この記事では「ご用命」について解説する。

端的に言えばご用命の意味は「用事を命じる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

接客業で鍛えられた語学力を持つAYAを呼んです。一緒に「ご用命」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/AYA

長年接客業で培った「正しい敬語」を武器に、新人教育の経験も豊富なライターAYAが「ご用命」について読み方から使い方、よくある読み間違いも含めて、分かりやすく解説していく。

「ご用命」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「ご用命」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「ご用命」の意味は?

「ご用命」には、次のような意味があります。

1.用事を言いつける
2.注文する

出典:デジタル大辞泉(小学館)「ご用命」

「ご用命」は「ごようめい」と読みます。漢字の通り「用事を命じる」または「注文する」という意味。「用命」に尊敬の意を表す接頭語の「ご」をつけて敬語化している言葉です。この言葉の面白い所は、「ご用命」は敬語ですが使う時は謙譲表現をするという点。そして目上の人が格下の人にのみ用いるというルールがあります。また自分発信では「ご用命」はしないのが基本になっていますよ。もう一つ「ご用命」には「注文する」という意味もありますよ。ビジネスシーンにおいて「取引している商品などの注文を受ける」といった意味になります。

なかなかややこしい言葉ですよね。端的に言うと「ご用命」という言葉は「相手の動作に対してこちらが受け身で使う言葉」ということになりますよ。

「ご用命」の使い方・例文

「ご用命」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

\次のページで「「ご用命」の類義語は?違いは?」を解説!/

1.何かございましたらいつでもご用命ください。
2.新商品のご用命は24時間承っております。
3.ご用命いただきました件は間もなく商品化の予定です。

3つの例文を挙げてみました。例文でも分かる通り「ご用命」という言葉は、主にビジネスシーンで使われますよ。例文の一つ目は、1番よく聞くフレーズではないでしょうか。「何かありましたら何なりとお申し付け下さいね。」という意味になります。飲食店や宿泊施設などでスタッフがお客様に言う言葉ですね。例文の二つ目は、「新商品のご注文に関しては24時間受け付けますよ。」という「注文を受ける」意味になりますね。例文三つ目は、「命令された用事(この場合開発を依頼された品)は、間もなく商品化いたします。」といった意味で使われていますよ。

いかがでしょうか?全て自分発信ではなく、尊敬語だけど使う時は謙譲表現をして、受け身で用いていますね。

「ご用命」の類義語は?違いは?

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「ご用命」の類義語は、どんな言葉があるでしょうか。一緒に見ていきましょう。

「ご入用」

「ご入用」「ごいりよう」と読みます。意味は「用事のために必要な事」で、簡単に言うと「何か必要な事はありますか?」といった意味になりますよ。また「必要な費用」という意味もあり、「来月は何かと入用で」などと使います。

二つの違いは「ご用命」が「命令する・言いつける」のに対して、「ご入用」は「必要な事かあれば」「物・費用」と限定性がある事ですね。そしてこの二つの言葉は併用可能なので、「ご入用なことがございましたら、いつでもご用命ください」と使う事ができるのです。

「申しつける」

「申しつける」とは、目上の人が目下の人に要件を言い渡すこと。「お申し付け下さい」というフレーズがよく使われますが、「ご用命」と同じく「申しつける」という言葉自体は謙譲語ですが、「お~ください」とつけると敬語表現に変化しますよ。「ご用命」は主にメールなど文語で用いますが、「申しつける」口語が多いのが特徴です。そして「ご用命」ほど畏まった表現ではないので、上司や取引先など普段よく関わっている人へ使える言葉ですね。

\次のページで「「ご用命」の対義語は?」を解説!/

「ご用命」の対義語は?

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「ご用命」という言葉には、対義語は存在しません。ですが「用命」が持つ意味から対義する言葉を紹介します。

「受託」

「ご用命」には「注文する」という意味がありましたね。その「注文する」の対義する言葉として「仕事の注文などを受ける」=「受託」が当てはまりますよ。「受託」とは、「依頼された仕事を引き受ける」といった意味があります。ただし完成物や成果物を納品する義務はないので、あくまで「業務を引き受ける」の意味になりますね。「ご用命」は受ける内容に制限はないので、「受託」よりも幅広く使える言葉になってますよ。

「ご用命」の英訳は?

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「ご用命」は、英訳すると何になるのでしょうか。一緒に見ていきましょう。

「order」

「ご用命」の英訳は、「注文する」の英語表現の「order」で表現できますよ。前出の日本語例文を英訳してみたので見ていきましょう。

1.「Please order anytime if there is anything.」(何かございましたらいつでもご用命ください。)

2.「We accept orders for new products 24 hours a day.」(新商品のご用命は24時間承っております。)

3.「The item you ordered will be commecialized soon.」(ご用命いただきました件は間もなく商品化の予定です。)

例文1は、直訳すると「お役に立てる事があればいつでも言ってください」という意味になります。「there is anything~」が「何かあれば」という意味になりますよ。例文2は、「私達は新商品の注文を24時間いつでも受け付けます」の意味になります。「assept orders」が「注文を受入れる」に当たる言葉になりますね。例文3は、「あなたからの依頼の件(品)」という表現で「The item you ordered」と表していますよ。

\次のページで「「ご用命」を使いこなそう」を解説!/

「ご用命」を使いこなそう

この記事では「ご用命」の意味・使い方・類語などを説明しました。もう一度ポイントを押さえておさらいしてみますね。

「ご用命」とは、「用事を命じる・注文する」の意。目上や顧客を相手に使い、こちらは受け身の立場で使うので「ご用命ください」「ご用命賜る」となり、自分が注文する際などには使わない。「用命いたします」などもNG。主に文書やメールなどの文語で利用します

簡単にまとめてみましたが、いかがでしょうか?先にも述べたように「ご用命」という言葉は、ビジネスに於いて重要なシーンに目上を相手に使う言葉ですが、使用頻度も高いフレーズになっています。今回の解説で意味を理解し、スマートに使って頂けると幸いです。

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国語言葉の意味

【慣用句】「ご用命」の意味や使い方は?例文や類語を読書好きWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「ご用命」について解説する。

端的に言えばご用命の意味は「用事を命じる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

接客業で鍛えられた語学力を持つAYAを呼んです。一緒に「ご用命」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/AYA

長年接客業で培った「正しい敬語」を武器に、新人教育の経験も豊富なライターAYAが「ご用命」について読み方から使い方、よくある読み間違いも含めて、分かりやすく解説していく。

「ご用命」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「ご用命」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「ご用命」の意味は?

「ご用命」には、次のような意味があります。

1.用事を言いつける
2.注文する

出典:デジタル大辞泉(小学館)「ご用命」

「ご用命」は「ごようめい」と読みます。漢字の通り「用事を命じる」または「注文する」という意味。「用命」に尊敬の意を表す接頭語の「ご」をつけて敬語化している言葉です。この言葉の面白い所は、「ご用命」は敬語ですが使う時は謙譲表現をするという点。そして目上の人が格下の人にのみ用いるというルールがあります。また自分発信では「ご用命」はしないのが基本になっていますよ。もう一つ「ご用命」には「注文する」という意味もありますよ。ビジネスシーンにおいて「取引している商品などの注文を受ける」といった意味になります。

なかなかややこしい言葉ですよね。端的に言うと「ご用命」という言葉は「相手の動作に対してこちらが受け身で使う言葉」ということになりますよ。

「ご用命」の使い方・例文

「ご用命」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

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