この記事では「了解」について解説する。

端的に言えば了解の意味は「分かること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

国文学専攻の大学を卒業し、日本語教師の資格を持つasukaを呼んです。一緒に「了解」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/asuka

国文学専攻の大学を卒業。日本文学や日本語学を学ぶうちに、言葉が持つ意味の奥深さに魅了され、在学中に日本語教師の養成講座を修了する。これまで学んだこと、経験を活かし丁寧に解説していく。

「了解」の意味や語源・使い方まとめ

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皆さんは「了解」という言葉の意味を知っていますか。よく耳にしたり目にしたりする機会が多い言葉ですよね。特にビジネスシーンではよく使用される言葉なのではないでしょうか。この記事では「了解」という言葉の意味について例文を用いながら解説してますので、一緒に学んでいきましょう。

「了解」の意味は?

「了解」と国語辞典で調べると次のような表記がありました。

1.物事の内容や事情を理解して承認すること。了承。
2.(ドイツ)Verstehen ディルタイ哲学で、文化的、歴史的なものを生の表現とみなし、その生を追体験によって把握すること。理解。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「了解」

「了解」は日常的に使いやすくて便利な言葉ですね。例えば何か物事を問われたとします。そうした時「分かりました」という意味で「了解」という言葉を使っている方がほとんどなのではないでしょうか。この例の使い方だと、上記の1の意味に当てはまり、意味としては正しい使い方だと言えますね。しかし相手との関係性や場面、場合によっては「了解」という言葉を使用すると不適切な使い方となってしまうので注意が必要です。もう少し細かく「了解」について見ていきましょう。なお、私は哲学の専門家ではないので上記の2の意味については、この記事では触れないこととします。

「了解」の語源は?

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「了解」とは「物事の内容や事情を理解して承認すること」だと分かりました。それでは次に「了解」の語源について確認しましょう。

「了解」とは「了」と「解」に分けられる言葉ですね。それぞれの漢字の意味を見ていきましょう。「了」とは「終わること」「済むこと」という意味と「わかること」「さとること」という意味があります。そして「解」の意味も様々ありますが「わかる」「さとる」と「了」と同じ意味があるのです。このように「わかる」「さとる」という言葉の意味を持つ言葉が二つ重なって「了解」という言葉が生まれたと考えられますね。

\次のページで「「了解」の使い方・例文」を解説!/

「了解」の使い方・例文

ここまで「了解」という言葉の意味と語源について説明してきました。続いて、例文を用いながら「了解」の使い方について見ていきましょう。

1.約束をしていた友人から「明日渋谷に19時に待ち合わせしよう」と連絡がきたので「了解」と返信をした。
2.同僚に「この日の打ち合わせ13時から15時に変更だって」と報告を受けたので「了解」と答えた。
3.上司から「明日の会議に君も出席してくれないか」と言われたので「了解いたしました」と返事した。

例文1は友人とのやり取りが伺えますね。場所と時間を指定して待ち合わせしようと言った友人に「わかった」と伝えています。こうしたやり取りは日常的によく行われているのではないでしょうか。特別意識をしていないだけで、無意識に「了解」と返信していることも多いかもしれません。

例文2と例文3はどちらもビジネスシーンで「了解」という言葉を使用しています。例文2は同僚との会話で例文3では上司との会話ですね。例文のように同僚や友人との会話では「了解」「了解です」と表現できますが、先輩や上司など目上の人には「了解いたしました」という表現が適切です。日常やビジネスシーンなどあらゆるシチュエーションで「了解」という言葉は使用できるので、使用する場面や相手を考えて使いましょう。

「了解」の類義語は?違いは?

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続いて「了解」の類義語について一緒に確認しましょう。

その1「承知」

「承知」とは「しょうち」と読み「旨を承って知ること」「聞き入れる」ことを意味する言葉です。例えば、「この書類を明日までに仕上げてくれ」と上司に言われたので「承知しました」と答えたと使用することができます。このように「承知しました」は上司や目上の人に向けて使用することができる言葉です。

「了解」の例文で紹介した「了解いたしました」も上司や目上の人に向けて使用できますが、上司やあるいは取引先の人に「わかりました」と表現したい時は「承知しました」がより相応しいといえるでしょう。「承知する」という言葉が既に謙譲語なので「承知しました」は「承知いたしました」と変換せずとも十分正しい表現であり、相手に失礼ではありません。

\次のページで「その2「了承」」を解説!/

その2「了承」

「了承」とは「りょうしょう」と読み「事情をよく理解して聞き入れること」を意味する言葉です。例えば「ただいま、感染症防止の観点から当施設は20時に閉店いたします。誠に恐れ入りますが何卒ご了承ください」と使用することができますね。「ご了承」とは「納得する」の敬語表現です。

例えで挙げた文章のように「ご了承」を使用する場合「こちらの提案に納得してください」と相手に提案した内容を分かってほしい時に使います。そのため「了解」とは使用場面が少し異なりますので注意いましょう。こちらの提案に納得して欲しい時に「ご了解いただけますか」と聞くのは不自然です。「ご了承」という言葉を使用するようにしましょう。

「了解」の対義語は?

最後に「了解」の対義語について確認しましょう。

「了解」に明確な対義語はありません。しかし「了解」が意味する「わかる」から想像するに「承知できない」や「了承しない」もしくは「分からない」が考えられるのではないでしょうか。

「了解」を使いこなそう

この記事では「了解」の意味・使い方・類語などを説明しました。おさらいすると「了解」とは「分かった」と相手に伝える時に使用する言葉でしたね。そして、同様や友達あるいは部下や後輩など目下の人に向けて「了解」を使う時は「了解です」と使用できますが、先輩や上司もしくは取引先の方など目上の人に向けて「分かりました」と伝えたい時は「了解いたしました」が使用できることが分かりました。「了解」という言葉は日常生活でもビジネスシーンでもよく使用する言葉なので、意味を理解した上で適切な場面で使用したいですね。この記事を通して、皆さんに「了解」の意味が伝われば幸いです。

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国語言葉の意味

「了解」の意味や使い方は?例文や類語を国文学部卒Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「了解」について解説する。

端的に言えば了解の意味は「分かること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

国文学専攻の大学を卒業し、日本語教師の資格を持つasukaを呼んです。一緒に「了解」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/asuka

国文学専攻の大学を卒業。日本文学や日本語学を学ぶうちに、言葉が持つ意味の奥深さに魅了され、在学中に日本語教師の養成講座を修了する。これまで学んだこと、経験を活かし丁寧に解説していく。

「了解」の意味や語源・使い方まとめ

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皆さんは「了解」という言葉の意味を知っていますか。よく耳にしたり目にしたりする機会が多い言葉ですよね。特にビジネスシーンではよく使用される言葉なのではないでしょうか。この記事では「了解」という言葉の意味について例文を用いながら解説してますので、一緒に学んでいきましょう。

「了解」の意味は?

「了解」と国語辞典で調べると次のような表記がありました。

1.物事の内容や事情を理解して承認すること。了承。
2.(ドイツ)Verstehen ディルタイ哲学で、文化的、歴史的なものを生の表現とみなし、その生を追体験によって把握すること。理解。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「了解」

「了解」は日常的に使いやすくて便利な言葉ですね。例えば何か物事を問われたとします。そうした時「分かりました」という意味で「了解」という言葉を使っている方がほとんどなのではないでしょうか。この例の使い方だと、上記の1の意味に当てはまり、意味としては正しい使い方だと言えますね。しかし相手との関係性や場面、場合によっては「了解」という言葉を使用すると不適切な使い方となってしまうので注意が必要です。もう少し細かく「了解」について見ていきましょう。なお、私は哲学の専門家ではないので上記の2の意味については、この記事では触れないこととします。

「了解」の語源は?

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「了解」とは「物事の内容や事情を理解して承認すること」だと分かりました。それでは次に「了解」の語源について確認しましょう。

「了解」とは「了」と「解」に分けられる言葉ですね。それぞれの漢字の意味を見ていきましょう。「了」とは「終わること」「済むこと」という意味と「わかること」「さとること」という意味があります。そして「解」の意味も様々ありますが「わかる」「さとる」と「了」と同じ意味があるのです。このように「わかる」「さとる」という言葉の意味を持つ言葉が二つ重なって「了解」という言葉が生まれたと考えられますね。

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