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3分で簡単「希薄溶液」ファントホッフの法則とは?理系学生ライターが徹底わかりやすく解説!

4.浸透現象

最後に、浸透という現象を紹介しますね。純水と水溶液を半透膜を隔てて、放置すると、純水側から水溶液側に水分子が移動しますこれが浸透です

このような現象が生じるのは、純水側と水溶液側に濃度勾配があり、それを打ち消そうとするからですよ。また、半透膜は水分子のように小さい粒子のみを通すため、溶質は移動できません

浸透現象についても、定式化がなされており、式はファントホッフの法則という名前で呼ばれています。以下では、ファントホッフの法則と浸透現象に関係する技術や知恵について紹介しますね

ファントホッフの法則

ファントホッフの法則は、π=cRTという式で表現されます。ここで、π[Pa]は浸透圧c[mol/L]は希薄溶液のモル濃度R[(Pa・L)/(K・mol)]は気体定数T[K]は絶対温度です。浸透圧とは、浸透現象が見られる際に半透膜面に作用する圧力のことですよ。ファントホッフの法則より、同一温度条件では、浸透圧π[Pa]は希薄溶液のモル濃度c[mol/L]に比例することがわかります

また、浸透圧よりも大きい逆向きの圧力を外部から加えると、浸透の場合とは逆の向きに溶媒分子が移動することも知られていますよ。この現象のことを逆浸透と呼びます。

浸透に関係する技術や知恵

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浸透に関係する技術や知恵の一つに、海水の淡水化技術がありますよ。ここでは、海水の淡水化技術について説明します。半透膜を隔てて、海水と純水を配置すると、浸透により純水側の水分子が海水側に移動しますよね。このままでは、海水の量が増えるだけで、純水の量は増えません。

ここに、浸透圧を超えるような圧力を外部から人為的に加えることで、逆浸透を生じさせます。逆浸透を生じさせると、海水側の水分子は次々と純水側に移動しますよね。この結果、純水の量が増えるのです。これが、半透膜を用いた海水の淡水化技術のメカニズムですよ。

希薄溶液について学ぶ意義

この記事では、希薄溶液とは一体何なのか、希薄溶液はどのような性質をもつのかということを解説しました。また、それらに関連する知恵や技術についても考えましたよね。具体例を併せて学習することで、希薄溶液に対する理解は、よりいっそう深まったかと思います。

また、希薄溶液についての知識は、雑学として知っておくのも良いでしょう。ぜひとも、希薄溶液について学んでみてください。

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