この記事では「汎用」について解説する。

端的に言えば汎用の意味は「ひとつのものを広く用いる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

情報誌系のライターを10年経験した川瀬を呼んです。一緒に「汎用」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/川瀬

幼少期から多種多様な本を与えられて育ち、分からない言葉があれば辞書で引く癖がついていた。本を読む度に、細やかで表現力豊かな美しい日本語に魅了される。これまでの読書量を活かし、丁寧に言葉の意味を解説していく。

「汎用」の意味や語源・使い方まとめ

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「汎用性がある」「汎用性が高い」などの形でよく使われる「汎用」という言葉。ビジネスシーンは勿論、インターネット上でもよく見かける事があります。「汎用」という言葉を使いこなすためにも、正しい意味を理解する事が大切です。それでは早速「汎用」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「汎用」の意味は?

「汎用」には、次のような意味があります。

いろいろの方面に広く用いること。「同一規格の部品を汎用する」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「汎用」

「汎用」は「はんよう」と読んで、「(ひとつのもの・こと)をいろいろの方面に広く用いること」という意味の言葉。ごくたまに「ぼんよう」と読む方を見かけますが、これは間違いです。「汎用」と「凡庸」では意味が全く異なるため、注意しましょう。

また、接続語を付けた「汎用性」という言葉も多く使われています。「汎用性」とは対象の「性質」を指しているため、「汎用性がある・ない」で汎用性の性質が「整っている・いない」を表現する事が出来るのです。

「汎用」の語源は?

次に「汎用」の語源を確認しておきましょう。「汎」という文字は「広く行き渡る」を意味し、「用」という文字は「用いる、役立てる」という意味です。この2つの文字を組み合わせる事で「汎用」は「広く役立てる」等の意味となり、前の漢字が後の漢字を修飾する形で構成されている熟語と解釈出来ます。

\次のページで「「汎用」の使い方・例文」を解説!/

「汎用」の使い方・例文

「汎用」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

1.どんなスマートフォンでも使える汎用性が高いアプリケーションの開発が必要だ。
2.A社の案件は複数のプロジェクトに汎用できるだろう
3.スマートフォンの部品は汎用品が多い。

1の例文については、前述でお伝えした「汎用性」という言葉を使った形です。幅広い用途に使える性質をもったアプリの開発が急がれるという意味になっています。例文2の「汎用できる」は「広く使える」という意味での使い方です。例えば例文2の場合、「A社の案件は多くのプロジェクトに応用出来る・使える」という意味になります。例文3の「汎用品」ですが、「色々な用途で幅広く使えるもの」という意味での使い方です。また、他にも「汎用的」といった表現をされる事も多く、「汎用的な能力」とすると「幅広い用途で役立つ能力」というニュアンスになります。

「汎用」の類義語は?違いは?

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「汎用」の類義語には「万能」「応用が利く」「多用途」が挙げられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。

その1「万能」

「汎用」と似た意味を持つ言葉に「万能」があります。「万能」とは、「あらゆることにすぐれていること。なんでもできること」という意味です。一見「万能である」と「汎用性が高い」は同じ意味だと感じてしまいます。しかし、「汎用性が高い」からといって、全てに使えるわけではありません。微妙なニュアンスの違いを覚えておきましょう。

\次のページで「その2「応用が利く」」を解説!/

その2「応用が利く」

「汎用」の言い換え表現として「応用が利く」「応用できる」という言葉があります。「応用が利く・できる」とは、「既にあるものを他の物事に適用させることが出来る」という意味です。「汎用性がある」は「知識や道具などが様々な方面に役立つ」事を表しており、ニュアンスが少し違うため注意しましょう。

その3「多用途」

「多用途」とは「多くの使い道があるということ」「幅広い用途」という意味です。その物自体に多くの機能が備わっている場合と、機能自体はシンプルですが使い道が多くあるケースの2つが考えられます。

「汎用」の対義語は?

「汎用」の対義語には、「限定」「特化」「専用」が挙げられます。それぞれ意味について詳しく見ていきましょう。

その1「限定」

「限定」は「物事の範囲や数量を限ること」という意味。自分の意思や基準によって、物事の範囲の限界や回数に制限を設けます。「汎用」はその利用用途が実際に使える限り、使い道に制限を設けたりしません。そのため、「汎用」の対義語と言っていいでしょう。

その2「特化」

「特化」には、「ある特定の部分に重点を置くこと」「ある分野の専門として取り組むこと」という意味があります。「あらゆる物事に適用する」という意味を持つ「汎用」の対義語と言えるでしょう。

その3「専用」

「専用」とは「特定されている物だけが使うこと」という意味です。「会員専用の〇〇」「洗顔専用クリーム」など、日常でよく目にする言葉でしょう。「いろいろの方面に広く用いること」という意味を持つ「汎用」の対義語と言えます。

\次のページで「「汎用」の英訳は?」を解説!/

「汎用」の英訳は?

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「汎用」は英語だと、どういった表現になるのでしょうか。

その1「general purpose」

「汎用」は英語で「general purpose」と表現する事が出来ます。「general」は「一般的」や「総合」、「purpose」には「意図」や「目的」といった意味。また、「汎用品」は「general-purpose item」と表現できるため、併せて覚えておくと便利です。それでは実際に例文を使ってみていきましょう。

その2「for wide」

general purpose」以外にも、「for wide」を使う事も出来ます。「for wide range of」と書くことで、「幅広い」という意味を持つため、併せて覚えておくと便利でしょう。

Enabling use of the code for alternate or more general needs(同じコードを別の目的に使用したり、汎用的に使用できるようにする)

Everything was housed in general purpose tents. (すべてが汎用テントに収容されていた)

This is a general‐purpose tool.(これは汎用工具です)

wide range of application(幅広い用途)

「汎用」を使いこなそう

この記事では「汎用」の意味・使い方・類語などを説明しました。「様々な方面に広く用いること」という意味の単語で、幅広い用途で利用できる事柄に対して「汎用性がある」「汎用性が高い」などと使用します。「汎用」という言葉を使えるようにし、普段の生活は勿論、ビジネスシーンでワンランク上の表現が出来るようになりましょう。

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国語言葉の意味

「汎用」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「汎用」について解説する。

端的に言えば汎用の意味は「ひとつのものを広く用いる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

情報誌系のライターを10年経験した川瀬を呼んです。一緒に「汎用」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/川瀬

幼少期から多種多様な本を与えられて育ち、分からない言葉があれば辞書で引く癖がついていた。本を読む度に、細やかで表現力豊かな美しい日本語に魅了される。これまでの読書量を活かし、丁寧に言葉の意味を解説していく。

「汎用」の意味や語源・使い方まとめ

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「汎用性がある」「汎用性が高い」などの形でよく使われる「汎用」という言葉。ビジネスシーンは勿論、インターネット上でもよく見かける事があります。「汎用」という言葉を使いこなすためにも、正しい意味を理解する事が大切です。それでは早速「汎用」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「汎用」の意味は?

「汎用」には、次のような意味があります。

いろいろの方面に広く用いること。「同一規格の部品を汎用する」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「汎用」

「汎用」は「はんよう」と読んで、「(ひとつのもの・こと)をいろいろの方面に広く用いること」という意味の言葉。ごくたまに「ぼんよう」と読む方を見かけますが、これは間違いです。「汎用」と「凡庸」では意味が全く異なるため、注意しましょう。

また、接続語を付けた「汎用性」という言葉も多く使われています。「汎用性」とは対象の「性質」を指しているため、「汎用性がある・ない」で汎用性の性質が「整っている・いない」を表現する事が出来るのです。

「汎用」の語源は?

次に「汎用」の語源を確認しておきましょう。「汎」という文字は「広く行き渡る」を意味し、「用」という文字は「用いる、役立てる」という意味です。この2つの文字を組み合わせる事で「汎用」は「広く役立てる」等の意味となり、前の漢字が後の漢字を修飾する形で構成されている熟語と解釈出来ます。

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