この記事では 「スタンス」について解説する。

端的に言えば、スタンスの意味は「立場」「態度」です。ビジネスシーンなどで耳にすることが多い言葉ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

日本放送作家協会会員でWebライターのユーリを呼んです。一緒に「スタンス」の意味や例文、類義語などを見ていきます。

ライター/ユーリ

日本放送作家協会会員。シナリオ、エッセイをたしなむWebライター。時代によって変化する言葉の面白さ、奥深さをやさしく解説する。

スタンスの意味・語源・例文

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「スタンス」はビジネスシーンで比較的なじみのある言葉ですし、「この問題についてのわが社のスタンスは…」とか「どういうスタンスであの企画を考えたのか」などと、実際に使っている人も多いことでしょう。しかし、改めて意味を問われると意外と難しい言葉なのではないでしょうか。

「スタンス」の意味は?

まず、辞書で「スタンス」の意味をチェックしましょう。

1 立場。態度。
2 野球・ゴルフ・テニスなどで、球を打つときの両足の位置・構え。
3 ロッククライミングで、足場のこと。

出典:デジタル大辞泉「スタンス」

ビジネスシーンや一般の場面で用いられる「スタンス」は、「立場」そして「態度」という意味です。スポーツでは、「足の位置」また「構え方」という意味合い。また、ロッククライミングでは、足場のことを「スタンス」と呼んでいます。次に、それぞれのシーンでの意味をもう少し詳しくみていきましょう。

ビジネスシーンでの「スタンス」

ビジネスシーンで使う「スタンス」には「立場」そして「態度」などの意味があります。「立場」は「中立の立場」「批判的な立場」「積極的な姿勢」など、「物事に対する考え方」を指しているのです。また、「態度」は、よく「部下に仕事へのスタンスを問いただす」とか「彼の仕事へのスタンスはあいまいだ」というように、「仕事への取組み姿勢」という意味合いで使われます。

野球の「スタンス」

野球での「スタンス」は、打席でバッティングの構えをしたときの足の位置のこと。ホームベースと平行に足を置くのが「スクエアスタンス」、軸足に対して踏み込む側の足を外側に開いて置く「オープンスタンス」、踏み込む側の足をホームベースの側に置く「クローズドスタンス」の3種類があります。

\次のページで「ゴルフの「スタンス」」を解説!/

ゴルフの「スタンス」

ゴルフの「スタンス」も足の位置という意味。ターゲットライン(ボールと目標地点を結ぶ直線)と平行な「スクエアスタンス」、右足が前に出て体が開く「オープンスタンス」、左足が前に出て体が閉じる「クローズスタンス」があります。

ボードの「スタンス」

サーフィンスケートボードなどボードに乗るスポーツでは、左足を前にして滑るスタイルを「レギュラースタンス」、右足を前にして滑るスタイルを「グーフィースタンス」といいます。これは、バランスをコントロールする足を後側に置いたほうが有利で、利き足が右足の人の方が多いから。

また、スノーボードでは、ボードにブーツを固定して滑りますが、ボードに取り付けるビンディングとビンディングの距離をスタンス幅といい、角度のことをスタンス角度といいます。

「スタンス」の語源は?

スタンスの語源は英語の「stance」です。「stance」はラテン語で「立つ」という意味の「stare」に由来しています。立場にしても、足の位置や構えにしても、基本はまず立つことなんですね。「stand」(立つ)、「station」(駅、静止、持ち場、地位)、「understand」(理解する)、「status」(身分)、「statue」(立像)なども同じ語源を持つ言葉です。

「スタンス」を使った例文

次に、「スタンス」を使った例文を見てみましょう。

1.銃規制についてのアメリカのスタンスに、私はとうてい賛成することはできない。
2.中途採用の面接で「前職で、あなたの仕事へのスタンスはどのようなものであったか」と聞かれたが、スタンスの意味がよくわからず、しどろもどろになってしまった。
3.少年野球のチームで、バッティングはスクエアスタンスを取るよう指導しているが、新しく入団してきた子はオープンスタンスのほうが打ちやすいと言っている。

1.は物事に対する立場という意味での例文です。2.の例文は、仕事への態度という意味の例文ですね。3.は、野球のスタンスの種類を使った例文です。

\次のページで「「スタンス」の類義語 」を解説!/

「スタンス」の類義語 

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次に、「スタンス」の類義語をチェックしましょう。

「ポイントオブビュー」:観点

物事を考える立場という意味での類義語としては「ポイントオブビュー」(point of view)があります。日本語での意味は「観点」「見解」「見地」などです。「from an educational point of view」は「教育上の観点からは」となり、「教育の立場からは」とほぼ同じような意味になります。

「スタンドポイント」:立場

「スタンドポイント」(standpoint)も、物事を考える立場という意味での類義語です。日本語での意味は「視点」「見地」「立場」などとなります。

「視座」:物事を認識するときの姿勢や立場

「視座」「物事を認識するときの姿勢や立場」という意味。「視座」もビジネスシーンで使われている言葉ですね。

「姿勢」「取組み」:物事に取り組む態度

物事に取り組む態度という意味での類義語としては「姿勢」「取り組み」があります。「取り組み姿勢」「取り組み方」も同じ意味合いですね。

「スタンス」の英訳は?

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「スタンス」の英訳は「stance」です。そもそも英語の「stance」が日本語の「スタンス」の語源なので、意味もほぼ同じ。社会問題などについての「姿勢」「態度」という意味と、野球やゴルフでの足の位置という意味があります。

\次のページで「意味と使い方を覚えて「スタンス」を使いこなそう!」を解説!/

1.What is your stance on trade issues?
貿易問題についてのあなたの姿勢は?

2.He takes an anti-war stance.
彼は反戦の立場を取っている。

1.の例文に使われている「stance on ~」は「~に対する立場、姿勢」という意味。「stance on terrorism」テロに対する姿勢「stance on immigration」移民問題に対する姿勢という意味ですね。

2.の例文に使われている「take ○○ stance」は「~に対して○○な立場、態度を取る」という意味。「take an optimistic stance」は、「~に対して楽観的な態度を取る」「take an uncompromising stance toward」「~に対して強硬な姿勢で臨む」という意味です。

意味と使い方を覚えて「スタンス」を使いこなそう!

この記事では、「スタンス」についての意味、語源、類義語から英訳などを説明しました。

「スタンス」という言葉は、ビジネスの場面では「立場」「態度」という意味同義語には、「ポイントオブビュー」「スタンドポイント」「視座」「姿勢」「取り組み」などがあります。野球やゴルフなどスポーツのシーンでは「足を置く位置や構え」ロッククライミングでは「足場」のことです。

「stance」の語源はラテン語で「立つ」を意味する「stare」。ビジネスシーンでもスポーツのシーンでも、まずきちんと自分の足で立つこと、そして立ち位置を定めること、どの角度で対象を見るか、決めることが大事です。基本の意味を理解して「スタンス」を使いこなせるようになってくださいね。

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ビジネスでもスポーツでも使う「スタンス」の意味・語源・類義語などを日本放送作家協会会員がわかりやすく解説

この記事では 「スタンス」について解説する。

端的に言えば、スタンスの意味は「立場」「態度」です。ビジネスシーンなどで耳にすることが多い言葉ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

日本放送作家協会会員でWebライターのユーリを呼んです。一緒に「スタンス」の意味や例文、類義語などを見ていきます。

ライター/ユーリ

日本放送作家協会会員。シナリオ、エッセイをたしなむWebライター。時代によって変化する言葉の面白さ、奥深さをやさしく解説する。

スタンスの意味・語源・例文

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「スタンス」はビジネスシーンで比較的なじみのある言葉ですし、「この問題についてのわが社のスタンスは…」とか「どういうスタンスであの企画を考えたのか」などと、実際に使っている人も多いことでしょう。しかし、改めて意味を問われると意外と難しい言葉なのではないでしょうか。

「スタンス」の意味は?

まず、辞書で「スタンス」の意味をチェックしましょう。

1 立場。態度。
2 野球・ゴルフ・テニスなどで、球を打つときの両足の位置・構え。
3 ロッククライミングで、足場のこと。

出典:デジタル大辞泉「スタンス」

ビジネスシーンや一般の場面で用いられる「スタンス」は、「立場」そして「態度」という意味です。スポーツでは、「足の位置」また「構え方」という意味合い。また、ロッククライミングでは、足場のことを「スタンス」と呼んでいます。次に、それぞれのシーンでの意味をもう少し詳しくみていきましょう。

ビジネスシーンでの「スタンス」

ビジネスシーンで使う「スタンス」には「立場」そして「態度」などの意味があります。「立場」は「中立の立場」「批判的な立場」「積極的な姿勢」など、「物事に対する考え方」を指しているのです。また、「態度」は、よく「部下に仕事へのスタンスを問いただす」とか「彼の仕事へのスタンスはあいまいだ」というように、「仕事への取組み姿勢」という意味合いで使われます。

野球の「スタンス」

野球での「スタンス」は、打席でバッティングの構えをしたときの足の位置のこと。ホームベースと平行に足を置くのが「スクエアスタンス」、軸足に対して踏み込む側の足を外側に開いて置く「オープンスタンス」、踏み込む側の足をホームベースの側に置く「クローズドスタンス」の3種類があります。

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