「畏怖」の使い方・例文
「畏怖」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
1.宇宙という果てしない存在に興味があり長い時間をかけて様々な方法で知識を得てきたが、その危険性を知れば知るほど世界が畏怖の対象となった。
2.崇高な存在である天皇の余裕と心のゆとりを前に、多くの日本人は畏怖する。
3.病院にお世話になるのは数十年ぶりだったが、現代の医療の進歩に畏怖の念を抱いた。
例文を見ていただくとわかるように「畏怖」は、「畏怖する」や「畏怖の念を抱く」「畏怖の対象」などのように用います。その対象となるのは、神的な存在や壮大な世界、専門的な分野だということがお分かりいただけたのではないでしょうか。「宇宙」も「天皇」も「最先端医療」も、よほど詳しい専門家や等しい領域にいる人物以外にとっては得体の知れないものですよね。誰しもそのような未知の存在に対しては敬意とともに恐怖も感じます。
また、「畏怖」はかしこまった表現の時に用いることが多く、日常会話で用いられることはあまりありません。この事からも、次元の違うレベルのものを対象とする時にあえて「畏怖」を用いる事でより特別な恐怖心である事を強調することができると言うことが分かりますね。
「畏怖」の類義語は?違いは?
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「畏怖」は、超越的なものに対して恐れおののくことという意味を表現する言葉でした。
次はそんな「畏怖」の類義語とその違い、使い分けを見ていきましょう。
「恐懼(きょうく)」
「畏怖」の類義語というと、「恐怖」や「尊敬」などがまず思い浮かびますが「畏怖」はそのどちらの意味も含んでいる言葉なので、「恐懼(きょうく)」が類義語として一番相応しいでしょう。
「恐懼」は、恐れて大いに畏まることを表現する言葉です。畏まるということは相手に対して敬意を感じて自分を引き締めているという状態ですから、恐怖と不安、敬意が複雑に混ざり合った感情として「畏怖」の類義語であることは間違い無いですね。
「畏怖」はかしこまった場面で用いる表現だと紹介しましたが、「恐懼」はその「畏怖」よりも更に日常会話での頻出度が低いです。「敬具」や「敬白」などと同じように、手紙の末尾に相手への敬意として用いる「恐懼再拝(きょうくさいはい)」という用い方もあるので、口語よりは文章中で用いられる事が多いということになるでしょう。
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