
屈地性
屈地性(くっちせい)は、重力を刺激源とする屈性。重力屈性ともよばれます。
重力の方向=地球の内部に向かっていくように動くのが正の屈地性、重力に逆らうように動くのが負の屈地性です。
植物の根には正の屈地性が、芽や茎には負の屈地性がみられます。
屈触性
物体の接触を刺激源とするのが屈触性(くっしょくせい)です。やはり、接触屈性という別の呼び方があります。

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屈触性の良い例が、巻きひげが棒などに巻き付く運動でしょう。エンドウやアサガオなどを育てると、まるで支柱を認識して掴むように巻きひげを伸ばし、植物体を支えながら上へと成長していくのがみられます。
巻きひげは「支柱を掴む」という意思をもっているわけではなく、巻きひげののびた先に何かが接触すると、それが刺激となって屈性が引き起こされ、巻き付くように成長するのです。
植物の運動を説明できるようになる
私たち人間のような動物とは違い、植物の運動には時間がかかるものが多く、意識しないと気が付かないようなものが大半です。でも、一度その運動に気づくと「脳も神経もない植物が、どうしてこんな動きをするんだろう」と不思議に思えてくるでしょう。
今回は、外部からの刺激によって引き起こされる植物の運動の一端をご紹介しましたが、実際にはまだ解明されていないメカニズムも多く残っています。興味をもたれた方、植物の運動の研究をしてみませんか?
イラスト使用元:いらすとや