
端的に言えば、綻びるの基本の意味は「縫い目がほどける」ことですが、それ以外にも「つぼみが開く」や「表情がやわらぐ」など、さまざまな意味がある。源氏物語にも「綻びる」という言葉は使われているぞ。
日本放送作家協会会員でWebライターのユーリを呼んです。一緒に「綻びる」の意味や例文、類義語などを見ていきます。

ライター/ユーリ
日本放送作家協会会員。シナリオ、エッセイをたしなむWebライター。時代によって変化する言葉の面白さ、奥深さをやさしく解説する。
「綻びる」の意味
さっそく辞書で「綻びる」の意味をチェックしましょう。
1 縫い目などがほどける。
2 花の蕾 (つぼみ) が少し開く。咲きかける。
3 表情がやわらぐ。笑顔になる。
4 隠していた事柄や気持ちが隠しきれずに外へ現れる。
5 鳥が鳴く。さえずる。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「綻びる」
「綻びる」は「ほころびる」と読みます。意味は「衣服などの縫い目がほどける」ことです。縫い目がほどけると少し開いてすき間ができますね。「綻びる」には「花のつぼみが少し開いて咲きかける」という意味もあります。緊張が解けて笑顔になるとき、それまでギュッと閉じていた口元が開きますね。そこから「表情がやわらぐ」「笑顔になる」の意味でも使われるようになりました。
さらに、ほどけて開いたところから何かが外へ現れることから「隠していた事や気持ちが露見する」という意味あいもあります。あまり使うことはないかもしれませんが、「鳥がさえずる」ことも「綻びる」といいますよ。
「綻びる」の例文
次に「綻びる」の例文を見ていきましょう。
1.彼はいつもお気に入りの同じシャツばかり着るので、袖口が綻びてしまった。
2.今年は例年より気温が高く、ここ数日晴天が続いたせいもあって、桜の花がいっせいに綻びかけた。
3.それまで口を真一文字に結んでいた少女だったが、兄の姿を見つけて思わず顔が綻んだ。
4.上層部は事実をひた隠しにしていたが、思わぬところに綻びが生じて、社員全員が真実を知ることになった。
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