この記事では「アテンション」について解説する。
端的に言えば「アテンション」の意味は「注目」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
語学好き・英語好き・読書好きなライターくふを呼んです。一緒に「アテンション」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/くふ
語学好き・英語好き・読書好きなライター。学習塾での経験を活かし分かりやすく丁寧な解説をお届けする。
「アテンション」には、次のような意味があります。辞書や辞典などで正確な内容を確認しましょう。
1.注意。留意。特に車内放送などで注意を引くために言う語。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「アテンション」
「アテンションプリーズ」。このようなフレーズで「アテンション」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。「アテンション」とは「注目・注意・留意」の意。ある人からこちらに注意を向けてもらいたい場面やみんなから注目を集めている状況で使われていますよ。また、文脈によってはプラスの意味とマイナスな意味合いの両方を表現することもできるカタカナ語でしょう。
次に「アテンション」の語源を確認しておきましょう。アテンションはラテン語の「attendere」から由来していますよ。「attendere」とは「~の方へ意識を向ける・~の方へ気持ちを向ける」の意。
この「attendere」に「-tion」という接尾辞が付き「注目すること・注意を向けること」という意味になったとされています。「-tion」には動詞や形容詞の後ろに置くことで言葉を名詞にする働きがありますよ。「アテンション」の知識がだんだんと深まってきましたね。
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「アテンション」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この用語は、たとえば下記のように用いられます。
1.海外出張の際、飛行機を利用した。離陸前に「アテンションプリーズ」というアナウンスが流れた。
2.彼女がデザインした宣伝用のポスターは個性的でお客様のアテンションを得る広告だ。
3.今日は午後から会議があった。社長の突拍子もない発言は多くのアテンションを集めた。
「アテンション」の使い方を例文で確認しましょう。例文1は「アテンションプリーズ」です。「アテンション」を使った一番有名なフレーズでしょう。「機内で離陸時の注意事項がアナウンスされている場面」を示していますよ。例文2は「アテンションを得る」です。「彼女がデザインしたポスターは魅力的で注目されている様子」が伝わってきますね。ここでのアテンションはポジティブな意味を示していることがポイントでしょう。
例文3は「アテンションを集める」です。「社長の発言が会議を混乱させた場面」を示していますよ。このように、「アテンション」はネガティブなニュアンスとして使われる場合もあるでしょう。どのような意味で使われているのかは文脈から判断しましょう。
「アテンション」の類義語には「ケア」が考えられるでしょう。「ケア」とは「注意・用心・配慮・心遣い・世話をすること」の意。「アテンション」と同じく「注意」を表しますが、「配慮する・世話をする・心遣い」という意味で多く用いられている言葉でしょう。
「アフターケア=病気の回復期の患者などに行われる健康管理や社会復帰のための指導」・「ケアマネージャー=介護支援専門員」・「緩和ケア=完全な治癒の望めない患者に対し、生命の維持よりも痛みなどを取り除くことに重きを置いた治療」。このように「ケア」が使用されている表現はたくさんありますよ。普段の会話でもよく耳にするカタカナ語でしょう。
\次のページで「「アテンション」の対義語は?」を解説!/
「アテンション」の対義語にはどのような言葉が考えられるのでしょうか。関連する用語を確認しましょう。
「アテンション」の対義語には「上の空」が考えられるのでしょう。「上の空」とは「ほかのことに心を奪われて必要なことに注意が向かないこと・注意力散漫」の意。読み方は「うわのそら」です。他に心配事や関心があり、物事に集中できていない状態を「上の空」と呼びますよ。使い方を例文で確認しましょう。例文1は「先生の話をぼーっと聞いており、注意を受けた場面」を示していますよ。例文2は「大好きなサッカーの試合に夢中である様子」が感じられますね。「上の空」の使い方をマスターして下さいね。
1.授業中、先生の話を上の空で聞いており注意を受けた。
2.父はテレビでサッカーの試合が始まると家族が何を聞いても上の空になる。
カタカナ語の「アテンション」は英語で「attention」です。「attention」とは「注意・注目・配慮・気配り」の意。使い方を例文で確認しましょう。例文1は「注意を払う」です。「彼女はもっと仕事の細かいところに注意しなければいけないという場面」を示していますね。「pay attention to」で「~に注意を払う」という意味を示していますよ。とても有名なイディオムです。ぜひ、覚えておいてくださいね。
例文2は「思いやり・配慮」です。ここでは「新しく来た転校生に優しく接している様子」が感じられますね。「attention」は「注意・注目」という意味だけでなく「思いやり・配慮」という意味でも使われますよ。たくさんの意味を知り、様々な表現ができるようになりたいですね。
1.She has to pay more attention to the details of her job.
(彼女はもっと仕事の細部まで注意を払わなければいけない。)
2.He turned his attention to the new student.
(彼は転校生に思いやりを示した。)
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この記事では「アテンション」の意味・使い方・類語などを説明しました。たくさんの人のアテンションを集める商品や作品には何か心惹かれる魅力があるのでしょう。このようなモノづくりにはセンスを磨くことが必要かもしれません。いろんなものごとに触れ視野を広げてみましょう。