理科生物細胞・生殖・遺伝

3分で簡単「細胞質と細胞質基質」細胞生物学の基礎知識を現役理系大学院生がわかりやすく解説!

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細胞質は1863年にスイスの生理学者ルドルフ・フォン・ケルリブラーによって原形質の同義語として導入されたが、後に核以外の細胞内の小器官と物質を意味するようになったんだ。その後、1965年アメリカの生化学者H.A.ラーディによって、細胞を破砕して、全ての不溶性成分を超遠心分離によってペレット化することで得た液体分画として「細胞質基質」が分離されたぞ。

細胞内小器官

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Jeremy Simpson and Rainer Pepperkok – http://gfp-cdna.embl.de/, CC 表示-継承 2.5, リンクによる

細胞内小器官とは細胞質内に存在する特定の機能を有する構造の総称です。ラテン語名であるオルガネラとも呼ばれます。原核細胞のもつ細胞内小器官はリボソームだけですが、真核細胞では細胞内小器官がよく発達していることが特徴です。

真核細胞のうち、動物細胞と植物細胞でも細胞内小器官は異なり、それぞれに共通している細胞内小器官はミトコンドリア、滑面小胞体、粗面小胞体、ゴルジ体、リソソーム、リボソームなど。動物細胞のみに存在するものは中心体、植物細胞だけに存在するものは液胞、葉緑体です。

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真核生物と原核生物の違いは、DNAを保持するはっきりした構造(核)を持つか、持たないかだったな。核を持っているのが真核生物、持たないものは原核生物だ。核の構造以外にも、真核細胞は原核細胞に比べて複雑で高度な機能を分業分担するための細胞小器官が高度に発達していることが特徴の一つだ。

封入体

image by iStockphoto

封入体とは、細胞質基質に懸濁した不溶性物質の小さな粒子やその集合体で、細胞内含有物ともいいます。封入体の種類は生物種や細胞の種類ごとに大きく異なることが特徴です。

植物のデンプン、動物のグリコーゲンなどのエネルギー貯蔵物質。脂肪細胞が分泌する脂肪酸やステロールなどの脂質の保存のために使われる油滴などの分泌物。皮膚および毛髪の特定の細胞における色素顆粒。植物に見られるシュウ酸カルシウムや二酸化ケイ素の結晶などの様々なタイプの物質が含まれています。

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中学・高校生までの教科書では細胞質と細胞質基質を区別していない場合が多く、細胞質基質の機能を細胞質の機能として学習している人が多いと思う。もちろん細胞質基質は細胞質に含まれるので間違いではないが、この機会に細胞質と細胞質基質の違いについて理解を深めてほしい。続いて細胞質基質について解説していくぞ。

細胞質基質とは

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細胞質基質(cytosol)は細胞質のうち細胞内小器官、封入体以外の部分です。細胞質ゾル、細胞内液(ICF:IntraCellular Fluid)または細胞質マトリックスとも呼ばれます。

原核生物では細胞の大部分、動物細胞では細胞質基質は細胞容積の約70%を占めています(植物細胞は液胞が大部分を占める)。細胞質基質の成分は主に水(細胞内液)で、細胞内液のpHは7.4です。その他、細胞骨格(タンパク質繊維)、イオン、アミノ酸、脂肪酸などの各種有機酸、グルコース、核酸塩基、タンパク質(酵素)から構成されています。

細胞質基質はさまざまな代謝や細胞分裂など細胞の活動が起こるメイン舞台です。各種イオンにより浸透圧や膜電位を制御して細胞の恒常性を維持しているほか、制御細胞骨格の働きにより細胞質基質は原形質流動を起こし、細胞内の各種物質の移動細胞内シグナル伝達細胞内小器官の配置をしています。

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