この記事では「ご査収」について解説する。

端的に言えばご査収の意味は「お受け取りください」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

編集経験もあり、情報誌系のライターを10年経験したコトバアソビを呼んです。一緒に「ご査収」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/コトバアソビ

「この資料をご査収ください」と提出したあとに致命的なミスに気づき青ざめる経験を会社員のときに数多くしたライター。当然その後当時の上司よりこっぴどく叱られたのだが…。今回は昔の思い出に震えながら解説をする。

「ご査収」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「ご査収」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「ご査収」の意味は?

「ご査収」には、次のような意味があります。

1.金銭・物品・書類などを、よく調べて受け取ること。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「査収」

査収とは、受け取ることです。それに尊敬語の「ご」を付けた言葉。基本ビジネスのシーンにてご確認の上お受取りくださいとの意味にて使う言葉です。

相手に確認を促すような成果物・物品に対し使う言葉にて、確認を要しない重要度が低いものに使うシーンもあります。しかしあまりいろいろなものにご査収くださいと使うと、相手には迷惑となるため使うシーンは選びましょう。

一方重要な書類や相手に確認をしてほしいときには「ご査収ください」と積極的に使うと良いです。ただ受け取った相手の動作は確認し、受領をするとの一連の流れに沿っているかを送るときに検証をします。この「ご査収」は自分の都合を主語にしません

このため相手のものを送るとき及び、相手のためになるものを送るときに使う言葉です。

「ご査収」の語源は?

次に「ご査収」の語源を確認しておきましょう。

査収とは中国の清の時代には官僚の間にて書類の確認などにて使われていた言葉。それより前に中国の官僚の中では、内々にて使われていたと推測ができます。

日本にて使われるようになった記述は定かではありませんが、ビジネスシーンでは比較的古くから使っている人がおり、影響を受けて使う人が増えました。

\次のページで「「ご査収」の使い方・例文」を解説!/

「ご査収」の使い方・例文

「ご査収」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

1.ご指示をいただき作成をした書類を送付いたしました。ご査収くださいませ。
2.品物は無事に届きました。こちらから入金いたしましたのでご査収くださいませ。
3.「こちらご査収頂ますようお願い申し上げます。」と送ったメールの宛先が間違っていたA君の顔は青ざめていた。

3つとも実話です。1の例文は書類を確認してほしいとき使うメールの文面ですね。大抵は記載事項に漏れがないかどうかを相手に確認して許可を得るときなどに使います。

2の例文は入金の確認の際によく使われる文です。入金の際にはかならず金額の確認をすることから、自然にご査収くださいと使うことが定型文として成り立っています。

3の例文はこれは会社間で場合により大きな問題となる行動です。A君はその後どうなったのか定かではありません。

「ご査収」の類義語は?違いは?

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それでは「ご査収」の類義語を見てみましょう。

その1「ご確認」

「ご確認」は「ご査収」より柔らかい言葉です。受け取ってくださいという意味のご査収くださいとは違い、「ご確認」は受け取る意味はなく、ただ確認を促すことですね。したがって金銭のやり取りなどには、適さない言葉です。

その2「ご検収」

「ご検収」とは、検査をして受け取ることです。確認をして受け取る意味の「ご査収」とは、一線を画する形ですね。検収とは意見をもらうや粗原稿の送付などのときに使います。確認をしてほしいいう「ご査収」の場合には大筋のものは出来ているので、修正が必要なものは「ご検収」と付けて送るのがベターです。

\次のページで「その3「お納め」」を解説!/

その3「お納め」

「お納め」とは相手に受領をしてもらうときの言葉です。確認やチェックなどは関係なく受け取ってもらう物を送るときに使います。お納めくださいの場合には成果物より贈り物のニュアンスが強いですね。

その4「ご笑納」

「ご笑納」とは「ご査収」と代用されて「つまらないものですが受け取ってください」と使われる言葉です。使い方に注意が必要ですね。目上の人や取り引きが浅い人には使わないことと、相手の情報が明確に入っている(映像など)場合には使いません。

その5「お受け取り」

「お受け取り」とはものなどを送付した際に受け取って欲しいという言葉です。宅配便などにも使われ、単純に受け取って置いてほしいと連絡を入れるときにも使いますね。目上や目下は関係ありませんが、確認を要しないため「ご査収」とは違います。

「ご査収」の対義語は?

続いて「ご査収」の対義語を見てみましょう。

「拝受しました」

「ご査収」側は送る側に対して受け取るの謙譲語拝受しましたは対義語です。ご査収くださいませに対する返答の言葉として用います。セットで使えるように覚えておくと、返答にも困らないですね。

「ご査収」の英訳は?

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最後に「ご査収」の英訳を見てみましょう。

その1「Please see the attached」

Please see the attached」にて「ご査収ください」と訳すことが出来ます。「please」はお願いしますで「see」は見るという意味ですね。「attached」は添付という意味です。通常「attached」の後に名詞が付きます。

\次のページで「その2「Please kindly refer to the attachment」」を解説!/

その2「Please kindly refer to the attachment」

Please kindly refer to the attachment」で「ご査収ください」と訳すことが出来ます。「kindly」は親切にという意味で「refer to the attachment」で添付を確認してくださいです。丁寧な言い回しで、万人受けする英文ですね。

Please see the attached document. I will confirm that I received it.(添付資料をご査収ください。受け取ったことを確認します。

Please kindly refer to the attachment file on page 50 as it is completed.(添付をした50ページにおけるファイル完成しましたのでご査収ください。)

「ご査収」を使いこなそう

この記事では「ご査収」の意味・使い方・類語などを説明しました。「ご査収」と使うケースにて、注意するのは相手に確認をする動作の義務を生じるか否かですね。生じる相手の苦労を考え、一人ひとりに心配りをすることがビジネスの世界でも求められるスキルです。安易にご査収くださいと送っていた筆者なのでした。

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国語言葉の意味

【慣用句】「ご査収」の意味や使い方は?例文や類語をことばマニアライターがわかりやすく解説!

この記事では「ご査収」について解説する。

端的に言えばご査収の意味は「お受け取りください」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

編集経験もあり、情報誌系のライターを10年経験したコトバアソビを呼んです。一緒に「ご査収」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/コトバアソビ

「この資料をご査収ください」と提出したあとに致命的なミスに気づき青ざめる経験を会社員のときに数多くしたライター。当然その後当時の上司よりこっぴどく叱られたのだが…。今回は昔の思い出に震えながら解説をする。

「ご査収」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「ご査収」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「ご査収」の意味は?

「ご査収」には、次のような意味があります。

1.金銭・物品・書類などを、よく調べて受け取ること。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「査収」

査収とは、受け取ることです。それに尊敬語の「ご」を付けた言葉。基本ビジネスのシーンにてご確認の上お受取りくださいとの意味にて使う言葉です。

相手に確認を促すような成果物・物品に対し使う言葉にて、確認を要しない重要度が低いものに使うシーンもあります。しかしあまりいろいろなものにご査収くださいと使うと、相手には迷惑となるため使うシーンは選びましょう。

一方重要な書類や相手に確認をしてほしいときには「ご査収ください」と積極的に使うと良いです。ただ受け取った相手の動作は確認し、受領をするとの一連の流れに沿っているかを送るときに検証をします。この「ご査収」は自分の都合を主語にしません

このため相手のものを送るとき及び、相手のためになるものを送るときに使う言葉です。

「ご査収」の語源は?

次に「ご査収」の語源を確認しておきましょう。

査収とは中国の清の時代には官僚の間にて書類の確認などにて使われていた言葉。それより前に中国の官僚の中では、内々にて使われていたと推測ができます。

日本にて使われるようになった記述は定かではありませんが、ビジネスシーンでは比較的古くから使っている人がおり、影響を受けて使う人が増えました。

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