3分で簡単ラザフォードの功績!化学と物理分野で活躍した偉人について理系学生ライターがわかりやすく解説
2-1様々な原子模型
18世紀前半、多くの物理学者が様々な原子模型を発表していました。原子模型とは、原子内にどのような粒子がどのような分布で存在するのかをモデル化して、表現したものです。
トムソンが発表した原子模型は、一様に正電荷を帯びた球体の中に、電子がランダムに分布しているというものでした。また、長岡半太郎は、望遠鏡でみた土星のような原子模型を考えたのです。原子の中心に正電荷が集中的に存在し、その周りに負電荷の粒子がリング状に分布するというモデルですよ。
このように様々な原子模型が提唱されましたが、実験的に証拠の得られたモデルはありませんでした。そのような中、ラザフォードが世界で初めて原子核の存在を証明する実験を行ったのです。
2-2ラザフォード散乱の実験
ここでは、原子核の存在を証明することができたラザフォード散乱の実験について紹介します。ラザフォードは、ガイガーとマースデンとともに、アルファ線を薄い金属板に入射させる実験を行いました。アルファ線は、高い運動エネルギーをもつヘリウム原子核であり、放射線の一種です。
その実験の結果は、ほとんどのアルファ線は金属板を透過するが、8000回に1回程度の割合で反射したり、大きく進路を変えられたりするアルファ線が確認されるというものでした。さらに、反射や散乱の角度を測定し、計算を行い、原子核が存在することを示しました。
アルファ線は、正電荷が分布しているエリアに近づくと反射や散乱を起こします。一方、電子の近くをアルファ線が通った場合、アルファ線は直進しますよ。このことから、原子の中には正電荷が集中している原子核と軌道電子が存在する場所が別々に存在することがわかったのです。
3.人工的な原子核破壊の成功
image by Study-Z編集部
ラザフォードは、世界で最初に人工的な原子核破壊を成功させた人物でもありますよ。この実績によって、原子物理学はさらなる前進が可能になったと言えます。また、後の核物理学の基礎を作ったとも表現できますよ。原子核破壊の成功によって、人類の原子力エネルギーの歴史が始まっていったのです。
ここでは、ラザフォードが初の原子核破壊に成功した窒素の実験について紹介します。そして、窒素以外にも原子核破壊に成功した元素についても紹介しますね。
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