難しそうなイメージを持つ「誤謬」の意味・派生語・類義語を言葉大好きライターがわかりやすく解説！

ライター／sasai

元会社員の現役フリーライター。言葉が好きで文章が好き。読むのも書くのも大好きで、海外小説からビジネス書まで何でも読む本の虫。こだわりをもって言葉の解説をしていく。

「誤謬」の意味って？

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「誤謬」の意味は以下の通りです。

まちがえること。まちがい。

出典：Weblio辞書「誤謬　意味」

意味としては上記の通り、「間違い・誤り」を示しています。本当にただそれのみであり、他のニュアンスは持っていません。漢字が難しく、難読にあたる単語であるため、日常で使用してもやや伝わりにくいという側面があります。そのような理由もあり、一般的な言葉というには若干知名度が低めですが、意味自体はシンプルかつ生活に即しているのです。

「誤謬」ってどう読むの？

「誤謬」は「ごびゅう」と読みます。「誤(ご)」は「誤解」の誤であり、間違いという意味を持つ漢字です。「謬(びゅう)」とは「謬る(あやまる)」とも読む漢字であり、意味は同様に「間違い・誤り」という意味となります。つまり「誤謬」という言葉は、ほぼ同じ「間違い」という意味を持つ漢字を続けて並べて出来ているのです。

「誤謬」の使い方

「誤謬」の使用例は以下の通りです。

1.この資料は「誤謬」が多すぎて役に立たないだろう。
2.彼の発言には致命的な「誤謬」があったと思う。
3.まず最初の「誤謬」を正さないことには、永遠に正しい結論は出ない。

いずれも使用例の種類としては同じで、「間違い」という意味です。上記の例を見ればわかるように、読み書きの際も特別に注意しなければならないようなことはなく、間違い・誤りの代わりに「誤謬」を置き換えれば問題ありません。

ただし上述したように、難読であるため誰にでもスムーズに伝わるとは思わない方が良いでしょう。

おまけ：「誤謬」っていつ使えば良いの？

「誤謬」は「間違い」という意味を示しており、置き換えも可能です。しかし、「間違いで伝わるのであればわざわざ誤謬を使うことも無いのでは？」と感じるかもしれません。

確かに、どうしても誤謬という言い方でなければいけないという場面は少ないと言えるでしょう。しかし固い文章が要求されるシーンでは、「間違い」という表現はやや幼く感じられるため、「誤謬」という言葉が活躍します。使うタイミングがわからないという人は、間違いという表現だと浮いて感じられるというときに使用してみましょう。

「誤謬」が用いられる言葉には何がある？

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日常でよく使われるとは言い難い「誤謬」ですが、「誤謬」が用いられる言葉もいくつか存在しています。経済用語や就職活動で見かける言葉などが含まれるため、聞いたことがないという場合もあるかもしれません。しかし言葉とセットで覚えておくと理解しやすいため、できるだけ同時に覚えてしまいましょう。

その1：「誤謬率」とは誤答の割合

「誤謬率」とは文字通り「誤謬」の割合を示す言葉です。主にテストにおいて、回答した問題の数に対する不正解の割合を「誤謬率」と呼びます。ポイントとなるのは、すべての問題の数ではなく、回答した問題数が母数になるということです。つまり、適当に答えて不正解を多数出してしまうよりも、分からない問題を未回答として飛ばした方が誤謬率は下がります。

例えば10問問題があったとして、5問正解し5問不正解だった場合、回答数が10で誤答数が5であるため、誤謬率は5/10で50%です。しかし、1問しかわからなかったので1問だけ正解し、残りの9問が未回答だった場合、回答数1に対して誤答数は0であるため、誤謬率は0%となります。

その2：「合成の誤謬」は集まると間違いになるということ

「合成の誤謬」は経済用語です。意味は、ひとつひとつが正解であっても、それが集まると間違いになってしまうということを示しています。例えば収入に対して支出額が少なくお金が余った時、個人でその余ったお金を貯蓄に回すのは、特に間違った行為というわけではありません。ところが、全国に居る人間が同じことをしてしまうと消費が停滞し、不景気を招いてしまいます。

このように、個人レベルで見ると正解でありながらも全体で見ると間違いになってしまう現象が「合成の誤謬」です。

その3：「コンコルドの誤謬」は心理効果

「コンコルドの誤謬」は「コンコルド効果」とも呼ばれており、経済用語の一つです。意味としては、すでに支払ってしまった費用や注ぎこんだ労力を惜しんで、「ここで止めたら損を取り返せない」という心理に陥り、見返りが出るまで続けてしまうことを指しています。経済用語ではあるものの、心理としては一般的であり、同様の思いをしたことのある人も少なくないでしょう。

「コンコルド」とは超音速旅客機の名前です。開発途中で採算が取れないことが分かりつつ、見返りを期待して投資を止められなかったという現象にちなんで、「コンコルドの誤謬」と名付けられました。

「誤謬」の類義語は？

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「誤謬」の意味はシンプルであり、類義語もシンプルで分かりやすいものが多いです。「間違い/誤り/ミス/エラー」などが特に適切と言えるでしょう。「誤謬」そのものは名詞であるため、置き換えの際も名詞を使うとより正確です。

「誤解/誤認/誤読」…「誤」のつく言葉について

「誤解/誤認/誤読/誤爆」など、「誤」のつく言葉はたくさんありますが、「誤謬」とはいずれも意味が違います。上述しましたが、「誤謬」の「謬」は間違いという意味の言葉であり、「誤」と意味が重複しているのです。

一方、他の「誤」のつく言葉の多くは「誤って〇〇する」というように、間違いそのものではなく間違って取ってしまった行動を示しています。「誤解/誤認」は間違った思考、誤読は間違った読み方、誤爆は間違った攻撃を示す言葉です。注意して区別してください。

「誤謬」は不遇な言葉？

「誤謬」はシンプルな意味合いながら、難読ということや、「間違い」という言い方でも伝わることも相まって、なかなか使用の機会に巡り合えない言葉です。そして使用する機会が少ないということは、それだけ他人に伝わりにくいということでもあります。

「誤謬」は「間違い」と同様の意味であるため、日常で「間違い」という言葉が出てくる場面は、「誤謬」に置き換えても文章としては間違っていません。しかし、人にわかってもらえる文章としては他の言葉に一歩譲ってしまうという側面は否めないでしょう。言葉は移り変わるものであるため、使用頻度が減るのも移り変わった結果であり避けようのないことではありますが、使わないからと忘れるのではなく、頭の隅に置いてください。そうすることで言葉はあなたの物になります。