この記事では「マージン」について解説する。

端的に言えばマージンの意味は「利益」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

塾講師歴5年のれお先生を呼んです。一緒に「マージン」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/れお先生

教壇に立って、授業をすること5年。今も現役塾講師として、中学生・小学生を指導している。塾での経験を活かし、子供でも分かりやすい記事の作成を心がける。

「マージン」の意味

image by iStockphoto

「マージン」という言葉を聞いたことがある人は多きのではないでしょうか。この言葉は、ビジネスシーンでよく使います。ニュアンスは知っているけど正しい意味を知っていますか。正しい意味を、知らないと大きな損害を出すこともあります。それでは早速「マージン」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「マージン」の意味は?

「マージン」には、次のような意味があります。

マージン【margin】
1 原価と売値との差額。利ざや。

2 委託証拠金。

3 ページの欄外。余白。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「マージン」

「マージン」を意味1で使うのは、ビジネスシーンです。原価と売値の差額なので、売り上げ利益という意味で使います。また利ざやとは、金利で得る利益のことです。銀行などでお金を借りるときに、金利分の数パーセントを上乗せして返済するので利益が出ることや、証券取引における売値と買値の差額の利益としても使われます。つまり「マージン」の意味1を端的にいうと利益です。職種によって利益の出し方が異なることから、様々なジャンルのビジネスシーンで使われています。

「マージン」の意味2は、証券用語の委託証拠金です。委託証拠金とは、投資家が先物取引やオプション取引などを行う際に証券会社に差し入れする担保の事を指します。現金だけでなく、株式や債券などの有価証券で代用することも可能です。

「マージン」の意味3は、余白という意味で印刷業界で使います。印刷する際に、のちの工程を視野に入れ印刷物の余白である「マージン」を決めることが重要です。

「マージン」の使い方・例文

「マージン」の使い方は、使う場所や職種によって意味が異なりるので、注意が必要です。それぞれの場所ごとに使い方を見ていきましょう。

ビジネス用語での「マージン」の使い方・例文

ビジネスシーンでの「マージン」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

1.今年度のこの事業所でのマージンを確認する。

2.お金を借りるときはマージンも見る必要がある。

ビジネスシーンにおいて、例文1の「マージン」の使い方は利益として使っています。日本で「マージン」を使うときに、最も多い使い方です。業種によって利益の出し方が異なるので、例文2の「マージン」の使い方は、銀行業界や証券取引では利ざやとして使います。

証券用語としての「マージン」の使い方・例文

証券用語としての「マージン」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

・証券会社に依頼をした取引が成立したので、マージンを差し入れる。

証券用語として使う「マージン」は、先物取引やオプション取引の時に使います。先物取引とは、将来買う商品についてを約束する取引です。この取引では、いつどの商品を何個買うかまで詳細に決めます。

しかし、先物取引成立時の相場と将来の相場が変動する可能性があり、実際に売買するときに取引を破棄するかもしれません。そこで買い手と売り手だけでなく、リスクを避ける目的で証券会社が仲介役となります。仲介役となった証券会社にたいして、支払うお金や株式を「マージン(委託証拠金)」というのです。

印刷業界の用語としての「マージン」

印刷業界の用語としての「マージン」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

・完成品の時には、今よりも上下左右マージンを広くとる。

印刷業界の用語としての「マージン」は、余白として使います。印刷した後に、折りや冊子として綴じる場合もあるので、文字が消えたり読みにくくならないように考慮して「マージン」を決めることが必要です。

\次のページで「「マージン」の類義語は?違いは?」を解説!/

「マージン」の類義語は?違いは?

image by iStockphoto

「マージン」の類義語は、ビジネス用語では「純利益」、証券用語では「委託保証金」、印刷業界の用語では「スペース」です。それぞれ紹介していきます。

「純利益」

ビジネス用語としての「マージン」の類義語は「純利益」です。「マージン」は、原価と売値の差額の事であったが、これは正しい利益額ではありません。「マージン」からさらに、光熱費や賃料など雑費を引いた金額が利益になり、これを「純利益」といいます。「マージン」と類義語の「純利益」は、正しく使い分けましょう。

「委託保証金」

証券用語としての「マージン(委託証拠金)」の類義語に「委託保証金」という言葉があるのですが、この2つの言葉の違いは、取引の種類です。先述した通り、「委託証拠金」は先物取引やオプション取引で使います。「委託保証金」は、信用取引や発売日決済取引の時に差し入れする担保のことです。どの種類の取引なのかに注意して使い分けましょう。

「スペース」

印刷業界の用語としての「マージン」の類義語は、「スペース」です。2つの言葉に大きな違いはありません。ただし、印刷業界では差はありませんが、「スペース」は他の業界でも広く使われています。例えばサッカーでも「スペース」に走りこむなどスポーツでも使われる言葉です。

「マージン」の対義語は?

「マージン」に明確な対義語はありません。ただし、損害という意味の「ダメージ」が、ビジネス用語として使う「マージン」と対義語になるのではないでしょうか。

「ダメージ」

「ダメージ」には、次のような意味があります。

ダメージ【damage】
損害。損傷。打撃。痛手。「―を与える」「大きな―を受ける」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「ダメージ」

「ダメージ」の損害という意味は、失うということです。「マージン」では、主にお金を得るときに使うので、反対の意味になるのではないでしょうか。

\次のページで「「マージン」の英訳は?」を解説!/

「マージン」の英訳は?

image by iStockphoto

日本語の「マージン」の語源は、英語の「margin」です。

「margin」

英語の「margin」は次のような意味になります。

margin

1.(ページなどの)余白、欄外、マージン

2.(時間・経費・活動などの)余裕、(誤りなどの)余地

3.(時間の)差、(得票などの)差

4.縁、へり、端、岸

5.最低限、限界(に近い状態)

6.【商業】元値と売値の開き、利ざや、マージン

出典:新英和中辞典(研究社)「margin」

日本語の「マージン」と同じようにビジネス用語や証券用語、印刷業界の用語でとしても英語の「margin」も使うことがあります。例えば、a profit margin(利ざや)やthe trading period for margin transactions is six months at longest(信用取引期間は最長で6ヶ月ある)のようにです。

また、日本語の「マージン」とは異なる意味として差や境界線としての縁などの意味もあります。margin between success and failure(っ成功と失敗の差)のように「差」として使うことも多いです。

「マージン」を使いこなそう

この記事では「マージン」の意味・使い方・類語などを説明しました。「マージン」は、多くの場所で使われる言葉で、使われる場所によって意味も変わります。それぞれの意味は、ビジネス用語では「利益」、証券用語では「委託証拠金」、印刷業界の用語では「余白」です。英語の「margin」はこれらに加えて、「差」や「縁」といった意味もあります。

" /> 「マージン」の意味や使い方は?例文や類語を現役塾講師がわかりやすく解説! – Study-Z
国語言葉の意味

「マージン」の意味や使い方は?例文や類語を現役塾講師がわかりやすく解説!

この記事では「マージン」について解説する。

端的に言えばマージンの意味は「利益」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

塾講師歴5年のれお先生を呼んです。一緒に「マージン」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/れお先生

教壇に立って、授業をすること5年。今も現役塾講師として、中学生・小学生を指導している。塾での経験を活かし、子供でも分かりやすい記事の作成を心がける。

「マージン」の意味

image by iStockphoto

「マージン」という言葉を聞いたことがある人は多きのではないでしょうか。この言葉は、ビジネスシーンでよく使います。ニュアンスは知っているけど正しい意味を知っていますか。正しい意味を、知らないと大きな損害を出すこともあります。それでは早速「マージン」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「マージン」の意味は?

「マージン」には、次のような意味があります。

マージン【margin】
1 原価と売値との差額。利ざや。

2 委託証拠金。

3 ページの欄外。余白。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「マージン」

「マージン」を意味1で使うのは、ビジネスシーンです。原価と売値の差額なので、売り上げ利益という意味で使います。また利ざやとは、金利で得る利益のことです。銀行などでお金を借りるときに、金利分の数パーセントを上乗せして返済するので利益が出ることや、証券取引における売値と買値の差額の利益としても使われます。つまり「マージン」の意味1を端的にいうと利益です。職種によって利益の出し方が異なることから、様々なジャンルのビジネスシーンで使われています。

「マージン」の意味2は、証券用語の委託証拠金です。委託証拠金とは、投資家が先物取引やオプション取引などを行う際に証券会社に差し入れする担保の事を指します。現金だけでなく、株式や債券などの有価証券で代用することも可能です。

「マージン」の意味3は、余白という意味で印刷業界で使います。印刷する際に、のちの工程を視野に入れ印刷物の余白である「マージン」を決めることが重要です。

「マージン」の使い方・例文

「マージン」の使い方は、使う場所や職種によって意味が異なりるので、注意が必要です。それぞれの場所ごとに使い方を見ていきましょう。

ビジネス用語での「マージン」の使い方・例文

ビジネスシーンでの「マージン」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

1.今年度のこの事業所でのマージンを確認する。

2.お金を借りるときはマージンも見る必要がある。

ビジネスシーンにおいて、例文1の「マージン」の使い方は利益として使っています。日本で「マージン」を使うときに、最も多い使い方です。業種によって利益の出し方が異なるので、例文2の「マージン」の使い方は、銀行業界や証券取引では利ざやとして使います。

証券用語としての「マージン」の使い方・例文

証券用語としての「マージン」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

・証券会社に依頼をした取引が成立したので、マージンを差し入れる。

証券用語として使う「マージン」は、先物取引やオプション取引の時に使います。先物取引とは、将来買う商品についてを約束する取引です。この取引では、いつどの商品を何個買うかまで詳細に決めます。

しかし、先物取引成立時の相場と将来の相場が変動する可能性があり、実際に売買するときに取引を破棄するかもしれません。そこで買い手と売り手だけでなく、リスクを避ける目的で証券会社が仲介役となります。仲介役となった証券会社にたいして、支払うお金や株式を「マージン(委託証拠金)」というのです。

印刷業界の用語としての「マージン」

印刷業界の用語としての「マージン」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

・完成品の時には、今よりも上下左右マージンを広くとる。

印刷業界の用語としての「マージン」は、余白として使います。印刷した後に、折りや冊子として綴じる場合もあるので、文字が消えたり読みにくくならないように考慮して「マージン」を決めることが必要です。

\次のページで「「マージン」の類義語は?違いは?」を解説!/

次のページを読む
1 2 3
Share: