端的に言えば、万障お繰り合わせの上の意味は「いろいろと大変でしょうが都合をつけてください」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
今回は、普段は会社員として働きながら、副業ライターとしても活躍するたきびを呼んです。一緒に「万障繰り合わせの上」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/焚きつけ
普段は一般企業のビジネスマンとして働きながら、スキマ時間に副業Webライターとして活動する。ビジネスマンの経験と、読書の習慣によって培われた豊富な言葉の知識を生かし、言葉の意味などを分かりやすく解説していく。
「万障お繰り合わせの上」の意味や語源・使い方まとめ
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それでは早速「万障お繰り合わせの上」の意味や使い方を見ていきましょう。
この言葉は、主にビジネスシーン等で用いられるため、普段の生活では馴染みが少ないと思います。だからこそ知っているだけで、敬語が堪能な人物だと高評価を受けることでしょう。覚えておいて損はないはずです。
いろいろな支障をうまくやりくりして都合をつける。
「万障繰り合わせて駆けつける」
出典:デジタル大辞泉(小学館)「万障繰り合わせる」
目上の方やお客様を催し事へ招くにあたって、是非にと参加を促す丁寧な言い回し方です。「万障お繰り合わせの上ご出席下さい」、あるいは「万障お繰り合わせの上ご参加願います」といった形で定型的に用いられます。
「万障」は、さまざまな不都合という意味の語です。類義語には「支障」や「万難」という単語が当てはまります。また、「繰り合わせる」は、うまいこと都合のつくように調整する、という意味です。この二つの言葉が組み合わさって作られました。
「万障お繰り合わせの上」の意味を、より平たい表現で言い換えるとするならば、「いろいろと不都合なこともあるでしょうが、参加できるように調整をしてください」といった表現になります。
かしこまった表現なので、目上の方や取引先の方にも使うことはできますが、少々強めの参加要請とも捉えられますね。そのため、プライベートのシーンでは滅多に使われることはないでしょう。会社などの大事な総会や、同窓会や防災訓練のご案内といった積極的な参加を促したい際に使用することが望ましいです。
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