年していた経験がある。留学経験があり、学生時代は留学生と英語でコミュニケーションを取っていた。日本語とは違った英語の感覚をわかりやすく伝える。

「ご承知おきください」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速「ご承知おきください」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「ご承知おきください」の意味は?

「ご承知おきください」という言葉自体は、辞書に記載されていません。そこでまずは、含まれている単語の意味を確認します。

1.事情などを知ること。また、知っていること。わかっていること。
2.依頼・要求などを聞き入れること。承諾。
3.相手の事情などを理解して許すこと。多く下に打消しの語を伴って用いる。

出典:goo辞書「承知」

《動詞「くださる」の命令形》

1.「くれ」の尊敬語。相手に物や何かを請求する意を表す。ちょうだいしたい。
2.「お」を伴った動詞の連用形、「ご(御)」を伴った漢語、また、動詞の連用形に接続助詞「て」を添えたものなどに付いて、相手に何かを要望・懇願する意を表す。

出典:goo辞書「ください」

12.多く動詞の連用形、または、それに助詞「て」を添えた形に付く。
12-1.今後の用意のために、あらかじめ…する。
12-2.その状態を続けさせる。そのままにする。

出典:goo辞書「おく(置く)」

「承知」とは、事情を理解する事。「おき」は「おく」が変化した形で、「用意する」「そのままにする」という意味があります。また、「ご~ください」は、2つ目の意味で「要望する」という意味です。「ご」は尊敬の意味を持ち、丁寧語の「ください」は相手への敬いを表す表現になっています。

これらの意味から、「ご承知おきください」は「前もって知っておいてください」という意味になるのです。

「ご承知おきください」の使い方・例文

「ご承知おきください」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.明日より変更になる部分があるので、ご承知おきください。
2.この点については、ご承知おきください。
3.来週、工事で通行止めになります。ご承知おきください。

ここで紹介したように、相手に知っておいて欲しい内容を伝える際に使用されます。ビジネスのシーンで使われる事も多いです。文法的に違和感を感じられる方もいますが、日本語として正しい表現になります。

一方、「ご承知おきください」は尊敬の意味も含まれていますが、目上の人や上司に対して用いるのはNGです。承知の「承る」という漢字は、自分をへりくだる謙譲語になります。そのため、「ご承知おきください」では上から物を言っている印象を強めてしまうケースがあるのです。

つまり「ご承知おきください」は、目上の人や上司の人、取引相手などに対しては使わない方が良い言葉になります。立場が同じ、もしくは立場が下の人に対する敬語として用いるのがおすすめです。具体的には、何かを教える立場になった時や、一般的な文書などになります。

\次のページで「「ご承知おきください」の類義語は?違いは?」を解説!/

次のページを読む
1 2 3 4
Share: