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3分で簡単「希薄溶液」ファントホッフの法則とは?理系学生ライターが徹底わかりやすく解説!

沸点上昇に関係する技術や知恵

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ここでは、沸点上昇に関係する技術や知恵について述べますパスタをゆでる際に、水に塩を加えて加熱しますよね。これには、もちろんパスタに味をつけるという目的もあるのですが、もう一つ別の目的があるとされています。

水に塩を加えることで、沸点上昇を生じさせ、パスタをより高温で調理するという目的ですよ。水の沸点よりも高い温度で調理することで、パスタのコシやうま味などが向上するようです。

3.凝固点降下

続いて、凝固点降下という現象を説明しますね。希薄溶液の凝固点は、溶媒単独の場合よりも小さな値になることが知られています。これが、凝固点降下という現象です。

この現象も、沸点上昇と同様に、定式化がなされています。以下では、凝固点降下の定式化方法とこの現象に関係する技術や知恵について述べますね

凝固点降下の定式化

凝固点降下は、Δtf=Kfmという式を用いて表現することができます。この式の考え方は、沸点上昇の式と同様ですよ。Δtf[K]は凝固点降下度m[mol/kg]は希薄溶液の質量モル濃度です。凝固点降下度Δtf[K]は、対象とする溶液と単独の溶媒の凝固点の差ですよ。

また、比例定数Kf[K・kg/mol]はモル凝固点降下ですモル凝固点降下は、各溶媒に固有の値をとります。そして、モル凝固点降下も溶質の種類に依存することはありません

凝固点降下に関係する技術や知恵

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凝固点降下の仕組みを利用したものに、凍結防止剤があります。冬に道路が凍結すると、車両の通行が困難になりますよね。そこで、凍結防止剤を道路にあらかじめ散布しておきます。

凍結防止剤を撒いている場所に雨や雪が降った場合、凝固点降下により、水分は氷点下という条件であっても凍らなくなりますよね。これが、凍結防止剤の仕組みですよ。

それゆえ、凍結防止剤に最適な物質は、水によく溶けるものです。また、凍結防止剤は回収困難ですから、環境に与える影響も少ないものである必要もあります。このような理由で、凍結防止剤の主成分は尿素塩化カルシムなどになっていますよ。

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