この記事では、「レビュー」について解説する。

インターネットを見ていると、そこかしこに「レビュー」がある。そこに書いてある内容から、「レビュー」は「評価する」という意味だと思っていないか?あながち間違ってはいないが、実は「レビュー」にはもう少し踏み込んだ意味合いがある。

今回は仕事でISOに片足を突っ込んでいるライターのぷーやんを呼んです。「レビュー」の意味と使われ方について、説明してもらう。

ライター/ぷーやん

webライター歴6年。鍛えられた語彙と文章力は本業でも発揮され、社内ルールの書き換え担当に。10年来ISO9001の内部監査員を継続し、会社の活動をレビューし続けている。

「レビュー」の意味って?

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ECサイトなどの商品レビューから、「レビュー」は「評価する」という意味だと思われている方が多いではないでしょうか?ところが「レビュー」の意味は、辞書では次のように書かれています。

1 再調査。再検討。
2 批評記事。文芸・芸能などに関する評論。論評。また、評論雑誌。「ブック―」

出典:デジタル大辞泉(小学館) 「レビュー【review】」

上記の通り、実は「評価」そのものだけを指しません。しかし「再検討」と言われてもピンと来ないかもしれませんね。それでは、「レビュー」の語源や類義語から意味を追ってみましょう。

英単語「review」の外来語

「レビュー」の語源は「re(再び)」+「view(眺望・見通し・考え)」ですので、「再度の考え」=「再検討」と成り立ちます。

商品のレビューは、買うと決めたときの判断を、使ってみたあとで再検討しているということ。自分にとっての商品の良し悪しを記述することになりますので、「評価する」という意味合いも含まれてくるわけですね。なにかを「再び眺めてみること」をイメージすると、意味合いの輪郭をつかみやすいと思います。

「レビュー」の類義語

言葉の意味を正確につかむためには、類義語を調べることも重要なもの。「レビュー」の類義語としては、「批評」と「批判」が挙げられるでしょう。どちらも「あるものの価値を客観的に評価して述べる」という意味です。

違うのは「批判」がやや否定的なときに使われるのに対し、「批評」はより客観性が強いこと。この記事の後半で紹介しますが、ビジネスシーンでは「批判」寄りの目線で、商品などのカスタマーレビューでは「批評」の目線で「レビュー」をすることが重要です。

\次のページで「「レビュー」の使い方・例文」を解説!/

「レビュー」の使い方・例文

この項目の最後に、「レビュー」がどういった場面で使われるのか、例文を示します。

1.掃除機を買い替えようと思う。しかしなにを基準に選べばいいのかわからないので、ECサイトのレビューを参考にしようと思う。
2.今期はやけに修繕費が多く計上されて、全体的なコストアップにつながっている。設備の状態・作業方法・設備使用者のスキルを包括的にレビューして、来期は改善するように。

1.の「レビュー」は商品の評価・口コミのこと。もっともなじみのある使い方ですね。2.は製造業の年度末のシーンでしょうか。生産設備の運用方法に問題がなかったかの「再検討」という意味で「レビュー」を使っています。

日常生活での「レビュー」

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日頃の生活で一番よくみかける「レビュー」は、ECサイトやお店検索をしたときの「カスタマーレビュー」でしょう。これらはいいモノを選ぶためにとても便利ですが、注意しなければならないこともあります。

店舗選びのお供「カスタマーレビュー」

インターネット通販サイトや口コミサイトのカスタマーレビューを参考にすることが多い昨今。これらはたいてい点数と口コミがセットになっており、実際にモノを使った感想や、お店に行ったときの印象などはとても参考になりますね。

しかし、カスタマーレビューは商品の売り上げに貢献するので、売り手によって意図的に操作されていることがあります。作為的な情報を避けるためには、なにに気を付けたらよいのでしょうか?

\次のページで「サクラにご用心を!」を解説!/

サクラにご用心を!

「カスタマーレビュー」をみるときにもっとも注意するべきなのは、サクラの存在でしょう。サクラとは商品に極端な高評価をつける販売者の手先のことです。

例えば星(☆)による5段階評価で星5が飛び抜けてたくさんあるお店や商品は、サクラが紛れ込んでいる可能性が高いので要注意。いい商品を見分けるには、星5が1番多いことはもちろん「星4もそれなりに多くて星1はごく少数」を目印にするといいでしょう。

ビジネスでの「レビュー」

ビジネスシーンで「レビュー」する場合、「批判」的に見ることが大切であることは述べました。なぜかというと、よりよい製品やサービスをお客さんに提供するためには、今やっていることの問題点や課題をレビューによって見つけて、改善することが必要不可欠だから。ここではIT業界とISOを例に、ビジネスシーンでの「レビュー」を紹介します。

IT業界では何をすること?

IT業界では情報システムやソフトウェアを作り上げていく段階で、「レビュー」の登場です。ソフトなどの開発者とは別の人が、作られたものをこと細かに調べ上げます。そして、「お客さんの要求するものができているか」「不具合がないか」などを開発者にフィードバック(改善点の指摘)。このチェックからフィードバックまでが「レビュー」です。

ISOで言う「レビュー」って?

ISOとは簡単に言うと、「会社がこういう仕組みで業務を回せば、間違いないものができるよ」の「仕組み」を定めたものです。例えば「ISO9001認証」と書かれている工場を見たことがないでしょうか?9001は品質を意味しています。これを掲げている工場は、「品質について間違いない仕事をします」ということです。

ISOには様々な用語がありますが、その仕組みのルールを読むと、いたるところに「レビューしなければならない」と書かれています。品質や環境にいい仕事をするには日々の仕事の結果を見直して、常に改善を図っていく必要があるということですね。このことを示すために、「レビュー」という表現を用いています。

「レビュー」執筆の心得!

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さて、「『レビュー』とはなにか」を解説してきたところで、今度は自分がレビューをすることを想像してみてください。これまで述べてきたように、「レビュー」は商品の価値を評価して第3者に伝えたり、改善するべき問題点を提起したりすることです。

自分の意図したとおりに伝えられないと、商品のメーカーや自分の会社の上司が誤解して誤った方向に進んでしまうかもしれません。そこで最後に、「レビュー」を書く際の注意点をご紹介します。

\次のページで「「だれになにを言いたいか(目的)」を明確に!」を解説!/

「だれになにを言いたいか(目的)」を明確に!

まずは「レビュー」する目的をはっきりさせましょう。ビジネスの場合は先述した通り問題点の発見と改善です。したがって「レビュー」はテーマを管理する部署に遠慮なく悪いところを指摘して、改善を促したほうが効果的でしょう。

カスタマーレビューの目的は、同じ商品を買おうか悩んでいる人へのアドバイスや、商品などのいい点と悪い点をメーカーに発信することでしょう。前者であれば「批評的」に、後者であれば「批判的」にするほうがいいかもしれませんね。このように目的を明らかにしておくと、「レビュー」を受け取った側が「なにをすればいいのか」がわかりやすくなります。

「客観的」を意識して!

「レビュー」で発信する情報は、あまりに主観的だと相手にされません。情報を受け取った側が共感できる部分がないと、せっかくの「レビュー」も水の泡になってしまいます。とはいえ、音楽や映画などの鑑賞するものについては、自分の好き嫌いも大切な情報です。その場合、好きな理由・嫌いな理由も添えて発信するようにすると説得力が増します。

できるだけ「詳しく簡潔に」!

情報を正確に伝えるためには、詳細であることが必須です。ただし、無駄な言葉を極力省いてシンプルにエッセンスだけを載せましょう。5W1Hを意識することも有効です。

肩ひじ張らずに!

あまりにオーバーな表現や小難しいことばが並ぶと、読み手は疑わしく感じたり特殊な人の意見だと思ったりしてしまいます。誰にでも伝わる言い回しを選ぶようにしてください。ただし誤字脱字が多いとやはり信ぴょう性が疑われてしまうので、一度書いた文章のチェックはしたほうがいいです。

「レビュー」は成長や発展のために欠かせないこと

この記事では「レビュー」について、例文や書き方を解説しました。

「レビュー」は日常生活でも仕事においても、自分の周りの環境をよくするためにも必要なことです。自分自身についても、学生ならテスト結果の「レビュー」を、社会人の方なら自分の仕事の「レビュー」を心がけることで、成長を感じられるようになるかもしれません。

「レビュー」は一般的に言われる「P(計画)D(実行)C(確認)A(活動・改善)サイクル」の「C」に当たります。今やビジネスの世界ではPDCAは常識ですが、「C」はないがしろにされがちです。「レビュー」を意識することで、周囲より一つ抜き出ることができるかもしれませんよ。

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国語言葉の意味

「レビュー」とは?意味や使い方・例文・書き方の心得もISO内部監査員のwebライターがわかりやすく解説

この記事では、「レビュー」について解説する。

インターネットを見ていると、そこかしこに「レビュー」がある。そこに書いてある内容から、「レビュー」は「評価する」という意味だと思っていないか?あながち間違ってはいないが、実は「レビュー」にはもう少し踏み込んだ意味合いがある。

今回は仕事でISOに片足を突っ込んでいるライターのぷーやんを呼んです。「レビュー」の意味と使われ方について、説明してもらう。

ライター/ぷーやん

webライター歴6年。鍛えられた語彙と文章力は本業でも発揮され、社内ルールの書き換え担当に。10年来ISO9001の内部監査員を継続し、会社の活動をレビューし続けている。

「レビュー」の意味って?

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ECサイトなどの商品レビューから、「レビュー」は「評価する」という意味だと思われている方が多いではないでしょうか?ところが「レビュー」の意味は、辞書では次のように書かれています。

1 再調査。再検討。
2 批評記事。文芸・芸能などに関する評論。論評。また、評論雑誌。「ブック―」

出典:デジタル大辞泉(小学館) 「レビュー【review】」

上記の通り、実は「評価」そのものだけを指しません。しかし「再検討」と言われてもピンと来ないかもしれませんね。それでは、「レビュー」の語源や類義語から意味を追ってみましょう。

英単語「review」の外来語

「レビュー」の語源は「re(再び)」+「view(眺望・見通し・考え)」ですので、「再度の考え」=「再検討」と成り立ちます。

商品のレビューは、買うと決めたときの判断を、使ってみたあとで再検討しているということ。自分にとっての商品の良し悪しを記述することになりますので、「評価する」という意味合いも含まれてくるわけですね。なにかを「再び眺めてみること」をイメージすると、意味合いの輪郭をつかみやすいと思います。

「レビュー」の類義語

言葉の意味を正確につかむためには、類義語を調べることも重要なもの。「レビュー」の類義語としては、「批評」と「批判」が挙げられるでしょう。どちらも「あるものの価値を客観的に評価して述べる」という意味です。

違うのは「批判」がやや否定的なときに使われるのに対し、「批評」はより客観性が強いこと。この記事の後半で紹介しますが、ビジネスシーンでは「批判」寄りの目線で、商品などのカスタマーレビューでは「批評」の目線で「レビュー」をすることが重要です。

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