
その2:見どころを指す「訴求点/訴求ポイント」
「訴求」とは消費者の欲求に訴えかけて購入を促すという意味ですが、黙っていても消費者の心に購入したいという欲求は生まれません。購入を促すには商品のどこかに消費者が「魅力的だ」と感じる部分がなくてはならないわけです。これを「訴求点/訴求ポイント」と言います。「訴求」を発生させる肝心な部分という意味です。
その3:ターゲットを指す「訴求対象」
「訴求対象」とは文字通り「訴求」の対象です。いわゆる消費者に当たり、類義語のようなものと捉えても良いでしょう。他にも「ターゲット/客層/顧客」など類義語がさまざまにあります。
ただし「訴求」という言葉は欲求に訴えかけて購入を促すという意味であるため、その対象である人は購入を促されているだけであり、必ず購入すると決まっているわけではありません。購入に至るかどうかは未確定という意味で、実際に購入を行った人に対して「訴求対象」と呼ぶことはやや少ないです。
法律の世界では「訴求」の間違いに注意!

image by iStockphoto
「訴求」はマーケティング用語として主に使用されますが、実は他の分野でも「訴求」という言葉が使用可能です。ただし、その場合は「相手に促す」というニュアンスは失われ、単純に「求めて訴える」という意味になります。
さらに法律の世界では、「訴求」という言葉はやや間違えやすい言葉となるため、注意が必要です。
法律の世界での「訴求」の意味
上記でも説明した通り、「訴求」は法律の世界でも使用されます。「求め訴える」という意味であり、「する/した」などの言葉を続けて使う言葉です。「訴求力」という言葉もありますが、これもマーケティングの世界とは違い「訴求する力」、つまり「求め訴える権利」のことを指しています。
「遡及」って何?
法律の世界には「遡及」という言葉もあります。全く違う漢字であり、意味も大きく違いますが、実はこれも「そきゅう」という読み方です。いわゆる同音異義語であり、耳で聞くと「訴求」か「遡及」か判断がつきません。法律の世界に詳しい人であれば前後の文脈からどちらの「そきゅう」か素早く判断できますが、知識がなければ迷うこともあるでしょう。
「遡及」の方の意味は、「遡って及ぶ」の文字通り、現時点で施工されている法律を過去に遡って適用してしまうことを指します。しかし過去に合法として許されていたことを、あとから違法扱いし裁くことはできないため、遡及は原則行われないものです。
「訴求」の類義語には何がある?

image by iStockphoto
「訴求」の類義語は「アピール/売り込み」などがありますが、特に昨今のビジネス業界では、「アピール」が非常によく使用されます。
マーケティング業界における「訴求」は自らが相手に対して欲求を煽り、最終的に相手が自ら購買という行動を起こすことを期待するという一連の流れを一言で表す言葉です。そのため意味としてはやや限定的であり、ぴったりはまる類義語はあまり多くありません。
「求め訴える」という意味での「訴求」の類義語
「求め訴える」という意味での「訴求」の類義語は、「要求/求め/訴え/希望」などがあります。ただし、「訴求」と表現するより「要求」と表現する方が伝わりやすいため、多くのケースでは最初から「訴求」ではなく「要求/訴え」の方を採用されている場合が多いです。いずれにしろ「訴求」の方がどちらかというと難しい表現になるため、他の言葉への置き換えは比較的簡単にできます。
使用場所が限定され始めている「訴求」
「訴求」という言葉はもともとマーケティング用語として生まれたわけではありませんが、今やすっかりマーケティング用語という扱いになっています。それは意味を調べると、マーケティング用語としての扱いが優先的に出てくることからも伺えるでしょう。言い換えると、それだけ一般的な言葉とされなくなってきているということでもあります。しかし、だからといって日常で使用するのが間違いというわけではありません。時間を割いて学習したのであれば、機会をみて使用してみてください。