
端的に言えば黎明の意味は「夜明け」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
情報誌系のライターを10年経験した柊 雅子を呼んです。一緒に「黎明」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/柊 雅子
イベントの司会や雑誌の記事作成を仕事としてきたライター、柊 雅子。「黎明」「暁」「有明」…夜明けや日の出を表す日本語の豊かさを再認識。趣のある言葉に黎明の情景を思い浮かべながら柊 雅子が「黎明」について解説する。
「黎明」の意味は?
「黎明」には、次のような意味があります。
1. 夜明け。明け方。
2.新しい事柄が始まろうとすること。また、その時。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「黎明」
「黎明」とは「夜明け」「明け方」という意味ですが、具体的にはどのような時間帯なのでしょうか。
気象庁は一日を3時間毎に区切って表示しています。0~3時は未明、3~6時は明け方、6~9時は朝、9~12時は昼前、12~15時は昼過ぎ、15~18時は夕方、18~21時は夜の初めの頃、21~24時は夜遅く…このように8つの時間帯に区切っているのですが、これに当てはめると「明け方」にあたる「黎明」は午前3~6時。しかし気象庁が「黎明」をこの時間帯に定めても、私たちはまだ真っ暗な午前3時を「黎明(明け方)」とはいいませんよね。「黎明」とは太陽が昇る前、空の色が変わってくる頃を指します。
「夜明け」という意味から「新しい事柄が始まろうとすること」という意味ももつ「黎明」。日常生活では「資本主義経済の黎明期」のように「黎明期」という形で耳にすることが多い言葉です。
「黎明」の語源は?
次に「黎明」の語源を確認しておきましょう。
「黎」には」「黒」「暗い」「頃」といった意味があり、「明」には「明るい」「夜が明ける」という意味があります。「黎明」はこの二文字からできていますね。「夜が明ける頃という意味から黎明となった」「黒く暗い状態から明るくなるという意味から黎明となった」…「黎明」の語源はこのように言われています。
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