この記事では「バッファ」について解説する。

端的に言えばバッファの意味は「衝撃を和らげるクッション材」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

元予備校校舎長で教育系ライターのみゆなを呼んです。一緒に「バッファ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/みゆな

元大手予備校校舎長、現在は学習・教育系ライター。国語、特に現代文の指導経験が豊富。難解な言葉や表現を中高生がスラスラ理解できるように解説するのが大得意。

「バッファ」の意味や語源・使い方まとめ

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「バッファ」は英語の「buffer」から派生したカタカナ語です。「バッファー」と語尾を伸ばして使われることもありますが、多くのシーンでは「バッファ」と表記されます。ビジネスシーン、特にIT企業やベンチャー・スタートアップ企業で登場する頻度が高いようです。それは「バッファ」がもとはIT用語だったことに由来します。

「なんとなく使っているけれど、正しい使い方ができているか自信がない」、「上司に言われたが、どんな意味だろう」ということはありませんか。「バッファ」の正しい意味や語源・使い方を確認し、適切に使いこなせるようになりましょう。

「バッファ」の意味は?

「バッファ」の元になっている英語の「buffer」には、次のような意味があります。

◆名詞として、
1.(鉄道車両などの)緩衝器[装置]
2.緩衝物
3.緩衝国
4.【電子計算機】 バッファー

◆動詞として、
1.〈衝撃などを〉やわらげる,緩和する
2.…の〉緩衝物となる。〈子供などを〉〔…から〕守る,かばう

出典:新英和中辞典(研究社)「buffer」

意味を見るとわかるように、2つの物(人・国など)の間にはいり「緩衝」の役割を果たすものを指す言葉が「buffer」です。「緩衝」とは衝突の衝撃を和らげることや、その作用を起こす物を表します。衝突するものは物でも人でも、あるいは国や会社の場合も構いません。

人と人や組織と組織の「衝突」を予め想定し「避ける」ためには、ゆとりのあるスケジュールや配慮が大切です。このことからスケジュールや納期、予算などに「余裕を持たせる」という意味合いも登場しました。

また転じて、IT業界において「コンピューターでデータを受け渡しする場合の一時的な記憶場所・保存領域」を意味するようになりました。物理的なメモリのようなものです。「データを保存する余白」をバッファといい、これがあることで「機能や情報処理が衝突」することを避けられることからきています。

「バッファ」の使い方・例文

「バッファ」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は主に、ビジネスシーンや人間・組織・国際関係、IT用語の3つの場面でよく登場します。日本語で使う際は「バッファを持つ・持たせる」、あるいは「バッファがある・ない」という表現になることにも気をつけましょう。

\次のページで「「バッファ」の類義語は?違いは?」を解説!/

1.A社は納期が遅れがちだ。サポートのスケジュールにはバッファを持たせておいてくれ。
2.Bさんが入社してから、C課長とD部長の関係が良くなりましたね。Bさんがバッファになってくれていますね。
3.データベースのバッファが足りないようだ。朝から全く印刷が進まなくて困っている。

例文1は「納期が遅れがちのA社に対応するために、スケジュールには予め余裕を持たせておくように」という上司の指示ですね。仕事の場においては、「スケジュールに余裕・ゆとりを持たせる」という意味でよく登場します。「バッファ」のある計画を立てておけば、トラブルがあっても対応でき安心です。

例文2は「BさんがC課長とD課長の人間関係を取り持ってくれたおかげで、両者の関係がよくなってきた」という意味を表します。「バッファ」は2者の間で意見や主張の対立を和らげるクッション材の意味も持つのです。人と人だけではなく、会社・組織同士、あるいは国同士の規模にまで使えます。

例文3は「印刷のためにデータを一時保存する領域が足りず、印刷が進まない」という意味です。「一時的なメモリ」と解釈すると、分かりやすいかもしれません。データの入力と保存など、処理速度や転送速度の差を補うために使用されるものを指します。

「バッファ」の類義語は?違いは?

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「バッファ」は2者の間に入って衝撃を和らげるクッションの役割や、IT用語でデータの一時保存領域を指すことが分かりました。「バッファ」には類義語はあるのでしょうか?見てみましょう。

その1「余裕、余白」

意味の項目で解説したように、「バッファ」にはスケジュールや計画に余裕やゆとりを持たせるという意味があります。意味でもある「余裕」は、そのまま「バッファ」の類語として使用可能。余裕のあるスケジュールを組むことは、時間や仕事量に「空き」がないとできませんね。この「空き」に注目すると、「余白」も類語になることがわかります。

また同じように意味に注目すると「予備」「余力」「余地」も使えるでしょう。

その2「仲介役、調停役」

2者の間に入って、対立を和らげるクッションになるという意味での類語は「仲介役、調停役」と言うことができます。人間社会においては意見の相違や対立は避けられないもの。そんな時に間に入り、調整したり関係修復の役割を担ってくれるのが「バッファ」です。

\次のページで「「バッファ」の対義語は?」を解説!/

「バッファ」の対義語は?

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「バッファ」の対義語は、日本語にも英語にも残念ながらありません。また「バッファをとらない」「バッファをなくす」という表現も使われません。どうしても反対の意味を表したい場合は、反対の意味で文章を書くと良いでしょう。

英語の「buffer」の意味

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「バッファ」の英訳は「buffer」です。英語の「buffer」は日本語より意味が幅広く自由度の高い言葉で、英語ならではの面白い意味があります。いくつかご紹介しましょう。

その1「何かしらの悪影響を受けることから守る人や事」

「buffer」には想定される悪影響から守るために何かを配置したり、予防のための行動を起こしたりすることを表す意味があります。株価の動きから暴落を予想し予め売っておく、工場建設が決まったため騒音を避けるために引っ越しをするなどの場合が該当しますね。

There is a green tract of land used as a buffer against both industrial pollution and accidents.
「公害や工場災害による被害を防ぐために設ける緑地があそこにある。」

その2「余分」

「buffer」には余裕とはニュアンスが異なる「余分」という意味もあります。工場の余剰在庫や、必要以上に多めに見積もって用意しておくことなどですね。

\次のページで「その3「中和する」」を解説!/

Our boss suggested us that we have to kepp the state of setting a buffer stock aside for the purpose of stabilizing supply and prices.
「上司は私たちに供給と価格の安定を図るために、商品を常に備蓄しておくことを指示した」

その3「中和する」

理科の化学反応の際に登場する「中和」も「buffer」で表せるのです。元々は水溶液の性質(酸性、中性、アルカリ性)を示すpHの衝撃を緩和する液体「緩衝液」を指すのですが、性質を「中和する」という意味でも用いられます。ビジネスシーンではあまり使うことはありませんが、知っておくと話のタネになるかもしれませんね。

「バッファ」を使いこなそう

この記事では「バッファ」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「バッファ」の基本的な意味は「余裕やゆとり」でした。スケジュールの「バッファ」も、IT用語としての「バッファ」もすべてこの意味から派生したものです。意味が分かりにくかったり、沢山ありすべて覚えきれない場合は、コアとなる1つの意味だけを覚え、場面によって解釈を加えることでスムーズな意思疎通を助けてくれますよ。

IT業界では頻繁にみかける単語ですが、日常生活では通じにくいもの。相手の理解度に応じて使いわけてみましょう。

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国語言葉の意味

「バッファ」の意味や使い方は?例文や類語を元予備校校舎長がわかりやすく解説!

この記事では「バッファ」について解説する。

端的に言えばバッファの意味は「衝撃を和らげるクッション材」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

元予備校校舎長で教育系ライターのみゆなを呼んです。一緒に「バッファ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/みゆな

元大手予備校校舎長、現在は学習・教育系ライター。国語、特に現代文の指導経験が豊富。難解な言葉や表現を中高生がスラスラ理解できるように解説するのが大得意。

「バッファ」の意味や語源・使い方まとめ

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「バッファ」は英語の「buffer」から派生したカタカナ語です。「バッファー」と語尾を伸ばして使われることもありますが、多くのシーンでは「バッファ」と表記されます。ビジネスシーン、特にIT企業やベンチャー・スタートアップ企業で登場する頻度が高いようです。それは「バッファ」がもとはIT用語だったことに由来します。

「なんとなく使っているけれど、正しい使い方ができているか自信がない」、「上司に言われたが、どんな意味だろう」ということはありませんか。「バッファ」の正しい意味や語源・使い方を確認し、適切に使いこなせるようになりましょう。

「バッファ」の意味は?

「バッファ」の元になっている英語の「buffer」には、次のような意味があります。

◆名詞として、
1.(鉄道車両などの)緩衝器[装置]
2.緩衝物
3.緩衝国
4.【電子計算機】 バッファー

◆動詞として、
1.〈衝撃などを〉やわらげる,緩和する
2.…の〉緩衝物となる。〈子供などを〉〔…から〕守る,かばう

出典:新英和中辞典(研究社)「buffer」

意味を見るとわかるように、2つの物(人・国など)の間にはいり「緩衝」の役割を果たすものを指す言葉が「buffer」です。「緩衝」とは衝突の衝撃を和らげることや、その作用を起こす物を表します。衝突するものは物でも人でも、あるいは国や会社の場合も構いません。

人と人や組織と組織の「衝突」を予め想定し「避ける」ためには、ゆとりのあるスケジュールや配慮が大切です。このことからスケジュールや納期、予算などに「余裕を持たせる」という意味合いも登場しました。

また転じて、IT業界において「コンピューターでデータを受け渡しする場合の一時的な記憶場所・保存領域」を意味するようになりました。物理的なメモリのようなものです。「データを保存する余白」をバッファといい、これがあることで「機能や情報処理が衝突」することを避けられることからきています。

「バッファ」の使い方・例文

「バッファ」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は主に、ビジネスシーンや人間・組織・国際関係、IT用語の3つの場面でよく登場します。日本語で使う際は「バッファを持つ・持たせる」、あるいは「バッファがある・ない」という表現になることにも気をつけましょう。

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