この記事では「不悪口」について解説する。

端的に言えば不悪口の意味は「乱暴な言葉を使わない」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

接客業で鍛えられた語学力を持つAYAを呼んです。一緒に「不悪口」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/AYA

長年接客業で培った「正しい敬語」を武器に、新人教育の経験も豊富なライターAYAが「不悪口」について読み方から使い方、よくある読み間違いも含めて、分かりやすく解説していく。

「不悪口」の意味や語源・使い方まとめ

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「不悪口」という言葉をご存じでしょうか?若い人は聞いたことないという方がほとんどだと思います。実は真言宗の戒律の一つなのです。今日は仏教の教えに触れながら「不悪口」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「不悪口」の意味は?

「不悪口」には、次のような意味があります。

1.乱暴な言葉を使わない。
出典:Wikipedia「十善戒」

「不悪口」とは「ふあっく」と読み、意味は「乱暴な言葉は使わない」です。この言葉は仏教において十悪を否定するためにできた戒律の一つで十の教えがありますよ。その中の4つの口業(くごう)の内の一つです。戒律とは、仏教で「修行者や僧団が守らなければならない規律」のことで、口業とは仏語で「言葉がもとで、善悪の結果を招く行為。」の意。他にも「身業(しんごう)」「意業(いごう)」の3つの業から成り立っているのが「十善戒」という戒律なのです。

「不悪口」の語源は?

次に「不悪口」の語源を確認しておきましょう。

まずなぜ仏教の教えの中に「十善戒」があるかと言う点から見ていきましょう。僧侶は仏の次の位の「菩薩」を目指して日々修行を積んでいて、その菩薩としてするべき10の良い行い(十悪の反対のこと)の妨げになる「意業・身業・口業」に沿った戒めが「十善戒」となります。読み方は「じゅうぜんかい」と読みますよ。

その「十善戒」の中の「口」に関する戒めの一つが「不悪口」で、十善戒の6番目にあたります。お寺によって微妙なニュアンスの違いはありますが、「乱暴な言葉を使わない」「悪口を言わない」「言葉を荒げない」といった意味で掲げられていますよ。「口は災いのもと」という諺もあるように、「言葉によって他人に不快な思いをさせない、攻撃しない」ことが教えの語源になっています。

\次のページで「「十善戒」」を解説!/

「十善戒」

ここで語源となった「十善戒」の内容をお伝えしたいと思います。(Wikipediaより引用)

不殺生(ふせっしょう) 故意に生きものを殺さない。
不偸盗(ふちゅうとう) 与えられていないものを自分のものとしない。
不邪淫(ふじゃいん) 不倫など道徳に外れた関係を持たない。
不妄語(ふもうご) 嘘をつかない。
不綺語(ふきご) 中身の無い言葉を話さない。
不悪口(ふあっく) 乱暴な言葉を使わない。
不両舌(ふりょうぜつ) 他人を仲違いさせるようなことを言わない。
不慳貪(ふけんどん) 激しい欲をいだかない。
不瞋恚(ふしんに) 激しい怒りをいだかない。
不邪見(ふじゃけん) (因果の道理を無視した)誤った見解を持たない。

「不悪口」の類義語は?違いは?

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「不悪口」には、どんな類語があるでしょうか。

「悪態をつかない」

「不悪口」という言葉は、仏語なので明確な類義語は存在しません。ですので視点を変えて紹介していきますね。

「悪口」と同じ意味を持つ「悪態」に否定形を付けることで、「不悪口」と同じ「人に不快感を与えるようなことを言わない」の意味になりますよ。他にも「陰口をたたかない」「誹謗中傷しない」など「悪口」と似た言葉に否定形を付けることで、言い換え可能な言葉はいくつかありますね。

「不悪口」の対義語は?

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類義語と同じく対義語も正確なものはありませんでした。ですので類義語と同じように視点を変えて紹介していきます。

「称賛」

「不悪口」は「乱暴な言葉を使わない・悪口を言わない」の意味がありましたね。「悪口を言わない」を「悪く言わない」と解釈すると、その反対の意味は「称賛」になりますよ。「称賛」は「しょうさん」と読み、「褒め称えること」の意。同じ読み方で「賞賛」という言葉がありますが、「賞賛」は「金品をあげてほめること」に対して、「称賛」は「言葉にしてほめること」なので、「不悪口」の対義語としては「称賛」の方がふさわしいですね。

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「不悪口」の英訳は?

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「不悪口」は、どんな英語表現ができるでしょうか?一緒に見ていきましょう。

「not speak ill of」

英訳でもやはり「不悪口」では、見当たらないので「悪く言わない」というニュアンスの英語表現を紹介します。

「speak ill of」で「~を悪く言う」という意味になるので否定形を付けた表現「not speak ill of」がふさわしいでしょう。他にも「badmouth」という表現もあり、直訳すると「悪い口」です。日本語でも大口を叩く事を「Bigmouth(ビッグマウス)」と言いますね。「badmouth」でもネイティブには「悪口」と伝わりますよ。英文を挙げておくので参考にしてみて下さい。

1.「You should not speak ill of someone.」(他人の悪口は言うべきではない。)

2.「Don't  skeak badmouth someone.」(人を悪く言わない。)

「不悪口」を使いこなそう

この記事では「不悪口」の意味・使い方・類語などを説明しました。仏教用語からきている言葉なのでやや難しいですが、何度も学び直して正しく理解できるようにしましょう。

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国語言葉の意味

「不悪口」の意味や使い方は?例文や類語を読書好きWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「不悪口」について解説する。

端的に言えば不悪口の意味は「乱暴な言葉を使わない」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

接客業で鍛えられた語学力を持つAYAを呼んです。一緒に「不悪口」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/AYA

長年接客業で培った「正しい敬語」を武器に、新人教育の経験も豊富なライターAYAが「不悪口」について読み方から使い方、よくある読み間違いも含めて、分かりやすく解説していく。

「不悪口」の意味や語源・使い方まとめ

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「不悪口」という言葉をご存じでしょうか?若い人は聞いたことないという方がほとんどだと思います。実は真言宗の戒律の一つなのです。今日は仏教の教えに触れながら「不悪口」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「不悪口」の意味は?

「不悪口」には、次のような意味があります。

1.乱暴な言葉を使わない。
出典:Wikipedia「十善戒」

「不悪口」とは「ふあっく」と読み、意味は「乱暴な言葉は使わない」です。この言葉は仏教において十悪を否定するためにできた戒律の一つで十の教えがありますよ。その中の4つの口業(くごう)の内の一つです。戒律とは、仏教で「修行者や僧団が守らなければならない規律」のことで、口業とは仏語で「言葉がもとで、善悪の結果を招く行為。」の意。他にも「身業(しんごう)」「意業(いごう)」の3つの業から成り立っているのが「十善戒」という戒律なのです。

「不悪口」の語源は?

次に「不悪口」の語源を確認しておきましょう。

まずなぜ仏教の教えの中に「十善戒」があるかと言う点から見ていきましょう。僧侶は仏の次の位の「菩薩」を目指して日々修行を積んでいて、その菩薩としてするべき10の良い行い(十悪の反対のこと)の妨げになる「意業・身業・口業」に沿った戒めが「十善戒」となります。読み方は「じゅうぜんかい」と読みますよ。

その「十善戒」の中の「口」に関する戒めの一つが「不悪口」で、十善戒の6番目にあたります。お寺によって微妙なニュアンスの違いはありますが、「乱暴な言葉を使わない」「悪口を言わない」「言葉を荒げない」といった意味で掲げられていますよ。「口は災いのもと」という諺もあるように、「言葉によって他人に不快な思いをさせない、攻撃しない」ことが教えの語源になっています。

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