#1 「一視同仁」
最後に「一視同仁」(いっしどうじん)も憐憫の同義語として挙げられるでしょう。意味は、「人々に平等に情けを掛けること」です。ただ、憐憫が上の者から下の者に対する同情を意味しうるのに対して、一視同仁は、そのような上下関係を前提としていないことには注意しましょう。同情をすることにはするものの、それは自分の優越的な立場から発したものではないのです。あるべき憐憫の形を一視同仁は表しているといっても良いかもしれません。
「憐憫」の対義語は?
憐憫の意味は「かわいそうに思うこと」でしたから、その対義語は「かわいそうに思わないこと」になります。非情、冷酷などが対義語として挙げられるでしょう。
「非情」
憐憫が同情という心情を伴うことは先に触れましたが、その同情の対義語でもある「非情」が憐憫の対義語としても挙げられるでしょう。非情な感情を彼に抱く、非情な眼差しを彼に向ける、などのように使われます。
「冷酷」
憐憫は「かわいそうに思うこと」ですから、温かい感情であると言うことが出来るでしょう。一方で、「冷酷」は冷たい感情で、冷淡でむごいことを意味します。血も涙もない冷酷な眼差しを彼に向ける、というような使われ方が考えられるでしょう。
「pity」
憐憫の英訳として pity がまずは挙げられます。意味は、「哀れみ、同情」です。名詞および動詞として用いられ、名詞としては feel pity for(~を気の毒に思う)、動詞としては pity the poor homeless guy(ホームレスを気の毒に思う)というふうに使われます。形容詞としての用法が無いことに注意しましょう。
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