この記事では「つまらない」について解説する。

端的に言えばつまらないの意味は「面白くない」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

現役の落語家でウェブライターの晋治を呼んです。一緒に「つまらない」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/晋治

現役の落語家でwebライター。20代後半から落語家に入門し、40歳からは兼業ライターに。言葉を生業とする落語家とライターの経験を活かして、わかりやすく言葉の意味を解説する。

「つまらない」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速「つまらない」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「つまらない」の意味は?

「つまらない」には、次のような意味があります。

「つまらない」

[連語]《動詞「つまる」の未然形+打消しの助動詞「ない」》
 
1.おもしろくない。興味をひかない。
2.とりあげる価値がない。大したものではない。
3.意味がない。ばかげている。
4.それだけのかいがない。ひきあわない。
 
出典:goo辞書「つまらない」

わたしは落語家という商売をしているため「つまらない」という言葉には非常に敏感に反応してしまいます。

先日、あるイベントで落語の営業の仕事がありました。イベント終了後、主催者の小学生の息子さんが私に挨拶をしてくれたのですが、その時の言葉がいまだに忘れることができません。「今日はありがとうございました!落語、面白かったです!もうちょっとで笑うところでした。」子どもというのは正直です。いまいちだったんでしょうね。少しだけ落ち込みました。少しだけ。

「つまらない」の語源は?

次に「つまらない」の語源を確認しておきましょう。

「つまらない」は、動詞の「詰まる(つまる)」に打ち消しの助動詞「ない」がついたものです。「つまる」は「動けなくなる状態」「行き詰まる状態」を表しています。そこから「結局」「決着する」「納得する」などの意味を持つようになりました。やがて「決着しない」「納得できない」状態のことを「つまらない」という言葉で言い表すようになったのですね。

\次のページで「「つまらない」の使い方・例文」を解説!/

「つまらない」の使い方・例文

「つまらない」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

1.毎日、満員電車に乗ってもみくちゃになって通勤する。同じことを繰り返す日々。20歳の俺はすべてにうんざりしていた。「仕事を辞めたい」。同期の友達に相談する勇気はなかった。コンビニで履歴書を買う。バイトやフリーターという言葉が脳裏をよぎる。帰宅して父に相談すると「そんなつまらない理由で仕事を辞める奴があるか」と怒鳴られた。

2.サラリーマン時代は趣味もなく仕事一筋だった父。定年後から始めた趣味は盆栽に英会話に史跡巡りだ。盆栽の手入れをしながら息子に言う。「仕事だけの人生はつまらないぞ」。それを聞いた母は半ば呆れながら「仕事が生きがいの仕事人間だったのに、人間は変わるものね」とつぶやいて小さく笑った。

3.つまらないものですが、よろしければご家族の皆様でお召し上がりください。

例文1は、就職はしたもののイメージしていたような楽しい仕事ではなく満足感のない日々。「仕事を辞めたい」と父親に相談すると「考え方が甘い」と一喝されるという例文ですね。若い時に考えがちなこと、共感する人も多いのではないでしょうか。

例文2は、仕事人間だった父が定年後に仕事以外の人生の意味に気づく、という例文です。企業戦士や仕事一筋のビジネスマンの男性は定年後に燃え尽き症候群になる方も多かったそうですね。人生観の訂正、ライフスタイルを柔軟に変化させて学び続けられる人は「つまらない」という感情とは疎遠でしょう。

例文3は、慣用句のように「つまらない」を使うパターン。人の家にお邪魔するとき、手ぶらで行くのも気が引けるので手土産を持参したときに使う例文ですね。日本人の美徳がよく出ている表現で、「お口に合うか分かりませんが、よろしければお召し上がりください」という謙遜の気持ちを表しています。

「つまらない」の類義語は?違いは?

image by iStockphoto

「つまらない」の類義語にはどのような言葉があるでしょうか。一緒に確認しましょう。

「退屈」

「退屈」は、「することがなくて、時間を持て余すこと」や「飽き飽きして嫌気がさすこと」を表します。

「つまらない」と「退屈」の違いですが、「つまらない」は自分にとって「面白いかどうか」が重要な判断基準ですが、「退屈」は「面白いかどうか」は関係ないのですね。「退屈」は「することがない」「何もできない」状況を表す時に使います。

\次のページで「「つまらない」の対義語は?」を解説!/

「つまらない」の対義語は?

続いて、「つまらない」の対義語を見ていきましょう。

「面白い」

「面白い」の語源で有力な説は、「面」という字は目の前を意味し、「白い」は明るい、ハッキリしているという意味があります。目の前がはっきりと明るくなる状態のことを「面白い」というのですね。面白いの意味は、楽しい、愉快だ、興味深い、滑稽だ、などがあります。「面白い」はプライベートでもよく使われる言葉なので、違う言い回しや類義語のボキャブラリーを増やして使い分けることができれば、周りの人の記憶に残りやすい「面白い」人に思われるかもしれません。

「つまらない」の英訳は?

image by iStockphoto

英語で「つまらない」どのように表現されるでしょうか

「boring」

「つまらない」や「退屈」を英語で「boring」と言います。

My school is boring.  私の学校はつまらない。

How boring!tumaranai なんてつまらないんだ!

the boring movie.      退屈な映画。

私は退屈している」を英語で表現すると「I’m bored.」になります。間違えて「I’m boring.」と言うと「私はつまらない人間だ」という自虐的な意味になるので気をつけましょう。

\次のページで「「つまらない」を使いこなそう」を解説!/

「つまらない」を使いこなそう

この記事では「つまらない」の意味・使い方・類語などを説明しました。「つまらない」という言葉にも受け身的な使い方もあれば能動的な使い方もあることが分かりましたね。言葉で人に勇気を与えることもできます。「お前はつまらない人間だ」と言って人を責めるよりも「つまらないことで落ち込むな」と言って人を励ませる人間になりたいですね。どのような言葉を選ぶかに、その人の人となりが表れます。大事なのは常日頃からの心がけなんですね。

" /> 「つまらない」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説! – Study-Z
国語言葉の意味

「つまらない」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「つまらない」について解説する。

端的に言えばつまらないの意味は「面白くない」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

現役の落語家でウェブライターの晋治を呼んです。一緒に「つまらない」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/晋治

現役の落語家でwebライター。20代後半から落語家に入門し、40歳からは兼業ライターに。言葉を生業とする落語家とライターの経験を活かして、わかりやすく言葉の意味を解説する。

「つまらない」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

それでは早速「つまらない」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「つまらない」の意味は?

「つまらない」には、次のような意味があります。

「つまらない」

[連語]《動詞「つまる」の未然形+打消しの助動詞「ない」》
 
1.おもしろくない。興味をひかない。
2.とりあげる価値がない。大したものではない。
3.意味がない。ばかげている。
4.それだけのかいがない。ひきあわない。
 
出典:goo辞書「つまらない」

わたしは落語家という商売をしているため「つまらない」という言葉には非常に敏感に反応してしまいます。

先日、あるイベントで落語の営業の仕事がありました。イベント終了後、主催者の小学生の息子さんが私に挨拶をしてくれたのですが、その時の言葉がいまだに忘れることができません。「今日はありがとうございました!落語、面白かったです!もうちょっとで笑うところでした。」子どもというのは正直です。いまいちだったんでしょうね。少しだけ落ち込みました。少しだけ。

「つまらない」の語源は?

次に「つまらない」の語源を確認しておきましょう。

「つまらない」は、動詞の「詰まる(つまる)」に打ち消しの助動詞「ない」がついたものです。「つまる」は「動けなくなる状態」「行き詰まる状態」を表しています。そこから「結局」「決着する」「納得する」などの意味を持つようになりました。やがて「決着しない」「納得できない」状態のことを「つまらない」という言葉で言い表すようになったのですね。

\次のページで「「つまらない」の使い方・例文」を解説!/

次のページを読む
1 2 3 4
Share: