この記事では「糾弾」について解説する。

端的に言えば糾弾の意味は「非難」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は、ロシアで2年間日本語教師として働いた大学院生ライターの「むかいひろき」を呼んです。一緒に「糾弾」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/むかいひろき

ロシアの大学で2年間日本語教師として働いた経験を持つ大学院生。その経験を武器に、「言葉」について分かりやすく解説していく。

「糾弾」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「糾弾」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「糾弾」の意味は?

「糾弾」には、次のような意味があります。

罪や責任を問いただし、非難すること。「汚職収賄を―する」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「きゅう‐だん〔キウ‐〕【糾弾/×糺弾】」

「糾弾」は「罪や責任を問いただし、それを非難すること」という意味を持った言葉で、「きうだん」と読みます。「きうだん」ではないので注意しましょう。

「糾弾」の語源は?

次に「糾弾」の語源を確認しておきましょう。

「糾弾」はとても古い言葉で、すでに飛鳥時代に現代と同じ意味での使用が確認されています。707年の『続日本紀』には、「冝自今以後厳加糺弾、革其弊俗、使靡淳風」という記述があり、ここでの「糺弾」は「罪状や失敗などを問いただして、とがめること」という現代とほぼ同じ意味です。

かつては「糺弾」という字を使うことが多かったですが、現代では基本的に「糾弾」の字を使います。パソコンの予測変換では「糺弾」は出てこないこともありますが、「糺弾」「糾弾」のどちらを使っても間違いではありません。

\次のページで「「糾弾」の使い方・例文」を解説!/

「糾弾」の使い方・例文

「糾弾」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.大臣は女性差別発言を理由に国会で強く糾弾された
2.企業の個人情報漏洩はマスコミや市民に糾弾された
3.山田議員の選挙資金における不正行為はマスコミや大衆からの厳しい糾弾を受けることとなった。
4.アメリカで起きたテロ攻撃について、私たちは強く糾弾する

「糾弾」は、「糾弾する」や「糾弾される」という形で、「発言や出来事を罪悪として責め立てる・非難するとき」に使用する言葉です。

例文1では「女性差別発言」が、例文2では「個人情報漏洩」が、例文3では「選挙資金における不正行為」が、例文4では「テロ攻撃」が罪悪として非難の対象となっています。このように罪悪となる具体的な非難の対象となる発言や出来事が存在しない場合は、「糾弾」は使用できないので気をつけましょう。

また「糾弾」は、大勢の人が1人やある集団を問いただして非難するときに使用されることが多く、先生が学生を咎める場合や、上司が部下を咎める場合など一対一の場面ではあまり使われません。この4つの例文でも、非難している人は1人ではなくて大勢というニュアンスが出ていますよね。

「糾弾」の類義語は?違いは?

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「糾弾」の類義語には、「非難」「弾劾」「問責」「指弾」があります。

その1「非難」

非難」は「人の欠点や過失などを取り上げて責めること」という意味を持つ言葉で、「糾弾」とよく似た表現です。

「非難」と「糾弾」の違いは、「非難」の方がより広く一般的な意味でも使える点ですね。たとえば、「非難」では、「社長の過失に対する無責任な態度は世間の非難を浴びた」では「無責任な態度」が責める対象となっています。

具体的な発言や出来事を罪悪として責める場合だけでなく、相手の欠点や良くない部分を責める際にも使用できるのが「非難」です

※つまり「糾弾」を「非難」に言い換えることは可能ですが、「非難」を「糾弾」に言い換えることは可能な場合と不可能な場合があります。

\次のページで「その2「弾劾」」を解説!/

その2「弾劾」

弾劾」は「だんがい」と読み、「犯罪や不正をはっきりさせて公にし、責任をとるように求めること」という意味を持つ「糾弾」と非常によく似た言葉です。

「弾劾」と「糾弾」の違いは、「弾劾」には「犯罪や不正をはっきりさせて公にする、世間に公表する」というニュアンスが含まれますが、「糾弾」にはそのニュアンスがありません。

たとえば、「大統領選挙での不正問題弾劾する」という文では、「不正問題」に対して非難すると同時に、「どのような不正があったのか」「なぜ不正が起きたのか」明らかにするように求める…というニュアンスが含まれます。

その3「問責」

問責」は「もんせき」と読み、「問いただすこと」「責任を問うこと」という意味を持った「糾弾」に非常に意味の似た言葉です。

「問責」と「糾弾」の違いは、「糾弾」は、大勢の人が1人やある集団を問いただして非難するときに使用されることが一般的ですが、「問責」の場合は一対一の場合でも使用されます。また、「糾弾」は問いただしたうえで「非難する」ニュアンスが「問責」よりも強いです。

「問責」は「問責決議案」のように政治の世界で使われることが多い言葉ですね。

その4「指弾」

指弾」は「しだん」と読み、「非難して排斥すること」という意味を持った言葉です。

「指弾」と「糾弾」の違いは、「指弾」には「非難したものを排斥する、除外するというニュアンスが含まれますが、「糾弾」にはそのようなニュアンスはありません。

たとえば、「何気ない発言によって会議から指弾されてしまい、動揺が隠せない」という文の場合、「何気ない発言」を非難されたのはもちろん、会議の話し合いからも除外されてしまったというニュアンスが含まれます。

「糾弾」の対義語は?

「糾弾」の対義語には「称賛」や「賛美」があります。意味や使い方を見ていきましょう。

その1「称賛」

称賛」は「ほめたたえること」という意味の言葉です。「糾弾」は「罪や責任を問いただし、それを非難すること」という意味の言葉なので、まさに反対の意味ですね。

ちなみに「称賛」は「称讃」「賞賛」「賞讃」とも書きます。4つとも漢字が少しずつ異なりますが同じ意味・同じ読みです。

たとえば、「自身の先月の営業成果が本部で称賛された」のように使用します。

その2「賛美」

「賛美」も「ほめたたえること」という意味の言葉です。「糾弾」は「罪や責任を問いただし、それを非難すること」という意味の言葉なので、こちらもまさに反対の意味ですね。「賛美」は「讃美」とも書きますが、意味も読みもどちらも同じです。

たとえば、「神を賛美する曲を作曲した」のように使います。

先述の「称賛」と意味は同じですが、「賛美」は神様など、より神聖なものに対して使用される印象がありますね。

\次のページで「「糾弾」の英訳は?」を解説!/

「糾弾」の英訳は?

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「糾弾」を英語にすると「impeach」となります。

「impeach」

impeach」は「糾弾」「弾劾」という意味を持った英単語です。「impeach」は動詞なので、正確には「糾弾する」「弾劾する」という意味を表します。例文を一緒に見ていきましょう。

「We are going to impeach her for taking bribes.」…我々は賄賂を受け取ったことについて彼女を糾弾する

「糾弾」を使いこなそう

この記事では「糾弾」の意味・使い方・類語などを説明しました。

糾弾」は「罪や責任を問いただし、それを非難すること」という意味を持った言葉で、「発言や出来事を罪悪として責め立てる・非難するとき」に使用される言葉です。

類義語には「非難」「弾劾」「問責」「指弾」がありますが、言葉の意味の範囲やニュアンスが少しずつ違います。ニュアンスの違いに気をつけて使い分けましょう。

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国語言葉の意味

「糾弾」の意味や使い方は?例文や類語を日本語教師の大学院生がわかりやすく解説!

この記事では「糾弾」について解説する。

端的に言えば糾弾の意味は「非難」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は、ロシアで2年間日本語教師として働いた大学院生ライターの「むかいひろき」を呼んです。一緒に「糾弾」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/むかいひろき

ロシアの大学で2年間日本語教師として働いた経験を持つ大学院生。その経験を武器に、「言葉」について分かりやすく解説していく。

「糾弾」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「糾弾」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「糾弾」の意味は?

「糾弾」には、次のような意味があります。

罪や責任を問いただし、非難すること。「汚職収賄を―する」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「きゅう‐だん〔キウ‐〕【糾弾/×糺弾】」

「糾弾」は「罪や責任を問いただし、それを非難すること」という意味を持った言葉で、「きうだん」と読みます。「きうだん」ではないので注意しましょう。

「糾弾」の語源は?

次に「糾弾」の語源を確認しておきましょう。

「糾弾」はとても古い言葉で、すでに飛鳥時代に現代と同じ意味での使用が確認されています。707年の『続日本紀』には、「冝自今以後厳加糺弾、革其弊俗、使靡淳風」という記述があり、ここでの「糺弾」は「罪状や失敗などを問いただして、とがめること」という現代とほぼ同じ意味です。

かつては「糺弾」という字を使うことが多かったですが、現代では基本的に「糾弾」の字を使います。パソコンの予測変換では「糺弾」は出てこないこともありますが、「糺弾」「糾弾」のどちらを使っても間違いではありません。

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