この記事では「アナライザー」について解説する。

端的に言えばアナライザーの意味は「分析者」や「分析器」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

情報誌系の記者を10年経験したライター・にべこを呼んです。一緒に「アナライザー」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/にべこ

某大手情報誌の記者を務め、その後フリーライターに。ビジネス用語ならおまかせ。さまざまなシーンで使えるカタカナ言葉を噛み砕いてご紹介。

「アナライザー」の意味や語源・使い方まとめ

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今回ご紹介するのは「アナライザー」という言葉です。

機械に詳しい人なら「分析器」として耳馴染みはある言葉かとは思いますが、実は機械だけのことではなく幅広い分野で使われています。ですが、単に「アナライザー」とだけ検索しても様々な言葉や意味がヒットするため、いまいちわかりにくいと感じるのではないでしょうか。

この記事ではそんな「アナライザー」という言葉を多角的に紐解いていきましょう。

「アナライザー」の意味は?

「アナライザー」を辞書で引くと、以下のような様々な意味が出てきます。以下はその抜粋です。

キーまたはボタンを押した反応を記録、分析する装置。映画・テレビなどの視聴者の反応や、授業中の生徒の反応の分析調査に用いられる。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「アナライザー」

1.ラジオ、テレビなどで、聴視者の好みや反応を記録して、分析する装置。
2.学級の児童、生徒の反応を押しボタンによって授業者に伝え、学習作業の達成度を分析する装置。
出典:精選版 日本国語大辞典(小学館)「アナライザー」

反応分析器。
出典:日本大百科全書(ニッポニカ)「アナライザー」

上記のように、辞書によって様々な表現が用いられており色々な意味があるのだということがわかりますが、このどれもに共通しているキーワードは「分析」であるということです。

「分析」とは、物事や事柄を一つ一つ細かな要素や成分に分け、その構成などを明らかにすること。そして分析することを英語で書くと「アナライズ」となるのですが、この「アナライズ」を行うシステムや装置、および行う人のことを「アナライザー」と呼ぶということですね。

「アナライザー」の語源は?

次に「アナライザー」の語源を確認しておきましょう。

「アナライザー」は英語で「analyzer」と書き、元は名詞の「analysis(アナリシス)」という単語で、「分析、分解」をあらわします。例としては「chemical analysis(化学分析)」「ultimate analysis(元素分析)」などとして用いられるでしょう。その語源は古来ギリシャ語の「Gk.lyein」で、「ほどく」「ばらばらにする」という意味です。

これが「analyze(アナライズ)」となると「分析する」という動詞になります。

\次のページで「「アナライザー」の使い方・例文」を解説!/

「アナライザー」の使い方・例文

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次に、「アナライザー」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1. 為替金融商品の取引の状況を分析するための自動ツールを「バイナリーオプションアナライザー」と呼ぶ。
2.コーチングと呼ばれる人材マネジメント法の中では、人をいくつかのタイプに分ける。その中で情報を集めて、コツコツと計画通りに進めていくタイプの人を「アナライザータイプ」という。
3.昨今「ワークスタイルアナライザー」とサービスが提供されているが、これはテレワークにおける個人および組織の働き方の可視化と把握、分析が可能になるシステムである。
4.イーサネットのトラフィックを測定する装置や、無線LANの接続状況をモニタする装置を「ネットワークアナライザー」と呼ぶ。
5.車のバッテリーは何年も使用すると消耗するが、そのバッテリーの状態を調べる装置が「バッテリーアナライザー」だ。
6.「オーディオアナライザー」を使い、オーディオ機器から発する音声信号や音圧レベル、各種周波数特性などを分析する。

上記例文を見てもわかるように、すべて「分析」を表す言葉ではありますが、金融や人材マネジメントなどのビジネスシーン、ITやシステム、車やオーディオなどの機械なと、多種多様な分野で用いられます。

ビジネスシーンでの「アナライザー」

ビジネスシーンでは主に金融業界で用いられます。例文で挙げた、バイナリーオプション取引上での値動きを瞬時に自動解析し、必要な情報を画面提示してくれる「バイナリーオプションアナライザー(BO.Analyzer)や、金融商品である「株式アナライザー」、金融商品の相場一覧である「チャートアナライザー」などです。

IT業界での「アナライザー」

IT業界では主にネットワークプロトコルを計測し分析するものとして「アナライザー」が用いられます。ネットの接続状況を監視・解析し、目に見える形に変換する「LANアナライザー(sniffer)」などです。「ネットワークアナライザー」「パケットアナライザー」などと呼ばれることも。

精密機器分野の「アナライザー」

車やオーディオ、パソコン、カメラなどの機械の分野では主に「計測器」として用いられ、例文でも挙げた「バッテリーアナライザー」や「オーディオアナライザー」、周波数や電力・電圧などを計測しグラフ化する「スペクトラムアナライザー」「FFTアナライザー」など、その種類は多岐にわたります。

\次のページで「「アナライザー」の類義語は?違いは?」を解説!/

「アナライザー」の類義語は?違いは?

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ここからは「アナライザー」の類義語や関連語を見ていきましょう。

「アナリティクス」

「アナリティクス」は蓄積したデータを分析、収集、表示するための機能全体を指す言葉です。

収集したデータそのものにはあまり意味がありません。そのデータを分析して、徹底的に調べたうえその結果に基づいた行動や考査をするというのが重要なのです。データが持つ意味を解き明かす手法や機能を「アナリティクス」と呼びます。

「アナライザー」が「分析器」「分析者」をあらわすのであれば、「アナリティクス」は「分析をする」という行動をあらわすといったところでしょう。例文としては「データの中に意味のあるパターンを見出し伝えることをアナリティクスと呼ぶ」などが挙げられます。

「アナリスト」

「アナリスト」「分析者」の意味で、「アナライザー」と同意義です。

しかし「アナリスト」は、証券会社や政策立案を行う研究機関(シンクタンク)などにおいて、業界・企業分析を行う広い知識を持つ専門職のスペシャリストのことを指して言うことがほとんど。証券アナリスト、経済アナリストなどと言います。

「アナライザー」の対義語は?

「アナライザー」の明確な対義語はありませんが、言葉の対比として強いて挙げるのならば「synthesize(シンセサイズ)」という言葉があります。これは「合成する」という意味の言葉で、「アナライザー」「アナライズ」という言葉が持つ「分析する」「一つ一つ紐解く」という意味の反対語といえるのではないでしょうか。電子により様々な音を合成する楽器を「シンセサイザー」と言いますが、この語源になっている言葉です。

\次のページで「「アナライザー」を使いこなそう」を解説!/

「アナライザー」を使いこなそう

この記事では「アナライザー」の意味・使い方・類語などを説明しました。

一言に「分析」と言っても何を分析し表現するのかで意味が多様に派生していくのと同じで、様々な分野で使われる言葉でしたね。

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国語言葉の意味

「アナライザー」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「アナライザー」について解説する。

端的に言えばアナライザーの意味は「分析者」や「分析器」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

情報誌系の記者を10年経験したライター・にべこを呼んです。一緒に「アナライザー」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/にべこ

某大手情報誌の記者を務め、その後フリーライターに。ビジネス用語ならおまかせ。さまざまなシーンで使えるカタカナ言葉を噛み砕いてご紹介。

「アナライザー」の意味や語源・使い方まとめ

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今回ご紹介するのは「アナライザー」という言葉です。

機械に詳しい人なら「分析器」として耳馴染みはある言葉かとは思いますが、実は機械だけのことではなく幅広い分野で使われています。ですが、単に「アナライザー」とだけ検索しても様々な言葉や意味がヒットするため、いまいちわかりにくいと感じるのではないでしょうか。

この記事ではそんな「アナライザー」という言葉を多角的に紐解いていきましょう。

「アナライザー」の意味は?

「アナライザー」を辞書で引くと、以下のような様々な意味が出てきます。以下はその抜粋です。

キーまたはボタンを押した反応を記録、分析する装置。映画・テレビなどの視聴者の反応や、授業中の生徒の反応の分析調査に用いられる。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「アナライザー」

1.ラジオ、テレビなどで、聴視者の好みや反応を記録して、分析する装置。
2.学級の児童、生徒の反応を押しボタンによって授業者に伝え、学習作業の達成度を分析する装置。
出典:精選版 日本国語大辞典(小学館)「アナライザー」

反応分析器。
出典:日本大百科全書(ニッポニカ)「アナライザー」

上記のように、辞書によって様々な表現が用いられており色々な意味があるのだということがわかりますが、このどれもに共通しているキーワードは「分析」であるということです。

「分析」とは、物事や事柄を一つ一つ細かな要素や成分に分け、その構成などを明らかにすること。そして分析することを英語で書くと「アナライズ」となるのですが、この「アナライズ」を行うシステムや装置、および行う人のことを「アナライザー」と呼ぶということですね。

「アナライザー」の語源は?

次に「アナライザー」の語源を確認しておきましょう。

「アナライザー」は英語で「analyzer」と書き、元は名詞の「analysis(アナリシス)」という単語で、「分析、分解」をあらわします。例としては「chemical analysis(化学分析)」「ultimate analysis(元素分析)」などとして用いられるでしょう。その語源は古来ギリシャ語の「Gk.lyein」で、「ほどく」「ばらばらにする」という意味です。

これが「analyze(アナライズ)」となると「分析する」という動詞になります。

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