この記事では「金字塔」について解説する。

端的に言えば金字塔の意味は「後世に永く残るすぐれた業績」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

現役の落語家でWebライターの晋治を呼んです。一緒に「金字塔」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/晋治

現役の落語家でwebライター。20代後半から落語家に入門し、40歳からは兼業ライターに。言葉を生業とする落語家とライターの経験を活かして、わかりやすく言葉の意味を解説する。

「金字塔」の意味や語源・使い方まとめ

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「金字塔(きんじとう)」という言葉は日常会話ではあまり使用されない言葉ですね。「金字塔を打ち立てる」という使われ方がほとんどです。スポーツや芸術で素晴らしい実績を残した方や歴史上の人物を紹介するとき、偉業を成し遂げた時に使う慣用句。それでは早速「金字塔」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「金字塔」の意味は?

「金字塔」には、次のような意味があります。

  1. 《「金」の字の形をした塔の意》ピラミッド。

  2. 後世に永く残るすぐれた業績。不滅の業績。「金字塔を打ち建てる」

  出典:goo辞書「金字塔」

「金字塔」というのは「ピラミッド」の形が漢字の「金」の字の形に似ているところから付けられました。確かに形は似ていますね。心の中で「見たままやん」と大阪弁でツッコんだ人も多いのではないでしょうか。語源や由来を調べると面白いですね。

ピラミッドは実際に現地へ行って生で見たことはなくても、テレビや映画、写真などで大半の方が見たことがあると思います。あれだけの大きな建造物を4000年以上前の人達はどのようにして作ったのでしょうか。そして現在も潰れずに綺麗に残っているのですから偉業としか言いようがありませんね。

このように信じられないほど立派な業績を残すことを、ピラミッドに例えて「金字塔を打ち立てる」と表現するようになったと言われています。

現在の日本ではカタカナ表記をするようになったので「金字塔」は「ピラミッド」と表記するようになりました。「金字塔」の元々の意味は「ピラミッド」ですが、「後世に残る偉大な業績」という意味で使われることがほとんどです。

「金字塔」の語源は?

次に「金字塔」の語源を確認しておきましょう。

金字塔の語源はピラミッドの形です。「ピラミッド」の形が漢字の「金」の字に似ていたことが語源と言われています。そしてピラミッドは4000年以上前に作られた建造物で、いかにして作られたのか、なぜ作られたのかなど、まだまだ謎の多い偉大な歴史的建造物。そこから「金字塔」=「ピラミッド」=「後世に永く残る優れた業績」「不滅の業績」という意味を持つようになったとされています。

\次のページで「「金字塔」の使い方・例文」を解説!/

「金字塔」の使い方・例文

「金字塔」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

1.エジプトのピラミッドは4000年以上前に建てられた建造物で、日本ではピラミッドの事を「金字塔」と呼んでいたそうです。そこから「不滅の業績を打ち立てる」ことを「金字塔を打ち立てる」というようになりました。

2.イチロー選手が日米通算4,367安打を記録し、通算安打数で世界1位になりました。世界一の安打数を記録するという金字塔を打ち立てたことになります。イチロー選手は歴史に残る偉大な名選手です。

3.人気漫画が原作のアニメーション映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の興行収入が公開から73日で324億円となり、平成13年に公開された『千と千尋の神隠し』の316億円を抜き、歴代1位の興行収入となった。『鬼滅の刃』は国内映画の歴史に金字塔を打ち立てた。

1の例文は「金字塔」=「ピラミッド」の説明の例文となります。

2の例文は、世界的な野球選手、イチロー選手の例文です。イチロー選手はすでにプロ野球選手は引退されましたが、現代で「金字塔」という言葉が一番似合う人ではないでしょうか。まさに生きる金字塔ですね。

3の例文は「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の興行収入を扱った例文です。映画の放映時期がコロナ禍ということもあり、決して客足に恵まれてはいない状況でありながら、歴代1位の興行収入を叩きだし歴史を塗り替えるというのは誠に素晴らしいですね。

「金字塔」の類義語は?違いは?

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それでは、「金字塔」の類義語を見ていきましょう。

その1「偉業」

「金字塔」には「ピラミッド」という意味と「後世に永く残るすぐれた業績」「不滅の業績」という意味があります。「ピラミッド」には類義語はないので「不滅の業績」の類義語で考えてみましょう。

「後世に永く残るすぐれた業績」「不滅の業績」の類義語としては「偉業」が考えられますね。「偉業」とは偉大な事業や優れた業績」のこと。「金字塔」の方が「偉業」よりもすぐれた業績、特別感がでる言葉です。

\次のページで「その2「功績」」を解説!/

「偉業」と「金字塔」の違いを表す例文

サッカー日本代表は6大会連続6回目のワールカップ出場という「偉業」を成し遂げた。

プロサッカー選手の三浦知良選手(通称:キング・カズ)は、Jリーグ史上最高齢の53歳でJ1リーグでプレーしており、世界最高齢で得点を記録するという「金字塔」を打ち立てた。

その2「功績」

「金字塔」の類義語は「偉業」の他に「功績」も考えられますね。「功績」の意味は、あることを成し遂げた手柄。すぐれた働きや成果、とあります。「功績をたたえる」「仕事で功績を残す」という使い方が多いです。

「功績」を使った例文です。

ラーメン屋激戦エリアで他店を圧倒する売り上げの人気店がある。食べログや口コミサイトで好評を得て、テレビのグルメ番組に取り上げるなどの追い風もあり、今では予約しなければ入店できない人気店に成長した。広告費はほとんどゼロ。有名芸能人が訪問したりTwitterでつぶやいたりしたことがきっかけで店舗に訪れる人は急増しランチタイムは1時間待ちが当たり前だ。お店のSNSのフォロワー数も10,000人を超えた。人気メニューは「つけ麺」だが、先代から受け継いだ「担々麺」を目当てにお店を訪れる常連客も多い。店長は朝日新聞社の取材でこう語った。「先代が残してくれた担々麺が基本です。少しだけ店内に現代っぽさを導入して若年層にスポットを当てたサービスやメニューを取り入れましたが、最終的な判断基準は先代の経営理念や功績に泥を塗らないということです。もちろんお客様に喜んでいただくことが第一ですが、運営者としては従業員が誇りを持って働ける環境づくりに注力していきたいです」。店長の大塚さんはそう言ってニッコリと笑った。

「金字塔」の対義語は?

「金字塔」には明確な対義語はありません。「金字塔」は本来「ピラミッド」という固有名詞です。「金字塔」⁼「ピラミッド」⁼「不滅の業績」という広義で考えるなら、「金字塔」の対義語は「凡庸」や「人並み」「普通」「平凡」などが当てはまるでしょう。

「金字塔」の英訳は?

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それでは「金字塔」の英訳を見ていきましょう。

「a monumental work」

「金字塔」の意味を英訳すると「a monumental work」となります。

「金字塔」=「ピラミッド」で考えると、英訳は「 a pyramid(ピラミッド)」です。

「金字塔」=「偉大な業績」で考えると「a monumental work」となります。

\次のページで「「金字塔」を使いこなそう」を解説!/

1.a monument in the field of Japanese literature.

日本文学の金字塔

2.a mouument of learning.

学問の金字塔

「金字塔」を使いこなそう

この記事では「金字塔」の意味・使い方・類語などを説明しました。「金字塔」は「ピラミッド」のことですが意味は「後世に残る偉大な業績」だと分かりましたね。

似た言葉には「偉業」や「功績」といった言葉たちです。類義語を調べると本当に面白いので皆さんも辞書やインターネットで言葉の旅をしてみて下さいね。

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国語言葉の意味

「金字塔」の意味や使い方は?例文や類語を落語家Webライターがわかりやすく解説!

「金字塔」の使い方・例文

「金字塔」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

1.エジプトのピラミッドは4000年以上前に建てられた建造物で、日本ではピラミッドの事を「金字塔」と呼んでいたそうです。そこから「不滅の業績を打ち立てる」ことを「金字塔を打ち立てる」というようになりました。

2.イチロー選手が日米通算4,367安打を記録し、通算安打数で世界1位になりました。世界一の安打数を記録するという金字塔を打ち立てたことになります。イチロー選手は歴史に残る偉大な名選手です。

3.人気漫画が原作のアニメーション映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の興行収入が公開から73日で324億円となり、平成13年に公開された『千と千尋の神隠し』の316億円を抜き、歴代1位の興行収入となった。『鬼滅の刃』は国内映画の歴史に金字塔を打ち立てた。

1の例文は「金字塔」=「ピラミッド」の説明の例文となります。

2の例文は、世界的な野球選手、イチロー選手の例文です。イチロー選手はすでにプロ野球選手は引退されましたが、現代で「金字塔」という言葉が一番似合う人ではないでしょうか。まさに生きる金字塔ですね。

3の例文は「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の興行収入を扱った例文です。映画の放映時期がコロナ禍ということもあり、決して客足に恵まれてはいない状況でありながら、歴代1位の興行収入を叩きだし歴史を塗り替えるというのは誠に素晴らしいですね。

「金字塔」の類義語は?違いは?

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それでは、「金字塔」の類義語を見ていきましょう。

その1「偉業」

「金字塔」には「ピラミッド」という意味と「後世に永く残るすぐれた業績」「不滅の業績」という意味があります。「ピラミッド」には類義語はないので「不滅の業績」の類義語で考えてみましょう。

「後世に永く残るすぐれた業績」「不滅の業績」の類義語としては「偉業」が考えられますね。「偉業」とは偉大な事業や優れた業績」のこと。「金字塔」の方が「偉業」よりもすぐれた業績、特別感がでる言葉です。

\次のページで「その2「功績」」を解説!/

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