この記事では「伴侶」について解説する。「伴侶」は難読ながら意味はシンプルで、たびたびフォーマルな場で使用されることもあって知名度もある単語です。しかし、「伴侶」は実はいろんな要素を併せ持つ言葉で、決して単純なものじゃないぞ。元建築系企業社員、現言葉大好きライターのsasaiを呼んです。一緒に「伴侶」の意味や使い方、類義語などを見ていきます。

ライター/sasai

元会社員の現役フリーライター。言葉が好きで文章が好き。読むのも書くのも大好きで、海外小説からビジネス書まで何でも読む本の虫。こだわりをもって言葉の解説をしていく。

「伴侶」の意味とは?

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「伴侶」の意味は以下の通りです。

一緒に連れ立って行く者。つれ。なかま。また、配偶者。

出典:goo辞書「伴侶 意味」

自分の恋人や配偶者を指して「伴侶」と述べる人が多いため、「伴侶」はしばしば「自分の愛する相手のみを指す言葉」と誤解されることがあります。実際はもっと広い範囲を指す言葉であり、仲間や友人に対しても「伴侶」は使用可能です。感情や関係性はどうあれ、同じ道を共に行く相手はすべて「伴侶」と呼べると捉えておきましょう。

もちろん、愛する相手に対して「伴侶」と呼ぶのも、間違いというわけではありません。ただ、愛する相手だけが該当するわけではないことは覚えておきましょう。

「伴侶」の読み方

「伴侶」とは「はんりょ」と読みます。「伴」の字は例え知らなくとも、つくりの部分から推測して「はん」と読める場合が多いです。それに対して「侶」を「りょ」と読むのは知っていなければなかなかできません。まれに「はんろ」と読み間違いをされる場合がありますが、「はんりょ」が正解です。難読というほどではありませんが、誰でも読めるというほど簡単というわけでもありません。

\次のページで「「伴侶」の成り立ちって?」を解説!/

「伴侶」の成り立ちって?

「伴侶」という言葉を漢字から見てみましょう。「伴」という字は「伴う(ともなう)」という字と同じです。この文字1つだけで、「友人・仲間」という意味と「付き従う」という意味を持っています。「侶」という漢字は日本では常用ではありませんが、「一緒に連れ立つ仲間」という意味があるのです。

ここまでで気づくかもしれませんが、本来「伴侶」という漢字に恋愛に関連している意味は込められていません。どちらかというと「人生を共に歩む仲間」というニュアンスが強調されており、これが転じて恋人や結婚の相手を指すようになったと考えられます。

「伴侶」の使い方

「伴侶」の使い方は以下の通りです。

1.あそこに居る白い服の男性が私の「伴侶」です。
2.人生の「伴侶」を選ぶ時は、よく考えねばならないだろう。
3.いつか自分にも、「伴侶」と呼べるような人が現れるのだろうか。

「伴侶」は状況によっては肩書のようなものになるため、「伴侶」に該当する存在に向かって話す時ではなく、1のように人に「伴侶」の紹介を行う時などに用いられます。また、2や3のように特定の誰かというわけではなく、まだ見ぬ人や一般論を話す際にも使用可能です。

使い方に迷った際は、「配偶者」「仲間」などの言葉に一度置き換えてみると、自然な文章かどうか判断しやすくなります。基本的な使い方は同じです。

もっと詳しく!「伴侶」について

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「伴侶」という言葉についてもう少し詳しく知ってみましょう。おおまかな意味は上記のトピックに記載がありますが、言葉は意味だけでなく、もっとたくさんの側面を持っています。それすらも時代や世情によって変化していくものですが、知っておいて無駄になることはありません。

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「伴侶動物」って何?

「伴侶動物」という言葉があります。「コンパニオンアニマル」とも呼ばれ、これは「長い歴史の中で人間と共に連れ添って暮らしてきた動物」という意味です。各家庭の家族として一緒に暮らすペットという狭い意味ではなく、よりマクロな観点での「人に連れ添う動物」を指しています。

なお、ペットならばどんな動物でも「伴侶動物」だというわけではなく、きっちりと定義が決められており、定められた条件に合致しなければ「伴侶動物」とは一般的に呼ばれません。現在、代表例としては犬と猫が該当します。

「伴侶」って女性に向けて使うもの?

「伴侶」はしばしば、配偶者やカップルの中でも女性側だけを指しており、男性を「伴侶」とは呼ばないという誤解を抱かれています。これは昔の時代、男性が女性を紹介する場面が圧倒的に多く、女性が男性を誰かに紹介する場面が少なかったためです。「伴侶という言葉は女性を指している」という誤解の元になったと思われます。

現在は特にどちらの方が多いというわけではないため、男性に対して「伴侶」と述べたからと言っておかしいことは何もありません。文法上も、「伴侶」という言葉に特に男女を限定するニュアンスはないため、安心して使用してください。

「伴侶」の類義語は「配偶者」など

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「伴侶」の類義語はさまざまです。「伴侶」という言葉の意味は「共に連れ添う人」であり、多岐に渡る解釈が可能であるため、類義語も増えます。中でも代表的なものは「配偶者/連れ合い」などです。よりライトなものでは「仲間/親友/相手」なども含みます。恋愛関係を重視した言葉では「結婚相手/婚約者/ベターハーフ」などです。

「べターハーフ」とは日本では比較的新しい言葉で、「天国で一つの魂だったものが現世で男と女に分かれ、巡り合った相手」という意味になります。元は天国で一つの魂であったという点がポイントであり、単に深く愛し合っているというだけではなく、性格などがぴったりはまる、気の合う人というニュアンスが強いです。

\次のページで「おまけ:ちょっと古風な「伴侶」の類義語」を解説!/

おまけ:ちょっと古風な「伴侶」の類義語

上記のトピックにある通り、「伴侶」は少し前まで配偶者でも特に女性を指す言葉とみなされていました。そのため、「伴侶」の類義語として「妻/嫁」などの言葉を置き換える人も居ます。

この配偶者の女性側を指す言葉も実に多様であり、現代ではやや古風と思われる言い回しを含むと、「細君(さいくん・つまぎみ)/連れ/家内」などが代表的な例です。

時代によって変化する「伴侶」の形

上記の解説にて「伴侶」という言葉の主流な用いられ方が、時代や世情によって変化すると述べました。しかしこれは言葉の使われ方だけに限った話ではなく、「伴侶」という言葉が指し示す対象も時代や世情によって変化するのです。

「伴侶」という言葉の定義としては、「共に連れ立って行く人」という意味ですが、実際には人でなくとも「伴侶動物」という派生語が生まれ、ペットが人生を歩む家族の一員として考えられています。この「伴侶動物」の例の様に、今は違ってもいずれ「伴侶」と呼ばれる新たな存在が生まれるかもしれません。

何が自分にとって「伴侶」であるのか、他人にとって「伴侶」であるのか。使用する際はその点を考えて適切かどうか確かめましょう。

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時代によって対象が変化?「伴侶」の意味・使い方・類義語を言葉大好きライターがわかりやすく解説!

この記事では「伴侶」について解説する。「伴侶」は難読ながら意味はシンプルで、たびたびフォーマルな場で使用されることもあって知名度もある単語です。しかし、「伴侶」は実はいろんな要素を併せ持つ言葉で、決して単純なものじゃないぞ。元建築系企業社員、現言葉大好きライターのsasaiを呼んです。一緒に「伴侶」の意味や使い方、類義語などを見ていきます。

ライター/sasai

元会社員の現役フリーライター。言葉が好きで文章が好き。読むのも書くのも大好きで、海外小説からビジネス書まで何でも読む本の虫。こだわりをもって言葉の解説をしていく。

「伴侶」の意味とは?

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「伴侶」の意味は以下の通りです。

一緒に連れ立って行く者。つれ。なかま。また、配偶者。

出典:goo辞書「伴侶 意味」

自分の恋人や配偶者を指して「伴侶」と述べる人が多いため、「伴侶」はしばしば「自分の愛する相手のみを指す言葉」と誤解されることがあります。実際はもっと広い範囲を指す言葉であり、仲間や友人に対しても「伴侶」は使用可能です。感情や関係性はどうあれ、同じ道を共に行く相手はすべて「伴侶」と呼べると捉えておきましょう。

もちろん、愛する相手に対して「伴侶」と呼ぶのも、間違いというわけではありません。ただ、愛する相手だけが該当するわけではないことは覚えておきましょう。

「伴侶」の読み方

「伴侶」とは「はんりょ」と読みます。「伴」の字は例え知らなくとも、つくりの部分から推測して「はん」と読める場合が多いです。それに対して「侶」を「りょ」と読むのは知っていなければなかなかできません。まれに「はんろ」と読み間違いをされる場合がありますが、「はんりょ」が正解です。難読というほどではありませんが、誰でも読めるというほど簡単というわけでもありません。

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