国語言葉の意味

「ミーハー」の意味や使い方は?例文や類語を日本語学者が解説!

よお、ドラゴン桜の桜木建二だ。この記事では「ミーハー」について解説する。

端的に言えばミーハーの意味は「程度の低いことに夢中になったり、流行に左右されやすかったりする人たち」のことで、もともとは「軽蔑」の意味あいを持った少し強い言葉だ。近年はかなりマイルドなニュアンスになってきているようだが。「ミーハー」の語源や意味を理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

博士(文学)の学位を持つ日本語研究家の船虫堂を呼んだ。一緒に「ミーハー」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/船虫堂

今回の記事を担当するのは文学博士で日本語学の研究者の船虫堂だ。言葉に対して幅広い興味と執着心を持つ船虫堂が、丹念な調査をもとに語句の解説をわかりやすくしていく。

「ミーハー」の意味や語源・使い方まとめ

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ちょっと懐かしい響きの言葉かもしれません。昭和時代の流行語「ミーハー」。どのような経緯で生まれ、そしてどのようなニュアンスを含んだ言葉なのでしょうか。それでは早速「ミーハー」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「ミーハー」の意味は?

「ミーハー」とは、「流行に飛びつきやすい人」という意味の語です。現在あまり目にしなくなった語ではありますが、謙遜したり、少し相手をからかったりする場面で使用されます。以下に小学館の『精選版 日本国語大辞典』の「ミーハー」の項目を引用しますが、語の意味が意味なだけに、あまり穏やかでない内容です。

もちろん特定の属性の人物を軽蔑する言動は慎むべきですが、語の出自、意味を正確に記述するという辞書としては誠実な姿勢であるという点をご理解の上ご覧ください。



みい-はあ

〘名〙 「みいちゃんはあちゃん」の略。多く「ミーハー」と書く。

※丘は花ざかり(1952)〈石坂洋次郎〉経済白書「じっさいの生活はミーハーの低い心理で営まれているんだって…」



出典:『精選版 日本国語大辞典』(小学館)「ミーハー」

続けて、語源である「みいちゃんはあちゃん」の項を引用します。




みいちゃん-はあちゃん

〘名〙 (「みい」を「ドレミハ」の「ミ」に連想して、「はあちゃん」に並べていったとか、「みよちゃん」「はなちゃん」で女性の代表名としたとかいわれる) 程度の低いことにうつつを抜かすような女、子ども。また、そのような女、子どもを軽蔑していうことば。みいはあ。→はあちゃん。

※閑耳目(1908)〈渋川玄耳〉ダイヤモンド、涙の珠「刻下の風潮は外交官と軍人とに向って居る。〈略〉みィちゃん、はァちゃんを圧倒して栄誉の家庭上に勝利者として乗り込んだ後」




出典:『精選版 日本国語大辞典』(小学館)「みいちゃんはあちゃん」

軽蔑語であり、対象が「女、子ども」であるという点で、引用するのも非常に心苦しい部分があるのですが、言葉を探求する誠実な態度という視点でフラットな視線で考えていきたいと思います。

言葉の意味としては、「程度の低いこと」にうつつを抜かす人とあり、『日本国語大辞典』には「流行を追う人」という語釈は乗っていません。ちなみに『広辞苑』第六版には以下のような「流行」に関する言及があります。また、辞書の編集方針の違いが見えて面白いのですが、記述が若干マイルドです。

みい-はあ
(多く「ミーハー」と書く)世の中の流行にかぶれやすいこと。また、そのような人。みいちゃんはあちゃん。

出典:『広辞苑』第六版(岩波書店)

「ミーハー」の語源は?

「ミーハー」の語源の出自は大きく分けて2つあるようで、まとめると以下のようになります。

1.別の「愚か者」を表す言葉である、「はあちゃん」に音階の「ドレミファ(=は)」とかけて「みいはあ」と言うようになった。
2.当時の女性に多かった名前である「みよちゃん」「はなちゃん」からとって「みいちゃんはあちゃん」とした。

いずれにしても教養の低い若者(女性)を揶揄・軽蔑するニュアンスを持っていたと言われています。この点では時代が下って「ミーハー」に関する性別の差は薄まっているように個人的には感じているところです。

 

「ミーハー」の使い方・例文

「ミーハー」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.ミーハーなところがあって新製品はとりあえずチェックしてしまいます。
2.完全にミーハーで読んでいたのでどんな作者か知らなかった。
3.ミーハーな映画ばかり観ています。
4.こんなところに来るなんて君も大概ミーハーだな。

意図せず紹介した例文はいずれも謙遜というか自嘲的なニュアンスのものが並びました。他人に向かっていう場合には4のように使うのでしょうが、冗談めかしていう必要があるでしょう。そもそもが軽薄だと言って人を揶揄する言葉ですから。

さて、各例文ですがそれぞれ少しずつニュアンスが異なります。1.では流行に乗りやすい自分の性質について「ミーハー」という言葉を使っているのに対し、2.では、「ミーハーで」と「読む」を修飾しており、これは「作品の内容どうこうではなく流行っているから読んだ」という行為の動機を表す用法です。3.は「映画」にかかっていて、あまりポジティブな意味ではありませんが、芸術性が高い作品ではなく、商業的であったり話題が先行する作品であることを表しています。4.は相手に向かっていう用法です。

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