この記事では「ご高配」について解説する。

端的に言えばご高配の意味は「取り計らい」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

接客業で鍛えられた語学力を持つAYAを呼んです。一緒に「ご高配」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/AYA

長年接客業で培った「正しい敬語」を武器に、新人教育の経験も豊富なライターAYAが「ご高配」について読み方から使い方、よくある読み間違いも含めて、分かりやすく解説していく。

「ご高配」の意味や語源・使い方まとめ

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普段の生活では、ほとんど耳にすることがない「ご高配」という言葉。どのようなシーンで使うのでしょうか。

それでは早速「ご高配」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「ご高配」の意味は?

「ご高配」には、次のような意味があります。

1.他人を敬って、その心配りをいう語。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「高配」

「ご高配」とは、「ごこうはい」と読み「他人を敬って、その心配りをいう語」の意。耳にする機会は少なくても、メールや文書の挨拶として見たことある人は多いかと思います。定型表現として使われているので、さらりと読み流してもあまり困らない言葉ですよね。ですが、この言葉には相手の心遣いに感謝の気持ちが込められているのです。「ご高配」という言葉は口語で使われる事はほとんどなく、普段から関わりがある人に向けて文語で使う言葉ですよ。

「ご高配」の語源は?

次に「ご高配」の語源を確認しておきましょう。「ご高配」は、まず漢字のまま訳すと「高」は「高い」、「配」は「配る、並べる」、その2つを組み合わせて「高いところに並べる」になりますね。「高いところ」はここでは「身分が高い」ことを表し、「良い立場に置いてくれている」から転じて「私をよく扱ってくれる」というのが語源になります。もっと簡単に言うと「いつも良くしてくれてありがとう」を、最上級に丁寧な言い方をしているのですね。

\次のページで「「ご高配」の使い方・例文」を解説!/

「ご高配」の使い方・例文

「ご高配」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
2.今後とも変わらぬご高配を賜りますようお願い申し上げます。
3.これもひとえに皆様のご支援・ご高配のおかげでございます。

3つの例文を挙げてみました。

例文1と2は、挨拶の定型表現になりますよ。例文1は冒頭によく使われていますね。「いつも特別に目をかけていただきありごとうございます。」といった意味で、日頃の感謝の意を示していますね。例文2も同じ意味合いで、文章の締めとして「今後も変わらぬお付き合いをお願いします。」といった意味で使われていますよ。例文3は講演会などの支援者が集まるシーンなどで使える口語を挙げてみました。

すべて日頃の心配りやお付き合いに感謝の気持ちが、しっかりと込められていますね。

「ご高配」の類義語は?違いは?

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気遣いに感謝をしている事を表す「ご高配」と、似た言葉を探してみましょう。

「ご配慮」

「ご配慮」は「ごはいりょ」と読み、意味は「心を配ること・良い関係になるように他人や他のことに対して気を配ること」となっていますよ。「相手の心配り」が「ご高配」で、「相手に対して心配りをする」のが「配慮」です。そして「ご高配」は、自分の事に対しては使いませんが、「ご配慮」は自分が気を配る時にも使う事ができるので、使える場面はご高配より多くなってきますね。例えば自分に対してもこのように使う事ができます。

\次のページで「「ご愛顧」」を解説!/

「この度はこちらの配慮が足りずに、ご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。」

「ご愛顧」

「ご愛顧」は「ごあいこ」と読み、「贔屓してくれた相手に感謝すること」の意。「ご愛顧」の「顧」には「心をその方に向ける・心にかける」という意味があり、「愛情を持って心にかける」から「ご愛顧=贔屓にしてくれる」といった解釈になりますよ。意味はほとんど同じですが、「ご高配」が「心配り」で「ご愛顧」が「贔屓にすること」となり、「ご高配」は文面の冒頭に使われる事が多く「ご愛顧」は文末に使用する例が多いですね。

「平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます」から文章が始まり、締めの言葉として「今後とも何卒倍旧のご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。」と二つの言葉を併用することも可能ですよ。

「ご高配」の対義語は?

次に「ご高配」の反対を意味する言葉は、どんなものがあるでしょう。

「ご高配」という言葉には、明確な対義語は存在しません。反対の意味で考えると「相手に心配りしない・特別な贔屓はしない」といった感じでしょうか。そこから連想出来る言葉として「無配慮」がしいて言うなら対義する言葉になりますね。

「ご高配」の英訳は?

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「ご高配」は英語にするとどんな表現になるのでしょうか。日本語独特の表現なので難しい反面、色んな言い回しができそうですね。では、一緒に見ていきましょう。

「support」

「ご高配」という英単語はないので、近いニュアンスで「support」が使われています。「support」は「手助け」という意味で、「kindness(親切)」に言い換えることも出来ますよ。日本語の敬語を英語で表現したい時は「Thank you」をつけると感謝の気持ちは伝わりますよ。

「Thank you for your continued support.(ご高配を賜りありがとうございます。」

一つ例文を挙げてみました。

「Thank you for」でありがとうの感謝の意、「your continued support」で「あなたからの継続的な支援=日頃のご高配」の意になりますよ。この「support 」を「kindness」に置き換えても同じ意味になりますね。

「ご高配」を使いこなそう

この記事では「ご高配」の意味・使い方・類語などを説明しました。少しおさらいをしてみましょう。

「ご高配」とは、「相手の気遣いに対して感謝の気持ちを表す」言葉なので「賜る」などの表現とセットで使い、普段から関わりのある人に向ける言葉で、初対面の人などに用いるのはふさわしくないですね。また自分より立場が上の人に使う敬語表現で、自分に対しては使わないようにしましょう。

「ご高配」という言葉はとても素敵な意味を持っています。このポイントを押さえて、ビジネスシーンや大切なお付き合いをしている方へどんどん活用して、感謝の気持ちを伝えられるような人になりたいですね。

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国語言葉の意味

【慣用句】「ご高配」の意味や使い方は?例文や類語を読書好きWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「ご高配」について解説する。

端的に言えばご高配の意味は「取り計らい」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

接客業で鍛えられた語学力を持つAYAを呼んです。一緒に「ご高配」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/AYA

長年接客業で培った「正しい敬語」を武器に、新人教育の経験も豊富なライターAYAが「ご高配」について読み方から使い方、よくある読み間違いも含めて、分かりやすく解説していく。

「ご高配」の意味や語源・使い方まとめ

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普段の生活では、ほとんど耳にすることがない「ご高配」という言葉。どのようなシーンで使うのでしょうか。

それでは早速「ご高配」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「ご高配」の意味は?

「ご高配」には、次のような意味があります。

1.他人を敬って、その心配りをいう語。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「高配」

「ご高配」とは、「ごこうはい」と読み「他人を敬って、その心配りをいう語」の意。耳にする機会は少なくても、メールや文書の挨拶として見たことある人は多いかと思います。定型表現として使われているので、さらりと読み流してもあまり困らない言葉ですよね。ですが、この言葉には相手の心遣いに感謝の気持ちが込められているのです。「ご高配」という言葉は口語で使われる事はほとんどなく、普段から関わりがある人に向けて文語で使う言葉ですよ。

「ご高配」の語源は?

次に「ご高配」の語源を確認しておきましょう。「ご高配」は、まず漢字のまま訳すと「高」は「高い」、「配」は「配る、並べる」、その2つを組み合わせて「高いところに並べる」になりますね。「高いところ」はここでは「身分が高い」ことを表し、「良い立場に置いてくれている」から転じて「私をよく扱ってくれる」というのが語源になります。もっと簡単に言うと「いつも良くしてくれてありがとう」を、最上級に丁寧な言い方をしているのですね。

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