この記事では「リファレンス」について解説する。

端的に言えばリファレンスの意味は「参照」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

国立大で国語学を学んだライターのタケルを呼んです。言葉の解説を得意としていて、大学時代はクイズサークルに所属していたので雑学にも詳しい。一緒に「リファレンス」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/タケル

某国立大で日本語学を専攻。そういえば、自分ではリファレンスを依頼したことがない。リファレンスを扱う関係部署にもいなかった。しかし、文章はいくらでも書けるので、頼まれれば用意はできる。

「リファレンス」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「リファレンス」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「リファレンス」の意味は?

「リファレンス」には、次のような意味があります。

《「レファレンス」とも》

1.参照。照会。照合。「リファレンスブック」
2.図書館の参考調査係。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「リファレンス」

リファレンス」の大まかな意味は「参考、参照、照会」です。何らかの情報を見て参考にしたり照らし合わせたりするという意味があります。しかし、「リファレンス」はいろいろな場面で使われていますので、もっと細かな説明が必要でしょう。

まず、辞書の2にある通り、図書館で「リファレンス」が使われます。探したい本があるときに助けとなるのは「リファレンスサービス」ですし、それをしてくれる係の人はそのまま「リファレンス」です。

さらに、IT業界は「リファレンス」なくして成り立たないと言っていいでしょう。「仕様書」「定数や関数などを参照すること」「互換性をチェックするための標準的なハードウェア」はすべて「リファレンス」と呼びます。さらに、「リファレンスコード」(標準となるソースコード)や「リファレンスアーキテクチャ」(運用実績のあるシステム構成をまとめたもの)など、ITにおいては「リファレンス」は頻出の言葉です。

「リファレンス」の語源は?

次に「リファレンス」の語源を確認しておきましょう。

「再び」という意味の接頭辞「re」と「運ぶ」という意味の動詞「fer」、それに動詞を名詞化させる接尾辞「ence」が合わさったものです。再び運ぶという意味が「確認する、照合する」などの意味に派生しました。

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「リファレンス」の使い方・例文

「リファレンス」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.県立図書館は広いので、リファレンスがないと本がなかなか見つからない。
2.新薬を扱うには慎重さが求められるため、リファレンスにはよく目を通すべきだ。
3.外資系企業にヘッドハンティングされたが、転職する前に念のためリファレンスの提出を求められた。

例文1が、前述した図書館で使われる「リファレンス」です。本探しを手伝う人を「リファレンス」と言いますし、本探しを手伝う「リファレンスサービス」も単に「リファレンス」と呼ぶことがあります。

例文2のような医療の場も、「リファレンス」抜きに語れません。医学に関する文献を「リファレンス」と言いますし、「リファレンスセンター」(医学を研究する施設)や「診断リファレンス」(診断するために参考にする資料)などとも使われます。

ビジネスの場で「リファレンス」を耳にすることが多いのは、就職活動の時でしょう。日本では、外資系企業が中途採用する際に、採用しようとする人に対して「リファレンス」の提出を求めることがあります。現職(あるいは前職)の上司に頼んで、その人の評価をまとめてもらわなければなりません。それらが記された書類を「リファレンス」と呼び、この「リファレンス」の内容を精査することを「リファレンスチェック」と言います。

「リファレンス」の類義語は?違いは?

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ところで、「リファレンス」の類義語は何でしょうか。違いとともに見ていきましょう。

「コンサルテーション」

コンサルテーション」は、「相談、協議」や「専門家の診断を受けること」という意味があります。企業などに対して解決策を示して発展を助ける業務を「コンサルティング」と呼びますので、それで「コンサルテーション」という言葉のイメージをつかめるのではないでしょうか。

「リファレンス」も「コンサルテーション」も「問い合わせる」という意味では同じです。しかし、「リファレンス」が書類などを通して参考にすることが多いのに対して、「コンサルテーション」は人を介して意見を聞くという違いがあります。たとえば「リファレンスナンバー」は型番や予約番号のことなので、目で見て確認しなければいけません。対して「コンサルテーション」には、コンサルタントという業務を仲介する人がいます。2つの言葉には、手がかりとなるものに違いがあるのです。

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「リファレンス」の対義語は?

さらに「リファレンス」の対義語も見ていきましょう。

「リザルト」

「リファレンス」は「照会する」という意味です。その対となるものは、照会して得たもの、つまり「検索結果」などとなります。その中でも、「リファレンス」と同じカタカナ語で対義語としてふさわしいのは「リザルト」でしょう。

「リザルト」は「結果、結末」という意味があります。集計結果やスポーツの勝敗なども「リザルト」です。結果全般のことは「リザルト」という言葉で表せますので、対義語としては広く使えるのではないでしょうか。

「リファレンス」の英訳は?

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念のため「リファレンス」の英訳も確認しておきましょう。

「reference」

「リファレンス」は英語でも「reference」です。この「reference」ですが、日本で使われている「リファレンス」よりも広い意味があります。

「照合」や「参照」は日本でも使う意味ですが、他にも「言及」「関連」「委託」「証明書」「推薦状」「身元保証人」など、挙げていくときりがありません。日本では「リファレンス」が少し狭い意味で使われているのとは対照的です。

「リファレンス」を使いこなそう

この記事では「リファレンス」の意味・使い方・類語などを説明しました。

自らの知識や経験を頼りに行動することは素晴らしいことです。自分に自信があるということは、どんなに頼もしいことでしょう。しかし、物事にはミスが許されない、より慎重なふるまいを求められることがあります。その場合には第三者の客観的な正しい判断が必要です。そんな時こそ「リファレンス」に託すべきではないでしょうか。自分の意志や判断も大事ですが、多くの人の英知が詰まった「リファレンス」は参考になるはずです。

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国語言葉の意味

「リファレンス」の意味や使い方は?例文や類語を雑学大好きwebライターがわかりやすく解説!

この記事では「リファレンス」について解説する。

端的に言えばリファレンスの意味は「参照」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

国立大で国語学を学んだライターのタケルを呼んです。言葉の解説を得意としていて、大学時代はクイズサークルに所属していたので雑学にも詳しい。一緒に「リファレンス」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/タケル

某国立大で日本語学を専攻。そういえば、自分ではリファレンスを依頼したことがない。リファレンスを扱う関係部署にもいなかった。しかし、文章はいくらでも書けるので、頼まれれば用意はできる。

「リファレンス」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「リファレンス」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「リファレンス」の意味は?

「リファレンス」には、次のような意味があります。

《「レファレンス」とも》

1.参照。照会。照合。「リファレンスブック」
2.図書館の参考調査係。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「リファレンス」

リファレンス」の大まかな意味は「参考、参照、照会」です。何らかの情報を見て参考にしたり照らし合わせたりするという意味があります。しかし、「リファレンス」はいろいろな場面で使われていますので、もっと細かな説明が必要でしょう。

まず、辞書の2にある通り、図書館で「リファレンス」が使われます。探したい本があるときに助けとなるのは「リファレンスサービス」ですし、それをしてくれる係の人はそのまま「リファレンス」です。

さらに、IT業界は「リファレンス」なくして成り立たないと言っていいでしょう。「仕様書」「定数や関数などを参照すること」「互換性をチェックするための標準的なハードウェア」はすべて「リファレンス」と呼びます。さらに、「リファレンスコード」(標準となるソースコード)や「リファレンスアーキテクチャ」(運用実績のあるシステム構成をまとめたもの)など、ITにおいては「リファレンス」は頻出の言葉です。

「リファレンス」の語源は?

次に「リファレンス」の語源を確認しておきましょう。

「再び」という意味の接頭辞「re」と「運ぶ」という意味の動詞「fer」、それに動詞を名詞化させる接尾辞「ence」が合わさったものです。再び運ぶという意味が「確認する、照合する」などの意味に派生しました。

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