この記事では「クロニクル」について解説する。「クロニクル」はかなりニッチと言える言葉です。日常で頻繁に出てくるわけでもないし、予備知識なしで聞いてもどんな意味か判断できないでしょう。アニメやゲームといった娯楽の場面で出ることがあるから、人によっては造語だと勘違いしているかもしれないが、れっきとした英単語です。元建築系企業社員、現言葉大好きライターのsasaiを呼んです。一緒に「クロニクル」の意味や語源、類義語などを見ていきます。

ライター/sasai

元会社員の現役フリーライター。言葉が好きで文章が好き。読むのも書くのも大好きで、海外小説からビジネス書まで何でも読む本の虫。こだわりをもって言葉の解説をしていく。

「クロニクル」の意味とは?

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「クロニクル」の意味は以下の通りです。

年代記。編年史。

出典:Weblio辞書「クロニクル 意味」

「クロニクル」の意味は「年代史」であり、他の意味はありません。非常にシンプルな言葉と言えます。しかし、予備知識なしで「クロニクル」とだけ聞いて「年代史」のことだと推測するのは困難です。日本では「クロニクル」と表現されるより「年代史」と表現される方が伝わりやすく、出番はそれほど多くはないものの、知らなければ読めない単語であるため意味は抑えておきましょう。

「クロニクル」の持つ特徴

「クロニクル」は「年代史」という意味ですが、「年代史」という言葉がそうであるように、「クロニクル」も単体で使用されるケースはそれほど多くありません。大抵の場合、何について記した年代史なのかを併せて述べる必要があるため、「クロニクル」の前には「クロニクル」の内容を示した単語を繋げて用いられます。

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「クロニクル」の使い方とは?

「クロニクル」は「年代史」と置き換え可能ですが、実際のところ実生活で使用される場面はほとんどありません。以下の例文を読んでください。

1.パソコンの「年代史」を図書館で探そうと思う。
2.パソコンの「クロニクル」を図書館で探そうと思う。

1も2も、文章として間違っている点はありません。意味も全く同じです。しかし、1と2では人への伝わりやすさが大きく違います。1の表現の場合は多くの人が何を言われているのかスムーズに理解し、返事が出来るでしょう。しかし、2の表現を使用した場合、おそらく大抵の人が「クロニクルって何?」と問い返してきます。

言葉は人とやり取りするためのツールです。日本において「クロニクル」はあまりにも日常会話から遠い言葉であり、生活の中で使うには向いていません。

「クロニクル」はどこで使用される?

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上記のトピックで「クロニクル」は日常で使うにあたり、どちらかというと不向きな言葉と説明しました。それでは、日本において「クロニクル」の出番はどこにもないのかというと、それもまた間違いです。「クロニクル」は使用される場面があります。ただし、場面としてはかなり限られており、日常生活に関わってくる場面はほとんどないでしょう。

エンターテイメントで活躍する「クロニクル」

「クロニクル」が日本において頻繁に出てくる場面は、漫画・ゲーム・アニメなどの娯楽やエンターテイメントの世界です。

知名度がやや低いせいもあいまって、特定の作家が作ったオリジナルの言葉と勘違いされることもまれにありますが、探すとさまざまな作品で「クロニクル」は使用されています。カタカナであるため漢字の文化圏の作品にはほぼ登場しませんが、西欧の世界観を持つファンタジックな作品とは親和性が高いです。

受験ではたびたび出現する?「クロニクル」

実は「クロニクル」は大学受験レベルになると、低確率ながらしばしば見受けられる単語です。ただし「クロニクル」とカタカナ表記で出てくるのではなく、あくまで英単語として出てくるため、表記は「chronicle」となります。

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「クロニクル」が抱かせる印象とは?

「クロニクル」の意味は「年代史」ですが、同じ場面でもどちらの表現を使うのかで印象が変わってきます。確かに「年代史」の方がより伝わりやすい単語ですが、「理解が難しそう」「親しみづらい」という印象も抱かせる言葉です。

対して「クロニクル」はピンと来づらくはあるものの、「年代史」が持つ固くて難しそうな印象は大きく和らぎます。このとっつきやすさが、老若男女問わず多くの人を対象にした娯楽の世界でしばしば利用される理由です。

「クロニクル」の語源とは?

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「クロニクル」の語源は以下の通りです。

「年代記」 chronicleは語源のギリシャ語Gk.kronikos「時間の」「長期の」と言う意味から来ています。

出典:語源の広場「chronicle 語源」

頭文字が「k」と「c」で違うのでは?と思われるかもしれませんが、「k」が頭文字なのはラテン語でこのような表記になるためです。年月を経て「c」が頭文字の英単語となり、現在「クロニクル」は英単語として綴りを表記すると「c」が頭文字になります。他にも類似した英単語はありますが、いずれもアルファベットの綴りは頭文字が「c」です。

おまけ:「クロノ」から広がる言葉

本記事では「クロニクル」を紹介していますが、近しい意味かつ日本でもまれに見かける単語として、「クロノ」「クロノス」があります。「クロノ」は「時の」という意味であり、「クロノス」は時空を司る神の名前です。「クロニクル」と合わせると、非常によく似た語感であることが分かり、これは語源が同じである、また近しいために起こります。

このようなことから、ひとつ言葉を覚えておくと、近しい言葉も推測しやすい傾向があるため、どんな言葉であっても覚えておいて損はありません。

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「クロニクル」の類義語にはなにがある?

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「クロニクル」の類義語は「歴史書/年代史/編年史」などです。意味上はシンプルな言葉であるため基本的に置き換えは簡単ですが、「クロニクル」は英語であり、「年代史」などは日本語になるため、「何についての年代史なのか?」ということには常に気を配り言葉を調整しましょう。

例えば「台所の年代史」と表現したい場合、「台所のクロニクル」と表現してしまうと、意味上は通りますが明らかにバランスが取れていません。「クロニクル」を使用したい場合は台所ではなく英単語の「キッチン」を使うなどしてちぐはぐな印象を消すことが大切です。

「ヒストリー」との違い

「クロニクル」としばしば混同される言葉に「ヒストリー」があります。両者の違いは、書き表し方です。「クロニクル」は年代史であり、年表に基づいて事実を羅列していくものですが、「ヒストリー」は年表に必ず基づくというものではありません。

歴史と心を繋ぐ「クロニクル」

「クロニクル」は英単語ですが、日本ではややマイナー寄りの言葉であり、新鮮に映る人も少なくないでしょう。そういった人こそ、「クロニクル」の恩恵に預かるチャンスです。「年代史」と言われると難しそうで気構えしてしまうかもしれませんが、「クロニクル」に置き換えて歴史に触れてみると、心理的な抵抗がなくなるかもしれません。

" /> 「クロニクル」っていつ使う言葉なの?意味・語源・類義語を言葉大好きライターがわかりやすく解説! – Study-Z
国語言葉の意味

「クロニクル」っていつ使う言葉なの?意味・語源・類義語を言葉大好きライターがわかりやすく解説!

この記事では「クロニクル」について解説する。「クロニクル」はかなりニッチと言える言葉です。日常で頻繁に出てくるわけでもないし、予備知識なしで聞いてもどんな意味か判断できないでしょう。アニメやゲームといった娯楽の場面で出ることがあるから、人によっては造語だと勘違いしているかもしれないが、れっきとした英単語です。元建築系企業社員、現言葉大好きライターのsasaiを呼んです。一緒に「クロニクル」の意味や語源、類義語などを見ていきます。

ライター/sasai

元会社員の現役フリーライター。言葉が好きで文章が好き。読むのも書くのも大好きで、海外小説からビジネス書まで何でも読む本の虫。こだわりをもって言葉の解説をしていく。

「クロニクル」の意味とは?

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「クロニクル」の意味は以下の通りです。

年代記。編年史。

出典:Weblio辞書「クロニクル 意味」

「クロニクル」の意味は「年代史」であり、他の意味はありません。非常にシンプルな言葉と言えます。しかし、予備知識なしで「クロニクル」とだけ聞いて「年代史」のことだと推測するのは困難です。日本では「クロニクル」と表現されるより「年代史」と表現される方が伝わりやすく、出番はそれほど多くはないものの、知らなければ読めない単語であるため意味は抑えておきましょう。

「クロニクル」の持つ特徴

「クロニクル」は「年代史」という意味ですが、「年代史」という言葉がそうであるように、「クロニクル」も単体で使用されるケースはそれほど多くありません。大抵の場合、何について記した年代史なのかを併せて述べる必要があるため、「クロニクル」の前には「クロニクル」の内容を示した単語を繋げて用いられます。

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