今回は、「ラザフォードの功績」について解説していきます。

ラザフォードは、18世紀後半から19世紀前半にかけて活躍した物理学者です。ラザフォードは、原子物理学の分野で数多くの発見をしており、その偉大さから原子物理学の父と呼ばれているぞ。彼の発見は、現代の科学技術にも大きな影響を与えている。ぜひ、この記事を読んでラザフォードの功績についての理解を深めてくれ。

物理に詳しいライター通りすがりのペンギン船長と一緒に解説していきます。

ライター/通りすがりのペンギン船長

現役理系大学生。環境工学、エネルギー工学を専攻しており、物理学も幅広く勉強している。塾講師として物理を高校生に教えていた経験から、物理の学習において、つまずきやすい点や勘違いしやすい点も熟知している。

1.ラザフォードって誰?

1.ラザフォードって誰?

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この記事では、ラザフォードという物理学者についてご紹介しますラザフォードは、現代の物理学および化学の基礎となる理論を数多く発見した人物です。高校物理の教科書にも、名前が載っているので、ラザフォードのことを知っている方もいるかと思います。

今回は、ラザフォードの人生と彼の行った実験について、詳しく解説していきますね。そして、ラザフォードの発見が現代の科学技術にどのような影響を与えたのかについても考えます

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1-1原子物理学の父

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アーネスト・ラザフォードはニュージーランド出身で、物理学者として活躍したときにはイギリスに住んでいました。彼が残した功績としては、アルファ線およびベータ線の発見ラザフォード散乱による原子核の発見人工的な原子核破壊の成功などが挙げられます。1908年にはノーベル化学賞を受賞していますよ。また、彼の名前にちなんだラザホージウムという元素も存在するのです。

以上のように、ラザフォードは原子物理学の分野で多くの実績を残していることから、原子物理学の父とも呼ばれています。ラザフォードの発見は、物理学の歴史の中でも目立つようなものばかりです

1-2ラザフォードが現代科学に与えた影響

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ラザフォードの発見は、分野的には原子物理学に属するものが多いと先ほど述べました。原子物理学は、現代の化学における物質の捉え方の基礎となるものです。また、原子物理学から量子力学の考え方が生まれました。

今日の材料開発や医薬品開発でも、これらの理論は活用されていますよ。そして、原子力発電などの技術を支える核物理学も、原子物理学と深い関連と言えるでしょう。このように、ラザフォードの発見は、現代科学に多大な影響を与えているのです

2.原子核の発見

2.原子核の発見

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ラザフォードの功績の1つに、原子核の発見があります。今日を生きる私たちにとって、原子が陽子と中性子から成る原子核とその周りを回転している電子によって構成されていることは当たり前のことです。

ですが、ラザフォードが生きる時代では、以上のような事柄は、はっきりとわかっていませんでした。ここでは、ラザフォードがどのようにして原子核の存在を確認したのかということを説明します

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2-1様々な原子模型

18世紀前半、多くの物理学者が様々な原子模型を発表していました。原子模型とは、原子内にどのような粒子がどのような分布で存在するのかをモデル化して、表現したものです。

トムソンが発表した原子模型は、一様に正電荷を帯びた球体の中に、電子がランダムに分布しているというものでした。また、長岡半太郎は、望遠鏡でみた土星のような原子模型を考えたのです原子の中心に正電荷が集中的に存在し、その周りに負電荷の粒子がリング状に分布するというモデルですよ

このように様々な原子模型が提唱されましたが、実験的に証拠の得られたモデルはありませんでした。そのような中、ラザフォードが世界で初めて原子核の存在を証明する実験を行ったのです。

2-2ラザフォード散乱の実験

ここでは、原子核の存在を証明することができたラザフォード散乱の実験について紹介します。ラザフォードは、ガイガーマースデンとともに、アルファ線を薄い金属板に入射させる実験を行いました。アルファ線は、高い運動エネルギーをもつヘリウム原子核であり、放射線の一種です。

その実験の結果は、ほとんどのアルファ線は金属板を透過するが、8000回に1回程度の割合で反射したり、大きく進路を変えられたりするアルファ線が確認されるというものでした。さらに、反射や散乱の角度を測定し、計算を行い、原子核が存在することを示しました。

アルファ線は、正電荷が分布しているエリアに近づくと反射や散乱を起こします。一方、電子の近くをアルファ線が通った場合、アルファ線は直進しますよ。このことから、原子の中には正電荷が集中している原子核と軌道電子が存在する場所が別々に存在することがわかったのです

3.人工的な原子核破壊の成功

3.人工的な原子核破壊の成功

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ラザフォードは、世界で最初に人工的な原子核破壊を成功させた人物でもありますよ。この実績によって、原子物理学はさらなる前進が可能になったと言えます。また、後の核物理学の基礎を作ったとも表現できますよ。原子核破壊の成功によって、人類の原子力エネルギーの歴史が始まっていったのです。

ここでは、ラザフォードが初の原子核破壊に成功した窒素の実験について紹介します。そして、窒素以外にも原子核破壊に成功した元素についても紹介しますね。

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3-1窒素原子核の破壊実験

ラザフォードは、軽い原子核にアルファ線を照射させると、軽い原子核が破壊されるのではないかという仮説を立てました。そして、空気にアルファ線を照射する実験を行ったのです。この実験の結果、アルファ線が当たった窒素原子核は破壊されて、水素原子核と酸素原子核が生じることがわかりました

この反応は、陽子7個と中性子7個を含む窒素原子核にアルファ線が当たると、陽子1個(水素原子核)がはじき出され、残りの陽子と中性子で酸素原子核が形成されたと考えることができます。

また、ラザフォードは、窒素以外の原子核破壊にも成功しました。原子核破壊に成功したのは、ホウ素・フッ素・ネオン・ナトリウム・マグネシウム・アルミニウム・ケイ素・リン・硫黄・塩素・アルゴン・カリウムです。

原子物理学の父アーネスト・ラザフォード

アーネスト・ラザフォードは、アルファ線とベータ線の発見、原子核の発見、人工的な原子核破壊の成功などの功績をもっています。これらの功績は、現代の科学技術にも多大な影響を与えるほどのものでした。そのような偉大さから、ラザフォードは原子物理学の父と呼ばれていたのです。

もしも、ラザフォードがこれらの発見をしていなかったとすると、科学の進歩は遅れていたかもしれません。それほど、大きな発見だったのです。ぜひ、この機会に偉大な科学者の一人であるラザフォードの功績について学んでみてください。

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化学原子・元素物理理科量子力学・原子物理学

3分で簡単ラザフォードの功績!化学と物理分野で活躍した偉人について理系学生ライターがわかりやすく解説

3-1窒素原子核の破壊実験

ラザフォードは、軽い原子核にアルファ線を照射させると、軽い原子核が破壊されるのではないかという仮説を立てました。そして、空気にアルファ線を照射する実験を行ったのです。この実験の結果、アルファ線が当たった窒素原子核は破壊されて、水素原子核と酸素原子核が生じることがわかりました

この反応は、陽子7個と中性子7個を含む窒素原子核にアルファ線が当たると、陽子1個(水素原子核)がはじき出され、残りの陽子と中性子で酸素原子核が形成されたと考えることができます。

また、ラザフォードは、窒素以外の原子核破壊にも成功しました。原子核破壊に成功したのは、ホウ素・フッ素・ネオン・ナトリウム・マグネシウム・アルミニウム・ケイ素・リン・硫黄・塩素・アルゴン・カリウムです。

原子物理学の父アーネスト・ラザフォード

アーネスト・ラザフォードは、アルファ線とベータ線の発見、原子核の発見、人工的な原子核破壊の成功などの功績をもっています。これらの功績は、現代の科学技術にも多大な影響を与えるほどのものでした。そのような偉大さから、ラザフォードは原子物理学の父と呼ばれていたのです。

もしも、ラザフォードがこれらの発見をしていなかったとすると、科学の進歩は遅れていたかもしれません。それほど、大きな発見だったのです。ぜひ、この機会に偉大な科学者の一人であるラザフォードの功績について学んでみてください。

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