国語言葉の意味

「反芻」の意味や使い方は?例文や類語を日本語研究家が解説!

よお、ドラゴン桜の桜木建二だ。この記事では「反芻」について解説する。

端的に言えば反芻の意味は「繰り返しよく考える」だが、語源やもっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

博士(文学)で日本語の研究をしている船虫堂を呼んだ。一緒に「反芻」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/船虫堂

博士(文学)。日頃から日本語と日本語教育に対して幅広く興味と探究心を持って生活している。生活の中で新しい言葉や発音を収集するのが趣味。ホットミルクは少し甘くしたい派。

「反芻」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「反芻(はんすう)」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。「反芻」とは、もともとは牛や鹿などの草食動物の摂食、消化に関わる用語ですが、そこから転じて「繰り返しよく考える」という意味で使われています。この「繰り返し」というニュアンスは、原義である動物の消化のしくみから来ているのです。

「反芻」の意味は?

では早速、「反芻」の意味を辞書の記述から確認していきましょう。今回は、ニッコクこと『精選版 日本国語大辞典』を参照します。「反芻」の意味は以下の通りです。

反芻(はん-すう)

〘名〙
① 一度のみこんだ食物を、しばらくたってからふたたび口腔にもどしてかみ、再びのみこむこと。植物性食物を常食とする哺乳類のうち、胃が複雑に区分された反芻胃をもつ反芻類(ウシ・シカなど)でみられる。
※途上(1932)〈嘉村礒多〉「嚥み込んだ食べものを口に出して反芻する見苦しい男の癖に」
② 繰り返して、よく味わったり、考えたりすること。
※遣唐船(1936)〈高木卓〉五「盛唐の栄華を楽しく反芻(ハンスウ)しつつ」
 
出典: 精選版 日本国語大辞典(小学館)

辞書の記述にあるように、「反芻」は、もともとは牛や鹿に代表される(羊やキリンなども)「反芻類」に属する草食動物の消化の様式を表す言葉でした。

それが転じて、動物が食べたものを「反芻」するように、物事を「繰り返し」考えるという意味で使われるようになったわけです。

「反芻」の語源は?

「物事を繰り返し考える」という意味の「反芻」は、前述の通り草食動物の消化のしかたが語源です。

「反芻類」に属する動物は、消化器官が独自の発達を遂げた結果複数の胃を用いて長い時間をかけて昇華をするというしくみを得ました。一度飲み込んだエサである植物を前胃と呼ばれる手前にある胃で分解・発酵(微生物が介在します)させたのち、口に戻して咀嚼(そしゃく。噛むこと)して、その際に分泌される唾液と混ぜ、再度飲み込んで奥の方の胃に送るというプロセスで食べたものから栄養素を取り込んでいるのです。

「咀嚼」という言葉も本来の意味から転じて「よく考えて理解する」という意味がありますから、動物が何度も食物を咀嚼するように物事を繰り返し考えるという意味が生じたと考えられます。

草食動物の消化の過程である「咀嚼」と「反芻」がどちらも「考える」ことに関連する語として使用されているのは興味深いですね。

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