この記事では「相まって」について解説する。

端的に言えば相まっての意味は「お互いに影響しあうこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

情報誌系のライターを10年経験した川瀬を呼んです。一緒に「相まって」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/川瀬

幼少期から多種多様な本を与えられて育ち、分からない言葉があれば辞書で引く癖がついていた。本を読む度に、細やかで表現力豊かな美しい日本語に魅了される。これまでの読書量を活かし、丁寧に言葉の意味を解説していく。

「相まって」の意味や語源・使い方まとめ

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「~が相まって」という表現を小説やビジネスシーンでよく耳にすることがあるのではないでしょうか。特に難しい表現でもなく、意味もだいたい予想がつく言葉です。しかし、正しい意味を知っている人はなかなか少ないと感じます。この機会に「相まって」の使い方と正しい意味を理解するチャンスです。それでは早速「相まって」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「相まって」の意味は?

「相まって」には次のような意味があります。

二つ以上の事柄が、お互い作用し合うこと。また、複数の事柄が影響し合い、相乗効果を発揮するという意味。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「相まって」「相俟って」

「相まって」には「あいまって」「相俟って」の2つの別表記があります。「相待って」と誤って書かれることがありますが、正しい漢字表記は「相俟って」ですので注意しましょう。意味は、いくつかの要素が組み合わさる事で、お互いに影響し合うことです。漢字表記の「相俟って」の「俟つ」には「頼る・必要とする・頼り合う」という意味があります。互いに必要とする、頼り合うことがもともとの意味でした。

今ではほとんどの場面で「互いに影響し合う」という意味で使われています。しかし、いくつかの要素が影響し合う事で、なにかが発生する事を「相まって」と表現する事もあるため、きちんと覚えておきましょう。

「相まって」の使い方・例文

「相まって」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

\次のページで「「相まって」の類義語は?違いは?」を解説!/

1.個々の努力とチームの団結力が相まって最高のプレゼンができた
2.緊張とプレッシャーが相まって、口から心臓が飛び出そうだ
3.性能の良さとデザインの良さが両々相まってじつに大ヒット商品となった。

「相まって」には、「2つ以上の要素が互いに影響し合うこと」という意味がある事は前述で紹介した通りです。そのため、相乗効果が生まれた場面でよく用いられます。1つ目の例文では「個々の努力」と「チームの団結力」が影響し合い、「最高のプレゼン」が出来た事が分かりますね。このように、2つ以上の要素が影響し合って、どうなったのかという結果までで1つの文章にすることが出来るのです。また、「相まって」という言葉はプラスの効果が生まれた際に使用されることがほとんどになります。しかし、例文2のようにマイナスな効果が生まれた場合でも使用されるケースもあるのです。例文2では、「緊張」と「プレッシャー」の2つの悪い要素が重なって悪い影響を及ぼしている事が分かります。

「両々相まって」という表現方法も見かけた事があるのではないでしょうか。「両々」は両方という意味、「相まって」は「お互いが影響し合うこと」なので意味が重複しているように感じます。しかし、「AとBの両方がお互いに作用する」と解釈すれば、問題がありません。そのため、例文3の様に「両々相まって」と言い換える事も出来ます。

「相まって」の類義語は?違いは?

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「相まって」には様々な類義語が考えられます。それぞれ違いを確認していきましょう。

その1「相重なって」

「相まって」の類語に、「相重なって」という言葉があります。「相重なって」は、「多くの要素が組み合わさって効果を生む様子」という意味です。「相まって」は2つの事がお互いに影響する事、「相重なって」は複数の事が組み合わさるという点で違いがあります。

その2「相乗効果」

「相まって」の類語のもう1つに、「相乗効果」が挙げられます。「相乗効果」は、「いくつかの要素が重なり合う事で、1つ1つで得られる結果以上のものを生むこと」という意味。1つ1つが生む結果に限界はつきものですが、それを重ねることでより大きな結果を生むのです。

\次のページで「「相まって」の対義語は?」を解説!/

「相まって」の対義語は?

「相まって」の対義語についても見ていきましょう。

その1「相殺」

相まっての対義語の1つには、「相殺」が挙げられます。「相殺」とは、「お互いに損得が発生しないように差し引くこと。または、長所が短所によって打ち消されてしまうこと」という意味です。「二つ以上の事柄が、お互い作用し合うこと」という意味がある「相まって」の対義語と言えるでしょう。

その2「打ち消し合う」

相まっての対義語のもう1つに「打ち消し合う」という言葉があります。「打ち消し合う」とは「複数の要因や原因を組み合わせると、それぞれの持つ能力や長所が消失してしまう状態のこと」という意味。「相まって」の悪い結果の場合には似たような意味と感じるかもしれません。しかし、「打ち消し合う」の場合には複数の要因を組み合わせた結果、消えてしまいます。いい結果も悪い結果も、結果として残る「相まって」の対義語と言えるでしょう。

「相まって」の英訳は?

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「相まって」は英語でどのように表現するのか、詳しく見ていきましょう。

「combined with~」

「combined」は「組み合わせる」という意味。「with」の後に言葉を繋げると「~と組み合わさって」という意味になります。つまり、日本語の「相まって」の意味を持つ言葉になるため、英語の置き換え表現として比較的簡単な言い回しのものです。実際に例文も見ていきましょう。

1. Rising energy prices, coupled with the consumption tax hike, is leading to a heavy blow to household finances.(消費増税と相まって、エネルギー価格の上昇は、家計にとって大きな打撃となるだろう。)

2.Combined with progress in medical technology, healthcare costs will highly increase.(医療技術の進歩と相まって、医療費は増加するだろう。)

\次のページで「「相まって」を使いこなそう」を解説!/

「相まって」を使いこなそう

この記事では「相まって」の意味・使い方・類語などを説明しました。「相まって」とは「二つ以上の事柄が、お互い作用し合うこと。複数の事柄が影響し合い、相乗効果を発揮すること」の意味です。一般的にはいい結果を生んだ時によく用いられますが、ネガティブな影響が生まれた際にも使われます。幅広く使える表現方法ですので、ぜひ覚えておきましょう。

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国語言葉の意味

「相まって」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「相まって」について解説する。

端的に言えば相まっての意味は「お互いに影響しあうこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

情報誌系のライターを10年経験した川瀬を呼んです。一緒に「相まって」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/川瀬

幼少期から多種多様な本を与えられて育ち、分からない言葉があれば辞書で引く癖がついていた。本を読む度に、細やかで表現力豊かな美しい日本語に魅了される。これまでの読書量を活かし、丁寧に言葉の意味を解説していく。

「相まって」の意味や語源・使い方まとめ

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「~が相まって」という表現を小説やビジネスシーンでよく耳にすることがあるのではないでしょうか。特に難しい表現でもなく、意味もだいたい予想がつく言葉です。しかし、正しい意味を知っている人はなかなか少ないと感じます。この機会に「相まって」の使い方と正しい意味を理解するチャンスです。それでは早速「相まって」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「相まって」の意味は?

「相まって」には次のような意味があります。

二つ以上の事柄が、お互い作用し合うこと。また、複数の事柄が影響し合い、相乗効果を発揮するという意味。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「相まって」「相俟って」

「相まって」には「あいまって」「相俟って」の2つの別表記があります。「相待って」と誤って書かれることがありますが、正しい漢字表記は「相俟って」ですので注意しましょう。意味は、いくつかの要素が組み合わさる事で、お互いに影響し合うことです。漢字表記の「相俟って」の「俟つ」には「頼る・必要とする・頼り合う」という意味があります。互いに必要とする、頼り合うことがもともとの意味でした。

今ではほとんどの場面で「互いに影響し合う」という意味で使われています。しかし、いくつかの要素が影響し合う事で、なにかが発生する事を「相まって」と表現する事もあるため、きちんと覚えておきましょう。

「相まって」の使い方・例文

「相まって」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

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