1.日中の喧騒がウソのように、夜の街は静謐に包まれていた。
2.静謐な雰囲気の風景画に、思わず足を止めて見入ってしまった。
3.長年続いていた紛争が一応の決着を見たことにより、この地域は静謐さを取り戻しつつある。
例文1や2のとおり「静謐」は、しんと静まり返った場面や景色の情景を簡潔明瞭に表現できる言葉です。例文3のように、世情が落ち着いていることを言い表すのにも適しています。
「静謐」の類義語3選
次に「静謐」の使い方の輪郭をはっきりさせるため、外堀を埋めるイメージで類義語と対義語もチェックしていきましょう。まずは類義語を3つ示します。
静寂:しんとしてもの寂しい
静かな様子を表現する「静寂」。両者の違いは「静謐」が清らかで静かな情景を表すのに対し、「静寂」は物理的に静かでもの悲しい雰囲気をまとっているところ。
長閑:静かでのんびりしている
「のどか」と読みます。凛とした印象の「静謐」とやや対照的です。しかし「長閑」は平和を象徴しますので、「静謐」の「世の中が穏やか」という部分と共通していますね。
泰平:世の中が平和である
「静謐」の内包するニュアンスのうち、「世の中が落ち着いている」という部分と一致する言葉です。「天下泰平」という四字熟語は、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
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