この記事では「メンテナンス」について解説する。

端的に言えばメンテナンスの意味は「保守整備」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

さまざまな分野の本に触れ、知識を培ってきた「つゆと」を呼んです。一緒に「メンテナンス」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/つゆと

子供の頃からの筋金入り読書好きライター。むずかしい言葉や複雑な描写に出会っても、ねばり強く読みこんで理解することをポリシーとする。言葉の意味も、妥協なくていねいに解説していく。

「メンテナンス」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「メンテナンス」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「メンテナンス」の意味は?

「メンテナンス」には、次のような意味があります。

《「メインテナンス」とも》維持。管理。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「メンテナンス」

「メンテナンス」という言葉は、辞書には「維持」「管理」などと書いてあります。しかし実際に「メンテナンス」と使うときは、維持や管理のための保守整備、つまり「実際の作業」をさすことが多いでしょう。

つまり「メンテナンス」とは、機械や建物、システムなどの性能を維持するために整備や点検をすることです。どんなものでも整備や点検をしなければ、正常な状態を保つことはできません。家電に住宅、高層ビル、インターネットサーバー…あらゆるものにメンテナンスが不可欠です。

肌のお手入れにも「月に1度のスペシャルメンテ」などと使うことがありますよ。さまざまな業界で「メンテナンス」という言葉を使います。

「メンテナンス」の語源は?

次に「メンテナンス」の語源を確認しておきましょう。「メンテナンス」の語源は英語の「maintenance」。「maintenance」は「維持」や「持続」という意味になります。

「maintenance」は「maintain(維持する)」の名詞形です。「maintain」はラテン語の「manus(手)」と「tenere(所有する)」に由来するそう。「手中におさめる」ことから「管理下におく」「維持する」となるのをイメージできるでしょうか。

ちなみに「maintenance」を発音すると「メンテナンス」よりも「メインテナンス」に近いそう。そのうち日本語としての表記も「メンテナンス」から「メインテナンス」に変わるかもしれませんね。

\次のページで「「メンテナンス」の使い方・例文」を解説!/

「メンテナンス」の使い方・例文

「メンテナンス」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.調子がよくない電気温水器を長らく使っていたけれど、さすがにそろそろメンテナンスを依頼するべきだな。
2.オンラインショップのサイトが開かないので確認したら、ちょうど定期メンテナンスの時間だった。
3.日ごろのメンテナンスをおこたるから、こうして修理料金をがっぽりとられるハメになるんだ。

身近なものにもメンテナンスは必要ですが、大規模な建造物もメンテナンスを必要とします。道路法ではなんと、すべての道路構造物を5年に1度点検するように定めているそうです。すべての道路とは、高速道路、国道、都道府県道、市町村道のこと。すさまじい規模といえます。

行政施設や文化施設など、国が建てたあらゆる施設のメンテナンスをとりしきるのは、国土交通省内の各地方整備局にある営繕部(えいぜんぶ)。営繕とは、建物の新築からはじまり、増築、改築、修繕、模様替えなどの工事をすることです。

大規模なメンテナンスの方法や内容は、素人には分かりえません。技術や知識を持ったメンテナンスのプロが真摯に取り組むことで、この世の中は無事に回っているのでしょう。

「メンテナンス」の類義語は?違いは?

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「メンテナンス」の類義語には「保守」があります。

「保守」

「保守」とは、正常な状態を保つことです。「保守点検」や「保守整備」は実際の作業のことですが、「保守」という言葉だけでそれを表すこともあります。「保守に行ってきます」イコール「保守作業に行ってきます」ということですね。

「メンテナンス」は「保守のための整備や点検をすること」ですから、実際の作業を意味する点も同じ。よく似ている言葉同士です。

「保守」にはもうひとつ、昔からの変わらないやり方を守ることに重きをおく、という意味があります。「保守派」という場合にはこちらの意味です。この「保守」の対義語は「革新」。メンテナンスや保守整備とはまったく分野の違う、思想を表す言葉となります。

\次のページで「「メンテナンス」の対義語は?」を解説!/

「メンテナンス」の対義語は?

「メンテナンス」の類義語には「放棄」があります。

「放棄」

「放棄」とは、ほうり出してかえりみないことです。あらゆるものは、放棄すれば劣化していき、メンテナンスをすれば寿命つまり耐久年数がのびます。「なげすてて大事にしない」というニュアンスが、メンテナンスの対極にあるといえるでしょう。

「メンテナンス」を一部の消耗品などをとりかえる「修理」ととらえると、対義語は「破損」となります。しかしメンテナンスは「破損しないように事前に保守する」ことではないでしょうか。「メンテナンス」と「修理」は似ていますが、「修理」の対義語である「破損」は、メンテナンスの対義語としてはしっくりきませんね。

「メンテナンス」の英訳は?

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「メンテナンス」の英訳は「maintenance」です。

「maintenance」

日本語の「メンテナンス」は「保守整備」のこと。「保守整備」は英語でも「maintenance」と訳してOKです。分かりやすいですね。

「maintenance」は本来「維持」という意味であり「生計」「扶養費」という意味もあります。生活を「維持」するためのお金です。

日本語の「メンテナンス」は「保守整備」にまつわる意味のみを持ちますが、本家の英語「maintenance」は幅広い意味を持つ言葉といえます。

「メンテナンス」を使いこなそう

この記事では「メンテナンス」の意味・使い方・類語などを説明しました。

最後に、「メンテナンスフリー」という言葉があることをお伝えします。言葉の通り受け取れば「メンテナンスがいらない」という意味ですね。しかし、この「メンテナンスフリー」という言葉は、「完全にメンテナンスが不必要」という意味ではないことが多いのですよ。「メンテナンスまでの間隔が長い」「従来のメンテナンスは必要なくなり、代わりの簡単な作業をするだけで済む」という意味であったりします。「メンテナンスフリー」とうたわれているからといって、放置してよいわけではないので注意してくださいね。

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国語言葉の意味

「メンテナンス」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

「メンテナンス」の対義語は?

「メンテナンス」の類義語には「放棄」があります。

「放棄」

「放棄」とは、ほうり出してかえりみないことです。あらゆるものは、放棄すれば劣化していき、メンテナンスをすれば寿命つまり耐久年数がのびます。「なげすてて大事にしない」というニュアンスが、メンテナンスの対極にあるといえるでしょう。

「メンテナンス」を一部の消耗品などをとりかえる「修理」ととらえると、対義語は「破損」となります。しかしメンテナンスは「破損しないように事前に保守する」ことではないでしょうか。「メンテナンス」と「修理」は似ていますが、「修理」の対義語である「破損」は、メンテナンスの対義語としてはしっくりきませんね。

「メンテナンス」の英訳は?

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「メンテナンス」の英訳は「maintenance」です。

「maintenance」

日本語の「メンテナンス」は「保守整備」のこと。「保守整備」は英語でも「maintenance」と訳してOKです。分かりやすいですね。

「maintenance」は本来「維持」という意味であり「生計」「扶養費」という意味もあります。生活を「維持」するためのお金です。

日本語の「メンテナンス」は「保守整備」にまつわる意味のみを持ちますが、本家の英語「maintenance」は幅広い意味を持つ言葉といえます。

「メンテナンス」を使いこなそう

この記事では「メンテナンス」の意味・使い方・類語などを説明しました。

最後に、「メンテナンスフリー」という言葉があることをお伝えします。言葉の通り受け取れば「メンテナンスがいらない」という意味ですね。しかし、この「メンテナンスフリー」という言葉は、「完全にメンテナンスが不必要」という意味ではないことが多いのですよ。「メンテナンスまでの間隔が長い」「従来のメンテナンスは必要なくなり、代わりの簡単な作業をするだけで済む」という意味であったりします。「メンテナンスフリー」とうたわれているからといって、放置してよいわけではないので注意してくださいね。

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