

端的に言えば泥酔の意味は「正体をなくすほど、ひどく酔うこと」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
現役の落語家でWebライターの晋治を呼んだ。一緒に「泥酔」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/晋治
現役の落語家でwebライター。20代後半から落語家に入門し、40歳からは兼業ライターに。言葉を生業とする落語家とライターの経験を活かして、わかりやすく言葉の意味を解説する。
「泥酔」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「泥酔」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。私はお酒が好きでビールを好んで飲みますが、元々アルコールに強い体質ではないようで、日本酒やウイスキー、ワインなどを飲むと「ほろ酔い」を通り越して「酩酊」状態によくなります。これまでに何度もお酒で失敗を繰り返してきました。残念ながら酔っ払いにはほぼ学習能力がないようです。もしくは学習することを放棄しているのかもしれません。今日も世界のどこかで陽気な泥酔者が路上と口づけを交わしながら眠りにつくでしょう。
「泥酔」の意味は?
「泥酔」には、次のような意味があります。
[名](スル)《「泥」は、水がないとどろのようになるという虫の名》正体をなくすほど、ひどく酔うこと。「泥酔するまで飲む」「泥酔状態」
出典:goo辞書「泥酔」
古典落語には「酔っ払い」を扱った小噺が数多くあります。例えば、2人の男が長時間お酒を飲み続け、お互いへべれけになるんですね。今が夕方なのか朝なのかも分からないまま、酩酊状態で二人は表に出る。そして、酔っ払いAが「おい、空を見てみい、もうお日さんが出てるな~」酔っ払いB「バカ、あれはお月さんだよ~」「いや、お日さんだよ~」「お月さんだよ」埒が明かないので向こうから千鳥足で歩いてきた酔っ払いCに尋ねます。「あの~すみません。お空にある丸いものはお日さんですか?お月さんですか?」酔っ払いC「いや~すんません。私はこの辺りの者ではないので分かりませんわ」
「泥酔」の語源は?
次に「泥酔」の語源を確認しておきましょう。
泥酔の「泥(でい)」は、中国の「異物志」に出てくる空想上の虫のこと。「でい」は南海に住み、骨が無くて水が無いと泥のようになると考えられている。その様がひどく酔った状態に似ていることから「泥酔」と言うようになった。杜甫の詩にも「酔如泥」とあり、日本でも、酒に酔った状態のことを「泥の如し」といった例が平安時代頃の書物から見られる。
語源由来辞典「泥酔」参照
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