この記事では「了承」について解説する。

端的に言えば了承の意味は「理解すること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

国立大で国語学を学んだライターのタケルを呼んです。言葉の解説を得意としていて、大学時代はクイズサークルに所属していたので雑学にも詳しい。一緒に「了承」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/タケル

某国立大で国語学を専攻していた。私は湯水のごとく文章が湧いて出るタイプではなく、依頼主の了承を得るまで何度も書き直すのがいつものパターン。よってスピードを求められる記事がなかなか書けない。

「了承」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「了承」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「了承」の意味は?

「了承」には、次のような意味があります。

事情をくんで納得すること。承知すること。承諾。「―を得る」「申し入れを―する」「―済み」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「了承」

了承」(りょうしょう)には、「事情を知ったうえで納得すること」という意味があります。ただ「分かった」ということではありません。「知って」から「納得する」という、2つの段階を踏まえているということが重要です。

「了承」の語源は?

次に「了承」の語源を確認しておきましょう。

「了承」の「」の字には「終わる、分かる」という意味があります。一方「」の字の意味は「受け入れる」です。2つ合わせて「分かった上で受け入れる」、つまり、「納得する、理解する」という意味の言葉となりました。

余談ですが、「了承」の「了」と「承」という漢字は、どちらも部首が何なのか分かりにくいですよね。まず、「了」は「亅」の部分が部首で、名前は「はねぼう」(または「かぎ」)です。先が釣り針のように曲がった棒状の物を表しています。他には「予」や「事」などの部首が「はねぼう」です。また、「承」の場合、部首はへんやつくりではありません。「手」が部首となります。漢字の中の部分が部首という扱いです。

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「了承」の使い方・例文

「了承」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.上司の了承を得て週3日をリモートワークに切り替えた。
2.先日ご提案の件は了承いたしましたので、そちらでも進めていただいてかまいません。
3.なお、締切日までにご返答いただけない場合、ご了承があったものとみなして契約を延長させていただきます。

特に会話においては、「了承」する当事者は2つのパターンがあります。自分と相手方です。

自分が「了承」する場合は単に「了承」でかまいません。ですが、特にビジネスシーンにおいては、相手方の「了承」は「ご了承」とすべきです。例文3がまさにそうですよね。相手から「了承」してもらった場合は「ご了承いただいた」などとしなければいけません。「了承」してもらう場合も「ご了承ください」とします。

「了承」の類義語は?違いは?

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ところで、「了承」の類義語は何でしょうか。違いとともに見ていきましょう。

「承知」「承諾」

承知」(しょうち)や「承諾」(しょうだく)は、どちらも「相手の要求などを聞いて受け入れること」という意味があります。「知って」から「理解する」という2段階を踏んでいることは、「了承」と同じです。

「了承」「承知」「承諾」に使われている「承」は、訓読みでは「うけたまわ(る)」と読みます。「承」の字だけで「うけたまわ」と5音あるような動詞は、他に「慮る」(おもんぱかる)など限られたものしかありません。そんなにも長いのは、そもそも「うけたまわる」は、「受ける」(うける)と「賜る」(たまわる)が合わさったからです。「了承」「承知」「承諾」の、知った上で理解するという2段階のプロセスは、まさに「承る」という言葉が意味する人の動きそのものと言えます。

しかし、「了承」と「承知」「承諾」では、使う場面に若干の違いがあることに注意しなければなりません。「了承」は目上の者が目下の者の提案を受け入れるときに使われるのに対して、「承知」は目下の者が目上の者の指示を理解したときに使われます。また、「承諾」は会社内の人間同士と言うよりは、会社間での契約などに使われる言葉です。

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「了承」の対義語は?

さらに「了承」の対義語も見ていきましょう。

「拒否」「拒絶」

「了承」が「聞いたことを受け入れる」という意味ですので、その反対は「受け入れない」、つまり「拒む」(こばむ)ということになります。

「拒む」では動詞形なので、「了承」と同じ名詞形にしなければなりません。であるとすれば、「了承」の対義語としてふさわしいのは「拒否」「拒絶」「辞退」「不承知」などとなります。

ちなみに「拒否」と「拒絶」にも違いがあり、相手の要求を聞き入れずに断るのが「拒否」相手の要求を受け付けないのが「拒絶」です。また、「拒否」よりも「拒絶」の方が拒む度合いが強いとされます。

「了承」の英訳は?

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ついでに「了承」の英訳も確認しておきましょう。

「understanding」

「了承」は「理解すること」という意味があります。「理解する」という動詞には、日本人にもなじみのある英訳がありますよね。そうです、「understand」(アンダースタンド)です。「了承」は名詞ですので、動詞を名詞形にすれば解決します。「〜ing」を付けた「understanding」が「了承」の英訳です。

他にも、「了承」を「同意」ととらえれば「agreement」が、「許可」ととらえれば「permission」などが英訳と言ってもいいでしょう。「容認、認可」であれば「acceptance」「approvement」「consent」などもあります。

「了承」を使いこなそう

この記事では「了承」の意味・使い方・類語などを説明しました。

ビジネスシーンではアポイント取りが重要です。アポイントを上手に取れるか取れないかで、営業成績が変わります。こちらが「了承」する場面もありますし、何よりも先方の「ご了承」がないと事が運びません。スムーズに「ご了承」いただけるためにも、「了承」の言葉の意味や使い方を正確に覚えましょう。

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国語言葉の意味

「了承」の意味や使い方は?例文や類語を雑学大好きwebライターがわかりやすく解説!

この記事では「了承」について解説する。

端的に言えば了承の意味は「理解すること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

国立大で国語学を学んだライターのタケルを呼んです。言葉の解説を得意としていて、大学時代はクイズサークルに所属していたので雑学にも詳しい。一緒に「了承」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/タケル

某国立大で国語学を専攻していた。私は湯水のごとく文章が湧いて出るタイプではなく、依頼主の了承を得るまで何度も書き直すのがいつものパターン。よってスピードを求められる記事がなかなか書けない。

「了承」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「了承」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「了承」の意味は?

「了承」には、次のような意味があります。

事情をくんで納得すること。承知すること。承諾。「―を得る」「申し入れを―する」「―済み」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「了承」

了承」(りょうしょう)には、「事情を知ったうえで納得すること」という意味があります。ただ「分かった」ということではありません。「知って」から「納得する」という、2つの段階を踏まえているということが重要です。

「了承」の語源は?

次に「了承」の語源を確認しておきましょう。

「了承」の「」の字には「終わる、分かる」という意味があります。一方「」の字の意味は「受け入れる」です。2つ合わせて「分かった上で受け入れる」、つまり、「納得する、理解する」という意味の言葉となりました。

余談ですが、「了承」の「了」と「承」という漢字は、どちらも部首が何なのか分かりにくいですよね。まず、「了」は「亅」の部分が部首で、名前は「はねぼう」(または「かぎ」)です。先が釣り針のように曲がった棒状の物を表しています。他には「予」や「事」などの部首が「はねぼう」です。また、「承」の場合、部首はへんやつくりではありません。「手」が部首となります。漢字の中の部分が部首という扱いです。

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