
外を見回すと当たり前にある石。実は石の模様にもいろいろな種類があり、名前が付けられている。今回のテーマである深成岩とはマグマが固まってできた岩石の一種です。深成岩と言う名前の通り岩石の元となるマグマが地下深くでゆっくりと固まってできる。そのため構成する鉱物が大きな結晶となっているんです。この構造を等粒状組織(とうりゅうじょうそしき)という。
今回は深成岩に分類される岩石や、火成岩・火山岩との違いについてを説明する。解説は科学館職員のたかはしふみかです。

ライター/たかはし ふみか
不思議な現象を解き明かす科学が好きで理系に進んだリケジョ。授業中や練習問題の答え合わせをするときに語呂合わせを考えるのが好きだった。
深成岩とは

深成岩とはどんなものでしょうか。コトバンクによると深成岩とは「マグマ(地下の高温な状態で融解した岩石のこと)が地下深所でゆっくりと冷却、固結してできた完晶質、粗粒の岩石。代表的なものは花崗岩(かこうがん)、閃緑岩(せんりょくがん)、斑糲岩(はんれいがん)。」とされています。深成岩のポイントは「ゆっくり固まる」「鉱物の粒が大きくそろっている」という事です。なお、固まる場所(地下深くか地表付近か)は関係ない、と説明している書籍やサイトもあるので、注意してください。
深成岩とは火成岩の一種で、火成岩は火山岩と深成岩に分けられます。深成岩は地下深いところでゆっくりと冷えながら固まっていった岩石です。そのため鉱物の粒が全体的に大きく成長しているのに対し、火山岩は地表付近でマグマが急に冷えて固まっています。そのため、火山岩に含まれた鉱物の粒は大きさがバラバラとなっているのです。
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火成岩のつくり
同じく火成岩である火山岩と比較しながら深成岩の作りを確認しましょう。
火成岩とはマグマが冷えて固まった岩石のことです。コトバンクには「地球内部にできたマグマが地表に噴出したり,地下のいろいろな場所に貫入して冷却固結してできた岩石」と書かれています。
火成岩で重要なのができる時の冷えるスピードです。このスピードによって火成岩は火山岩と深成岩に分かれます。素早く固まるのが火成岩、ゆっくりと冷えて固まったのが深成岩です。この固まり方によって火成岩と深成岩を構成する鉱物の様子が大きく異なっています。

image by Study-Z編集部
火山岩ができるのは地表付近です。火山から噴出したマグマが急激に冷やされ、その粒の大きさはまばらとなってしまいます。この火山岩にみられる比較的大きな結晶が斑晶(はんしょう)、そして細かな結晶やガラス質の部分が石基(せっき)です。火山岩の鉱物の状態を斑状組織といいます。
一方、深成岩はゆっくりと固まるため、岩石中の鉱物は大きく育つのです。そうしてできた、どれも同じくらい大きな粒となった組織を等粒状組織といいます。
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