この記事では「エキゾチック」について解説する。

端的に言えばエキゾチックの意味は「異国風のもの」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

情報誌系のライターを10年経験した1804を呼んです。一緒に「エキゾチック」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/1804

もともと言葉の意味や由来を調べるのが好き。最近知ったお気に入りの言葉は「あなたは私のオレンジの片割れ」。先日受けた検査で言語性IQが141だった。

「エキゾチック」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「エキゾチック」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「エキゾチック」の意味は?

「エキゾチック」には、次のような意味があります。

1.異国の情緒や雰囲気のあるさま。異国的。「エキゾチックな建物」
2.風変わりで、奇妙であるさま。主に物理学で、物質や粒子の性質が通常のものと異なることを意味する。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「エキゾチック」

「エキゾチック」は主に「異国風」ということを表すのですが、実際に使われるエリアとしてはインドや東南アジア、中東あたりを指すことが多いです。「エキゾチックだ」と使える例としては、ペルシャ絨毯の柄やインドカレー屋の内装、東南アジアの雑貨を販売している店などが挙げられます。欧米系のものに関しては、確かに「異国」のものではありますが「エキゾチック」は用いません。例えば髪色においてトーンの明るいアッシュなどの髪色を指して「外国風」と表現することがありますが、この場合イメージされるのはそれこそ欧米系の人々のトーンの明るい髪色のこと。「エキゾチック」は使わない、という一例でした。

「エキゾチック」の語源は?

次に「エキゾチック」の語源を確認しておきましょう。今回は英単語exoticがそのままカタカナ読みになったものがそのまま「エキゾチック」であるという認識で間違いないです。なお、exoticの構成は「外部のもの」という意味の「exo」に形容詞であることを指す「~tic」がついているというもの。「外来種」は英語で「exotic animal」と表すように、「自分たちから見て外部にあるもの」というニュアンスで覚えてもらえればと思います。英語から来ている言葉なので、英語圏にあるものはexoticの中には入らなかったのですね。

\次のページで「「エキゾチック」の使い方・例文」を解説!/

「エキゾチック」の使い方・例文

「エキゾチック」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.「昨日言ったレストランの店員さん、エキゾチックな雰囲気だったね」「彫りが深くて大人っぽかったもんね」
2.タージマハルに行った友人がいかにエキゾチックで素晴らしかったかということをずっと話している。
3.小さいのに妙に目鼻立ちがくっきりしていて、エキゾチックな感じすらする男の子だ。

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「エキゾチック」が想起させるイメージは、上述した通り東南アジアから中東にかけての要素です。したがって、例文2ではインドが出てきますし、インドの周辺にある文化を称賛する言葉、異国の地に行ったという雰囲気を味わってきたということを伝える際に「エキゾチック」が用いられたということですね。

例文1.3では顔の特徴を指す言葉として「エキゾチック」を用いましたが、これも同様に浅黒い肌やツヤツヤした黒くて長い髪、彫りの深くて凛々しい眉毛のクッキリといった顔立ちといったイメージを指しています。「オリエンタルビューティー」にもつながるものと言えるでしょう。例えば、「アラジン」のジャスミン姫などは分かりやすい例と言えるでしょう。ディズニーの映画は世界の様々な場所を舞台にした作品を作っていますが、その地に合わせて登場人物の見た目が大きく変わっているため、「欧米人から見たこの地域の人の顔立ち」というものも表されている場合が少なくありません。

「エキゾチック」の類義語は?違いは?

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「エキゾチック」の類義語としては「異国情緒」「オリエンタル」「エスニック」が挙げられますが、意味合いや使う文脈は大分違う物ですので、比較していきましょう。また、「エキゾチシズム」についても触れていきます。

その1「異国情緒」

「異国情緒」は主に旅先、それも東南アジアから中東といった地域に行った時もしくは現地の人がやっているレストランなど国内にある場所に行った時にその雰囲気を表現する言葉として用います。あまり顔立ちには使わないほか、あくまで観光客目線という印象を与えるものがありますね。例えば、留学に行った人がブログを始めたとして、最初の一週間は「異国情緒」という言葉を使うかもしれませんが、だんだん現地での生活に慣れてくるとあまり使わなくなってくるでしょう。

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その2「オリエンタル」

オリエンタル(oriental)は、西洋から見た「東洋の」「東洋的な」という意味の言葉です。英語の意味では、日本を含む極東やアフリカ北部も含みます。「オリエンタルビューティ」という言葉は「エキゾチックな美女」と同じ意味と言えますね。
なお、「オリエンタルな美女」とはあまり使いませんが、香りや雰囲気を指す形容詞として「オリエンタル」を用いることはあるでしょう。

その3「エスニック」

「エスニックレストラン」という使い方で「エキゾチック」の指す「東南アジアから中東にかけてのあたりのレストラン」を指したことは無いでしょうか。食事で言うと和洋中以外のものを指すとき「エスニックはどう?」と使う時はあるかと思います。そこから「パクチー苦手じゃない?」「タイ料理とかどうかな」となることも。もっとも、元の意味は英単語「ethnic」で「民族的な」という意味。そこから転じてエスニック=東南アジア〜中東あたりの国のものという意味合いになったのですね。

その4「エキゾチシズム」

「エキゾチシズム」(exoticism)は上述した「異国情緒」に相対する英単語。根本的なコンセプトは自分たちの風土には存在しないという意味で「変わった、風変わりな」ということなので、ここから「外来の」「異国情緒ある」だけでなく「珍しい」「特殊な」という意味まで派生したのでしょう。

「エキゾチック」の対義語は?

カタカナ語の「エキゾチック」の対義語にあたる言葉はありませんが、英語exoticの「(西洋世界から見た)東洋」という意味合いから見ると、「occidental」という形容詞がexoticの対義語になります。意味合いは「(西洋世界から見た)西洋的な」。カタカナ発音は「オクシデンタル」です。日本語で使うことはほぼ無いと言って良いですが、「エキゾチック」への理解にもつながるので触れていきましょう。

「オクシデンタル」

前述のとおり、「オクシデンタル」は「オリエンタル」と対照的に「(西洋世界から見た)自分たちの・西洋的な」という意味を指します。ラテン語で「太陽が沈む場所」という意味のオクシデンス(occidens)が語源です。オリエントが東方世界のことなので、オクシデンタルは対極である西方世界のことですね。

\次のページで「「エキゾチック」を使いこなそう」を解説!/

「エキゾチック」を使いこなそう

この記事では「エキゾチック」の意味・使い方・類語などを説明しました。西洋人からすると「自分たちから見て外国、立地的に東」という言葉の成り立ちですが、日本から見るとむしろ西側を指しているものです。立地からすると逆ではありますが、「ジャポニズム」にも通じる「自分の外側にあるもの・非日常への憧れ」という概念は変わりません。こういったものを求めて私たちは旅行に行くのですね。

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国語言葉の意味

「エキゾチック」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「エキゾチック」について解説する。

端的に言えばエキゾチックの意味は「異国風のもの」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

情報誌系のライターを10年経験した1804を呼んです。一緒に「エキゾチック」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/1804

もともと言葉の意味や由来を調べるのが好き。最近知ったお気に入りの言葉は「あなたは私のオレンジの片割れ」。先日受けた検査で言語性IQが141だった。

「エキゾチック」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「エキゾチック」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「エキゾチック」の意味は?

「エキゾチック」には、次のような意味があります。

1.異国の情緒や雰囲気のあるさま。異国的。「エキゾチックな建物」
2.風変わりで、奇妙であるさま。主に物理学で、物質や粒子の性質が通常のものと異なることを意味する。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「エキゾチック」

「エキゾチック」は主に「異国風」ということを表すのですが、実際に使われるエリアとしてはインドや東南アジア、中東あたりを指すことが多いです。「エキゾチックだ」と使える例としては、ペルシャ絨毯の柄やインドカレー屋の内装、東南アジアの雑貨を販売している店などが挙げられます。欧米系のものに関しては、確かに「異国」のものではありますが「エキゾチック」は用いません。例えば髪色においてトーンの明るいアッシュなどの髪色を指して「外国風」と表現することがありますが、この場合イメージされるのはそれこそ欧米系の人々のトーンの明るい髪色のこと。「エキゾチック」は使わない、という一例でした。

「エキゾチック」の語源は?

次に「エキゾチック」の語源を確認しておきましょう。今回は英単語exoticがそのままカタカナ読みになったものがそのまま「エキゾチック」であるという認識で間違いないです。なお、exoticの構成は「外部のもの」という意味の「exo」に形容詞であることを指す「~tic」がついているというもの。「外来種」は英語で「exotic animal」と表すように、「自分たちから見て外部にあるもの」というニュアンスで覚えてもらえればと思います。英語から来ている言葉なので、英語圏にあるものはexoticの中には入らなかったのですね。

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