
小脳の構造
小脳は、3対の脳脚(のうきゃく)とよばれるもので小脳と隣接する中脳、橋(きょう)や延髄と結合していますよ。また、小脳は3つの異なる観点から区分されますよ。難しい話になりますが、解剖学的区分(肉眼で確認できる区分)では、方葉小節葉、前葉、後葉の3部位に分かれます。系統発生学的・機能的区分だと、前庭小脳、脊髄小脳、大脳小脳に分かれますよ。それぞれの機能は、前庭小脳は、身体平衡と眼球運動の調節、脊髄小脳は体幹と四肢の運動の制御、大脳小脳は、運動の計画と感覚情報の評価を行います。
高次な機能を持つ小脳
小脳は大脳と連携して働いていますよ。ある運動をするという指令は、大脳皮質のうちの前頭葉から出ます。そして、手と足、手と目などのように本来はバラバラに動かすものをまとめる協調運動の命令を小脳が出しますよ。このため、大脳の方がより高次な働きをし、小脳は低次の働きをして、大脳なしでは不可能な動きなのか、とも考えられますが、小脳も高次な働きをするのですよ。
小脳を損傷したら

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このように重要な働きをする小脳に異常が生じたらどうなってしまうのでしょうか。小脳を損傷した時の症状と、それを裏付ける実験について紹介しますね。
フルーランにおける小脳切除実験
19世紀前半にフルーランがハトなど鳥類を使った実験で、小脳の運動協調の働きと感覚と近くは大脳が関係していることを発見していますよ。協調運動とは、手と足、目と手など別々に動く機能をひとまとめにして動かす運動のことです。運動の協調ができていないと、いわゆる「不器用」「運動が苦手」という風に見られますよ。
小脳を切除することによって、運動と運動の協調が失われます。
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