人類が発見した元素の数は100個以上にのぼります。このように膨大な数の元素が存在する訳ですが、その中には非常に似た性質をもつ元素の組み合わせも存在しますよ。似た性質をもつ元素の組み合わせは、上に記したような元素周期表を用いると簡単に知ることができます。元素周期表は、周期律と呼ばれる規則性に基づいて、元素について整理したものになりますよ。
オッド・ハーキンスの法則の説明では、希土類元素という元素グループが登場します。希土類元素は、ランタノイド系元素にスカンジウム(元素番号が21)とイットリウム(元素番号が39)と加えた元素グループです。ランタノイド系元素は、周期表の下部に記されている元素群で、ランタン・ホルミウム・エルビウム・イッテルビウム・ルテチウムなどを含みますよ。希土類元素はレアアースと呼ばれることもあります。
オッド・ハーキンスの法則について学ぼう
ここからは、この記事の本題である『オッド・ハーキンスの法則』について学んでいきましょう。『オッド・ハーキンスの法則』がどのような法則であるのか、その法則が成り立つ理由、法則には例外が存在するのかという3点について解明していきますよ。
以下の説明では、先ほど説明した概念の中でも、特に原子番号と希土類元素の考え方が重要となります。これらの概念について思い出せない事柄がある場合は、記事の前半部分を参照してみてくださいね。それでは、『オッド・ハーキンスの法則』についての詳しい説明をはじめます。
オッド・ハーキンスの法則とは?
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上の図は、宇宙に存在する元素の存在比を表すグラフです。このグラフは、ケイ素の原子が100万個存在すると仮定したときの各元素の存在量を表していますよ。このグラフから読み取れることは何でしょうか?
それは、原子番号が偶数の元素の存在量が、原子番号が奇数の元素の存在量よりも多い傾向があるということです。つまり、元素の存在比を表すグラフが 鋸の刃のようにギザギザした形をしているということですよ。
まさにこの傾向がオッド・ハーキンスの法則の内容なのです。発見当初は、希土類元素のみにこの法則を適応できると考えられていましたが、その後に全元素に適応可能であることが分かりましたよ。なお、オッド・ハーキンスの法則は宇宙に存在する元素に関するものですが、地球のマグマや岩石にもある程度当てはまります。
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