端的に言えば是正の意味は「悪い点を改めること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
国語力だけでこれまでの社会人生活を乗り切ってきたライター、ヤザワナオコに、「是正」の意味や例文、類語などを説明してもらおう。
ライター/ヤザワナオコ
コールセンターの電話応対指導やマナー講師、テレビ番組の字幕製作経験もあるライター、ヤザワナオコ。
過去の勤務先がISOを取得する際に、「是正処置」についても学んだ経験があるとのこと。是正とはどんなときに使う言葉なのか、似た言葉である改善や習性とはどう違うのか、解説してもらう。
「是正」の意味は?
「是正」には、次のような意味があります。
悪い点や不都合な点を改め正すこと。
出典:デジタル大辞泉(小学館)
悪いところを正しくすることを表す「是正」ですが、使われる対象は政治や法律、慣習などある程度公的なものに限定されています。例えば「夜ふかしの習慣を是正する」など個人的なことに関して使われることはまずありません。
ビジネスシーンでも耳にする機会はありますが、「就業規則を是正すべきだ」などやはり硬い話題の場合が多く、ちょっとしたことで「先日作成した書類を是正しました」などと使うとずいぶん大げさに感じるので気をつけましょう。
「是正」の語源は?
次に「是正」の語源を確認しておきましょう。
まず「是」の字は「道理にかなっていること、正しいこと」という意味。逆の意味を表す「非」とセットで「是非(ぜひ)」という言葉がありますが、これは「正しくてもそうでなくても」の意味から「何がなんでも」「事情がどうあろうと」といったニュアンスで使われるようになりました。また政治の世界では「是々非々でやっていきたい」とよく言いますが、これは「正しいことは正しい、間違いは間違いと指摘しながらやっていく」ということを表しています。
次に「正」はご存じのとおり「正しいこと、正式なもの」ということ。「正しい」という似た意味の漢字を2つ重ねて強調している熟語です。
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