この記事では「シンパシー」について解説する。

端的に言えばシンパシーの意味は「共感」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

さまざまな分野の本に触れ、知識を培ってきた「つゆと」を呼んです。一緒に「シンパシー」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/つゆと

子供の頃からの筋金入り読書好きライター。むずかしい言葉や複雑な描写に出会っても、ねばり強く読みこんで理解することをポリシーとする。言葉の意味も、妥協なくていねいに解説していく。

「シンパシー」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「シンパシー」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「シンパシー」の意味は?

「シンパシー」には、次のような意味があります。

同情。また、共感。共鳴。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「シンパシー」

「シンパシー」とは、考えやありさまに共感したり、主張や思想に賛同したりする気持ちです。「シンパシーを感じる」という使い方で「共感できるなと感じた」ことを表します。

もともとは「同情」、つまり辛かったり悲しかったりしている相手に対し「辛いだろう」「かわいそうに」と思いやる気持ちを表す言葉でした。今では、同情する気持ちを表すときに「シンパシーを感じる」と使うことはあまりありません

悲しみの理由に思いをはせて、自分と似ている部分を見いだし共感をいだいた時には「シンパシー」と使ってよいでしょう。ほかには、好きな作家が同じと分かり「その作家を好きということは私と同じ感性を持っているんだね」と、共鳴するような気持ちを感じたときなども「シンパシー」と使います。

「シンパシー」の語源は?

次に「シンパシー」の語源を確認しておきましょう。「シンパシー」の語源は、英語の「sympathy」です。英語の「sympathy」は「同情」「思いやり」という意味で用います。

「sympathy」の語源をさかのぼると、ギリシャ語の「syn(ともに)」と「pathos(激しい感情)」。「激しい感情を共にする」「一緒に苦しむ」というニュアンスが「同情」につながるのが分かりますか。

\次のページで「「シンパシー」の使い方・例文」を解説!/

「シンパシー」の使い方・例文

「シンパシー」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.婚活はテキトーにしていたのだが、ある日のお見合いパーティーで出会った女性にシンパシーを感じて、積極的にアタックして一気に結婚までこぎつけてしまった。
2.ある政治的活動をする人物の演説を聞き、シンパシーをおぼえた僕は活動に参加することにした。
3.雪国生まれの私は、友人が撮影した雪深い村の風景写真をみると、雪と共に生きる人々へのシンパシーを抱いてつい感情移入してしまう。

「シンパシー」を表現するには、シンパシーを「感じる」、シンパシーを「おぼえる」、シンパシーを「抱く(いだく)」のように使います。

どれも入れ替えて使えますが、「おぼえる」には「いま感じた」というニュアンス、「いだく」には「少年よ大志をいだけ」の言葉のように心にしっかり持つといったニュアンスがあるかもしれません。しかし大きな違いはないでしょう。

「シンパシー」の対象は個人の場合もあれば、社会的な思想の場合もあります。1950年代から1970年代ころの日本では、左翼思想(共産主義など)にシンパシーをいだく若者が学生運動をくり広げました。「左翼思想にシンパシーをいだく者たち」という意味で「シンパ」と呼ばれた彼ら。「シンパ」たちはインターネットを持っていなくても、国家への反発という思想でつながることが可能だったのです。

「シンパシー」の類義語は?違いは?

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「シンパシー」の類義語には「意気投合」があります。

「意気投合」

「意気投合」は、相手の意見や気持ちがお互いにピッタリくることです。「共感できる!」と感じる感覚が「シンパシー」と似ています。

「シンパシー」と「意気投合」の違いは「お互いが同じ気持ちかどうか」という点です。「初対面の相手と意気投合する」だと、会うなり話が盛りあがってあっというまに仲良くなるような、「両想い」の状態が想像できますね。

一方「初対面の相手にシンパシーを感じる」の場合、「両想い」かどうかは分かりません。相手の話やふるまいから自分に通じる部分を感じ、共感をもったことを表すのみです。相手も自分にシンパシーを感じたのか、そこは分からない点が「意気投合」との違いとなります。

\次のページで「「シンパシー」の対義語は?」を解説!/

「シンパシー」の対義語は?

「シンパシー」の対義語には「反感」があります。

「反感」

「反感」は、同意できない、従いたくないと不快に思うことです。「同意できない」ですから、シンパシーの「共感できる」とは全く反対の意味ですね。「反感をいだく」と「シンパシーをいだく」は、真逆の感情表現であると分かります。

「反感を買う」という言い方はよく聞くでしょう。自分の言動に対し、周りの人が反感をもったことを表す表現です。

「シンパシー」がカタカナ語であるため、対義語には「反感」の英訳である「アンティパシー(antipathy)」がふさわしいかもしれませんが。今のところ「アンティパシー」は日本語としては定着していません。

「シンパシー」の英訳は?

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「シンパシー」の英訳は「sympathy」です。

「sympathy」

日本語の「シンパシー」は「共感できる」という意味ですが、英語の「sympathy」は「同情」「あわれみ」「思いやり」という意味で使われることが多いです。誰かが亡くなり「お悔やみ」を感じる気持ちも「sympathy」で表します。

日本語の「シンパシー」は「お悔やみ」の意味で使われることはありません。「シンパシー」は「自分にも通じるところがある」ことで「共感できる」気持ちを表すのであり、ただ「私も悲しく思います」という共感を表すにはそぐわないのです。

ほかに「シンパシー」に近い英単語として「empathy(エンパシー)」があります。「empathy」は自分の経験などにもとづいて相手を理解し、深く共感することです。「シンパシー」と「共感の深さ」が似ていますが、「相手を理解する」という点で違いがあります。「シンパシー」の場合は「この人自分と同じ!」と思いこんでいる可能性もあり、理解しているかどうかは不明だからです。

「シンパシー」を使いこなそう

この記事では「シンパシー」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「シンパシー」は、「自分にも通じるところがある」という気持ちを表す言葉です。「分かる!」もしくは「分かってくれる人だ!」という感覚でしょうか。そんなシーンに出会ったときは「シンパシー」という言葉を思い出してみてください。「あ、これ、シンパシー」と自覚するだけで、相手への気持ちがよりあたたかく優しいものになりますよ。

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国語言葉の意味

「シンパシー」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

「シンパシー」の対義語は?

「シンパシー」の対義語には「反感」があります。

「反感」

「反感」は、同意できない、従いたくないと不快に思うことです。「同意できない」ですから、シンパシーの「共感できる」とは全く反対の意味ですね。「反感をいだく」と「シンパシーをいだく」は、真逆の感情表現であると分かります。

「反感を買う」という言い方はよく聞くでしょう。自分の言動に対し、周りの人が反感をもったことを表す表現です。

「シンパシー」がカタカナ語であるため、対義語には「反感」の英訳である「アンティパシー(antipathy)」がふさわしいかもしれませんが。今のところ「アンティパシー」は日本語としては定着していません。

「シンパシー」の英訳は?

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「シンパシー」の英訳は「sympathy」です。

「sympathy」

日本語の「シンパシー」は「共感できる」という意味ですが、英語の「sympathy」は「同情」「あわれみ」「思いやり」という意味で使われることが多いです。誰かが亡くなり「お悔やみ」を感じる気持ちも「sympathy」で表します。

日本語の「シンパシー」は「お悔やみ」の意味で使われることはありません。「シンパシー」は「自分にも通じるところがある」ことで「共感できる」気持ちを表すのであり、ただ「私も悲しく思います」という共感を表すにはそぐわないのです。

ほかに「シンパシー」に近い英単語として「empathy(エンパシー)」があります。「empathy」は自分の経験などにもとづいて相手を理解し、深く共感することです。「シンパシー」と「共感の深さ」が似ていますが、「相手を理解する」という点で違いがあります。「シンパシー」の場合は「この人自分と同じ!」と思いこんでいる可能性もあり、理解しているかどうかは不明だからです。

「シンパシー」を使いこなそう

この記事では「シンパシー」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「シンパシー」は、「自分にも通じるところがある」という気持ちを表す言葉です。「分かる!」もしくは「分かってくれる人だ!」という感覚でしょうか。そんなシーンに出会ったときは「シンパシー」という言葉を思い出してみてください。「あ、これ、シンパシー」と自覚するだけで、相手への気持ちがよりあたたかく優しいものになりますよ。

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