この記事では「ブラフ」について解説する。

端的に言えばブラフの意味は「ハッタリ」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

さまざまな分野の本に触れ、知識を培ってきた「つゆと」を呼んです。一緒に「ブラフ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/つゆと

子供の頃からの筋金入り読書好きライター。むずかしい言葉や複雑な描写に出会っても、ねばり強く読みこんで理解することをポリシーとする。言葉の意味も、妥協なくていねいに解説していく。

「ブラフ」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「ブラフ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「ブラフ」の意味は?

「ブラフ」には、次のような意味があります。

はったり。特にポーカーなどで、手の内が強そうに見せかけること。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「ブラフ」

「ブラフ」とは、自分を強く見せて相手をだますことです。「ハッタリ」とほぼ同じ意味といえます。ポーカーにおいては、相手をハッタリでだましてゲームを降りる気にさせること。

ポーカーで勝ちを狙うには、ドロップせずに最後まで残らなくてはなりません。「ドロップ」とは勝負から降りて損を少なくする手のことです。手持ちのカードが弱いのに、「自分の手持ちはすごく強いぞ」というふりをして相手のドロップを誘い、勝ち残る手法を「ブラフ」といいます。

現代では「遊戯王」などのカードゲームや、村人にまぎれた「人狼」を当てる「人狼ゲーム」でも使う言葉です。ブラフにあたるのは「事実と違うことを、そうであるように見せる」ところですね。本当は「人狼」であるのに村人のふりをするのがまさに「ブラフ」です。

「ブラフ」の語源は?

次に「ブラフ」の語源を確認しておきましょう。「ブラフ」の語源は英語の「bluff」です。「bluff」には「ハッタリでだます」「おどして~をさせる」という意味があります。名詞として用いられる場合は、「ハッタリ」「虚勢(きょせい)」などの意味になりますよ。日本語の「ブラフ」と同じですね。

さらに、英語の「bluff」の語源はオランダ語の「bluffen(自慢する)」です。「自慢する」とは「自分を大きく見せる」ことであり、「ハッタリを言って自分が優位に立つようにする」イメージへとつながります。

\次のページで「「ブラフ」の使い方・例文」を解説!/

「ブラフ」の使い方・例文

「ブラフ」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.ポーカーの実力者たちの勝負は白熱していて、米国のプレイヤーはおそらくブラフをかけたのだが、豪州のプレイヤーはコール(ドロップせずゲームを続けること)してきそうだ。
2.大きな商談でもブラフを張る必要はなく、イベントや展示会など最近扱った事業について説明すれば結果は見込めると、経験ある先輩社員が教えてくれた。
3.「大手企業の幹部の発言は騒動をおさえるためのブラフだ、きっと実行するつもりはないぞ」と言われ、私や周囲の人々の気持ちは不信感でいっぱいになってしまった。

1の例文では「ブラフをかける」、2の例文では「ブラフを張る」と使っています。「かける」も「張る」も同じように使えますが、「張る」の場合は「ここと決めてハッタリをかます」「勝負に出る」という感じを受けませんか。「テストのヤマを張る(ここがテストに出ると決めて勝負に出る)」の「張る」に近いかもしれません。

3の例文では「ブラフ」と名詞形で使っていますね。「ハッタリ」と言い換えられる例です。「ブラフ行為をする」という意味で「ブラフをする」という使い方もします。

「ブラフ」を「デマ」や「ウソ」という意味でとらえていた人もいるかもしれませんね。「ブラフ」をする場合には「自分を優位にする」という目的があり、その手段として「デマやウソを言う」のだと理解しましょう。

「ブラフ」の類義語は?違いは?

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「ブラフ」の類義語には「ハッタリ」があります。他にも「虚勢(きょせい)」「空威張り(からいばり)」「こけおどし」などの言葉がありますが、やはり「ハッタリ」が「ブラフ」に1番近い言葉といえるでしょう。順に説明します。

「ハッタリ」

「ハッタリ」とは、本当だと思わせようとして大げさにふるまうことです。「本当だと思わせようとして」の部分が「ブラフ」の意味合いとピッタリ同じですね。

「ハッタリ」は「張り倒し」が変化したものだそう。確かに「やくざことば」的な雰囲気を感じますね。「ブラフ」が心理作戦をさす頭脳的な言葉なのに対し、「ハッタリ」はケンカ現場で生まれたちょっぴり乱暴な言葉です。

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「虚勢(きょせい)」

「虚勢(きょせい)」とは、実力がないのにうわべだけの威勢を見せることです。「虚勢を張る」と使います。

「ブラフ」との違いは「相手をだまして勝とうとする」意思を含まないことです。「実は力がおよんでいない」のは「ブラフ」も「虚勢」も同じですが、「虚勢」の場合は「その場をやり過ごす」ために相手をだまそうとする情景が浮かびます。

「空威張り(からいばり)」

「空威張り(からいばり)」とは、実力がないのに表面では威張って強そうな態度をとることです。

「虚勢」と似ていますね。「空威張り」のイメージは弱い犬(弱い犬ほどよく吠えるといいます)といったところでしょうか。

「こけおどし」

「こけおどし」は、見えすいていて取るに足りないおどしのことです。「ブラフ」と同じ「勝利を狙おうとする意思」はあるのかもしれませんが、いかんせんレベルが違うという感じ。真剣勝負の場において、見えすいた「こけおどし」にだまされる人物はそう多くないでしょう。

「こけおどし」は「虚仮威し」と書きます。「虚仮(こけ)」とは「思慮が浅いこと」や「ばか」という意味です。「人をコケにするな」とも使いますね。

「ブラフ」の対義語は?

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「ブラフ」の対義語はありません。

「ブラフ」の対義語に該当する英単語の「sandbag(サンドバッグ)」という言葉を紹介します。

「sandbag(サンドバッグ)」

「sandbag(サンドバッグ)」とは、弱そうにふるまうことです。強いと思わせてだます「ブラフ」の対義語となります。弱そうに見せることで得るものとはなんでしょう。

ポーカーでは、強いカードを持っていると知られてしまうと、みんながドロップ(賭けから降りること)してしまうために儲けが少なくなります。それを防ぐために、あえてゲームに対して消極的な態度をとることを「sandbag」というのです。弱く見せるのも「勝ちを狙ってだます」手段となるのですね。

ゲームでわざと負けておいて相手を油断させる、スポーツで実力を低めに伝えて活躍した風にみせる、なども「sandbag」で表します。

日本語として使うとすれば「サンドバッグする」となるのでしょうが、今のところはそういった用法は見ませんね。

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「ブラフ」を使いこなそう

この記事では「ブラフ」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「ブラフ」は「自分を強く見せて相手をだますこと」です。「ハッタリ」とほぼ同じ意味になります。

「だます」行為は一般的に悪いことですが、「ブラフ」は知的な戦略のひとつ。「君のブラフにやられた!」と相手に言わせることができたら大したものです。

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国語言葉の意味

「ブラフ」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「ブラフ」について解説する。

端的に言えばブラフの意味は「ハッタリ」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

さまざまな分野の本に触れ、知識を培ってきた「つゆと」を呼んです。一緒に「ブラフ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/つゆと

子供の頃からの筋金入り読書好きライター。むずかしい言葉や複雑な描写に出会っても、ねばり強く読みこんで理解することをポリシーとする。言葉の意味も、妥協なくていねいに解説していく。

「ブラフ」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「ブラフ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「ブラフ」の意味は?

「ブラフ」には、次のような意味があります。

はったり。特にポーカーなどで、手の内が強そうに見せかけること。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「ブラフ」

「ブラフ」とは、自分を強く見せて相手をだますことです。「ハッタリ」とほぼ同じ意味といえます。ポーカーにおいては、相手をハッタリでだましてゲームを降りる気にさせること。

ポーカーで勝ちを狙うには、ドロップせずに最後まで残らなくてはなりません。「ドロップ」とは勝負から降りて損を少なくする手のことです。手持ちのカードが弱いのに、「自分の手持ちはすごく強いぞ」というふりをして相手のドロップを誘い、勝ち残る手法を「ブラフ」といいます。

現代では「遊戯王」などのカードゲームや、村人にまぎれた「人狼」を当てる「人狼ゲーム」でも使う言葉です。ブラフにあたるのは「事実と違うことを、そうであるように見せる」ところですね。本当は「人狼」であるのに村人のふりをするのがまさに「ブラフ」です。

「ブラフ」の語源は?

次に「ブラフ」の語源を確認しておきましょう。「ブラフ」の語源は英語の「bluff」です。「bluff」には「ハッタリでだます」「おどして~をさせる」という意味があります。名詞として用いられる場合は、「ハッタリ」「虚勢(きょせい)」などの意味になりますよ。日本語の「ブラフ」と同じですね。

さらに、英語の「bluff」の語源はオランダ語の「bluffen(自慢する)」です。「自慢する」とは「自分を大きく見せる」ことであり、「ハッタリを言って自分が優位に立つようにする」イメージへとつながります。

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