
端的に言えば稟議の意味は「決裁伺い」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
編集経験もあり、情報誌系のライターを10年経験したコトバアソビを呼んです。一緒に「稟議」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/コトバアソビ
今婚姻届の稟議を、付き合っている彼女(ら?)に提出中のライター。今回は稟議についてわかり易く解説をする。昔稟議書の手間で、忙殺され仕事を投げ出したかった思い出が蘇り、思わずパソコンの手が止まる。さてそんな中で記事はできるのであろうか?
「稟議」の意味は?
「稟議」には、次のような意味があります。
1.《「ひんぎ」の慣用読み》会社・官庁などで、会議を開催する手数を省くため、係の者が案を作成して関係者に回し、承認を求めること。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「稟議」
稟議とは、複数名の決裁を求める意味で、稟議書として主に使われています。ビジネスの世界では、余計な事務処理、会議などを省き、複数の関係決裁者に直で承認を求めている書類のことを一般的に指しますね。関係者の数名に対して選択肢を用意し、どれかを選んでもらうケースもあります。
稟議は、会議を開くほどはない決裁事案を提案することで、関係者間で円滑に回るように意見しにいく様も表しますよ。関係者に根回しをして、決裁をするのかしないのかの2択を迫るケースもあります。だたし稟議はある程度練られている事案にのみ該当し、あまり練られていない企画などは上司から撥ね付けられ、怒られるケースもしばしばありますかね。筆者はよくやっていました。
稟議書を通すか通さないかは仕事のできるできないに直結をしていると言われ、稟議書の書き方も多くの会社員の悩みのタネのようです。稟議書の書き方については、目的や効果、決済金額もきっちりと書くことが必須で、ある意味会議の議題書よりも綿密に計算をされないといけません。
「稟議」の語源は?
次に「稟議」の語源を確認しておきましょう。
稟議の記載については明治には普通に官公庁にて使われていました。したがって古くから稟議という概念はあったと推論できます。稟議をばらすと「正しい」と「言葉」に分けられ、正しいことを言葉によってコミュニケーションをすると捉えるのが自然です。古来官僚の中からこの稟議という言葉はあり、決裁を求める書面として存在をしていました。
また従来稟議は、会議により他の人の目に触れることを嫌っており、根回しによって物事を取り計らっていく意味も含まれています。したがって大宝律令から日本の官吏の中では、無駄な会議を省く意味として、他の言葉で使われていました。明治になり正式に稟議書として、数々の上司からの決裁の印をもらうような現在の稟議ができたという説が有力です。
「稟議」の使い方・例文
「稟議」の使い方を例文に習い見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
1.いつもいつも夜中にまで残業をし、稟議書の作成をしているA君は、いつもどこか抜けていて、稟議書が通らないで社内では有名だ。
2.明日までに稟議をあげておいてくれ。もう時間が無いのだ。理解求む。
3.今は大手派遣会社の稟議のフォーマットを使いまわしているので、ほぼ大丈夫だと思うが…。
基本的に稟議は、他の意味を持たない言葉で、決済に近い表現ですが、会議にかけるまでも無い書類を言い表します。したがって稟議書そのものに意味を持たず、情報の共有さえできればよいと思っている人も多いです。また責任の所在がはっきりとしないのが稟議書の特徴ですかね。会社では稟議後に金銭の支払いなどで、度々トラブルになっていると聞きます。
上司から稟議をかけておいてくれと言われることも多いですが、実際には指示をされて作ったものが稟議書と呼ぶのかは疑問です。2の例文はビジネスシーンでは当たり前ですが、あまりうまくいった経験をしていません。
3の例文にて、のちにどうなったのかは想像力に任せます。
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