
常用漢字の「遂」は堅いイメージ?
「遂行」は、さまざまな法律や規定などによく見られる言葉です。そのため、比較的堅いイメージの文書で使用されることが多いと言えるでしょう。「遂」は常用漢字ですが、中学校卒業レベルの漢字です。やはり、少し難しい印象を受けますよね。
ちなみに常用漢字とは、「法令、公用文書、新聞、雑誌、放送など、一般の社会生活において、現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安」として、内閣告示「常用漢字表」で示された現代日本における日本語の漢字です。
人名漢字の「遂」は避けた方が良い?
「遂」は人名にも使える漢字です。しかし「遂」は「なしとげる」という良い意味がある一方で、「ついに」「とうとう」という終わりを連想させるマイナスイメージも含まれます。また「既遂・未遂」の章でも解説したように、犯罪を連想させるかもしれません。そのため、人名には避けたほうが良いという考えもあるようです。
「遂行」の類語
「遂行」の類語を見てましょう。
「完遂(かんすい)」:完全にやりとげること
まずは「完遂」です。「完全にやりとげること。最後まで遂行すること。」という意味。「遂行」と同じく「遂」の字を使い、「最後までやり遂げる」という意味を持っています。また「完遂」も「かんつい」ではなく「かんすい」と読むので、気を付けましょう。
「貫徹(かんてつ)」:物事をやりとおすこと
次は「貫徹」です。「物事をやりとおすこと。貫きとおすこと。」という意味。「貫」は「貫(つらぬ)く」と読みます。意志・方針・考え方などを貫き通し、最後までくじけずに続けることを表していますね。
また「貫徹」を使った四字熟語に「初志貫徹(しょしかんてつ)」があります。「初志」は「思い立ったときの最初の気持ち・志」という意味。よって「初志貫徹」は「初めに心に決めた志を最後まで貫き通すこと」という意味になります。
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「大成(たいせい)」:仕事や研究などを完全にしとげる
「大成」も「遂行」の類語です。意味は「長時間を費やして、仕事や研究などを完全にしとげること」。また「業績を成し遂げてすぐれた人になること」や「 多くの資料などを集めて一つの秩序だったものにすること」という意味も持っています。「医者として大成する」や「集大成」という使い方がありますね。
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