この記事では「ハニートラップ」について解説する。

端的に言えばハニートラップの意味は「甘い罠」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回このページでは大手企業で文章に携わってきた経験が35年以上のベテランKAIKAIを紹介する。一緒に「ハニートラップ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/KAIKAI

東京の大手企業に35年以上勤務し、実際にいろんな社内文書等に携わってきた経験がある。学生時代から国語は得意で言葉には詳しい自信あり。

「ハニートラップ」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「ハニートラップ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「ハニートラップ」の意味は?

テレビドラマやワイドショーなどで、「あの大統領はハニートラップに引っかかって失脚した」などと耳にすることがあります。「ハニートラップ」をモチーフにしたゲームもありますね。政治の世界のみならず、日常生活でも、「キャバクラでハニートラップに引っかかって貢がされた」と言ったりします。なんとなく「妖艶な女性からだまされて下手を打った」というようなイメージがありますね。では、「ハニートラップ」とは正しくはどんなことをいうのでしょうか。

《甘い罠の意》機密情報などを得る目的で、スパイが色仕掛けで対象(外交官や政治家・軍事関係者など)を誘惑したり、弱みを握って脅迫したりする、諜報活動のこと。主に、女性の諜報員が男性に仕掛けるものをいう。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「ハニートラップ」

「ハニートラップ」とは、「色仕掛けで異性をだまし、落とし入れること」です。金銭をだまし取るといった犯罪を犯していなくても、罠を仕掛ける方が女性ではなくても「ハニートラップ」といいます。

過去をさかのぼると、機密情報を入手するために、女性のスパイが男性に仕掛けるものという意味で使われていました。今日ではスパイ活動だけではなく広く一般社会で「色仕掛けを使って異性を落とし入れること」の意味で多くの場面で使われています。

「ハニートラップ」の語源は?

次に「ハニートラップ」の語源を確認しておきましょう。

「ハニートラップ」の語源はイギリスの小説家「ジョン・ル・カレ」の造語で、「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」という作品で登場し、その後一般に広まりました。「ハニー」は「はちみつ」、「トラップ」は「罠(わな)」であわせて「甘い蜜」というわけです。これが転じて女性が男性を落としいれることを意味するようになりました。

\次のページで「「ハニートラップ」の使い方・例文」を解説!/

「ハニートラップ」の使い方・例文

では、例文を使って見ていきましょう。たとえば以下のように用いられます。

1.あのパワハラ役員は美人秘書のハニートラップに引っかかって一部企業秘密を話してしまった。
2.ハニートラップにかかって高価な車をカードによるキャッシュレス決済で購入させられた。
3.月曜に、可能ならハニートラップになって日本政府からの主賓客に接触してくれ。

1と2は「色仕掛け」という意味ですが、3はそれを行う人のことを意味しています。「色仕掛け」などと日本語で表現するよりは「ハニートラップ」という方が生々しさが消える感じがしますね。今日では例文のようなケースではいずれも「ハニートラップ」というカタカナ文字で表現する方が多くなってきています。

「ハニートラップ」の類義語は?違いは?

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ハニートラップの類義語を検索してましょう。

その1「美人局」

「ハニートラップ」の類語は「美人局」です。「つつもたせ」と読みます。共犯の男と通じている女が被害者に気のあるそぶりをみせ、引っかかった被害者から共犯の男が金銭を脅し取ることです。「美人局」はあくまでも女性が罠を仕掛けて金銭を脅し取ることが条件になります。「ハニートラップ」の場合は色仕掛けで異性をだましたり、罠にはめらること全般を示し、金銭を脅し取ることや罠を仕掛けるのが女性であることは条件とされません。この点が「美人局」とは異なるのです。

そういう意味で「ハニートラップ」は、「美人局」よりは広く日常的に使われます。

\次のページで「その2「甘い罠」」を解説!/

その2「甘い罠」

「甘い罠」とは通常、「ハニートラップ」の日本語訳とされるもので、「魅力的なものを餌にされることで、わかっていながらも引っかからざるを得ない罠」のことです。英語では「sweet trap」ともいいます。意味も「ハニートラップ」と同じです。

その3「誘惑」

「誘惑」とは「心を迷わせて、誘い込むこと。よくないことにおびきだすこと」の意味です。「誘惑に負ける」とか「悪い仲間に誘惑される」といった使い方をします。英語では「temptation」です。この言葉も、犯罪であることや、仕掛ける方が女性であることを問いません。

その4「セクシャル・エントラップメント」

「セクシャル・エントラップメント」とは「性的なおとり」という意味です。女性スパイが男性に仕掛ける場合が通例となっています。例文としては「彼の注意を引くためにセクシャル・エントラップメントを仕掛けよう」といった具合です。英語は「sexual entrapment」。この言葉はもっぱら諜報活動に使われ、日常生活ではあまり使われることはありません。冷戦時代のソビエト連邦で頻繁に行われたといわれています。

「ハニートラップ」の対義語は?

「ハニートラップ」の対義語は何でしょうか。

「逆ハニートラップ」

男性が女性に仕掛ける場合であるのでよく「逆ハニートラップ」と言ったりします。しかし、「ハニートラップ」の定義では女性から男性に仕掛ける場合だけではなく、男性から女性に仕掛ける場合もあるのです。そこで、厳密には「逆ハニートラップは」対義語ではないといえますね。「逆美人局」の場合は理屈の上ではありうることになりますが、こちらは逆にあまり聞いたことはないです。

「ハニートラップ」の英訳は?

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「ハニートラップ」の英訳を見てみましょう。

\次のページで「「honey trap」」を解説!/

「honey trap」

「ハニートラップ」の英訳は「honey trap」です。「honey」は「蜂蜜、甘い物」の意味で、「torap」は「罠、策略」の意味。直訳すると「甘い罠」「甘い落とし穴」になります。

関連する言葉の「美人局」は英語で「a badger game」。「badger」は「アナグマ、アナグマの毛皮」という意味で、「身ぐるみをはがされる」と言う意味から転じたものです。さらに、「a kind of hony trap」とも言います。「女性をおとりに使い金を脅し取る」ということを意味し、こちらも転じて使われるようなりました。

「ハニートラップ」を使いこなそう

この記事では「ハニートラップ」の意味・使い方・類語などを説明しました。

実際に著名人ばかりではなく会社など身近なところでも「ハニートラップ」はたくさん仕掛けられています。キャリアウーマンといった偉い女性が増えてきている現代では、むしろ男性から女性に仕掛ける方が増えてきているような気もしますね。

「ハニートラップ」という言葉を勉強したからには、もはやこれに引っかからない方法をしっかり身に着けて賢く生きていきましょう。

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国語言葉の意味

「ハニートラップ」の意味や使い方は?例文や類語をたくさんの文章に携わってきたライターがわかりやすく解説!

この記事では「ハニートラップ」について解説する。

端的に言えばハニートラップの意味は「甘い罠」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回このページでは大手企業で文章に携わってきた経験が35年以上のベテランKAIKAIを紹介する。一緒に「ハニートラップ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/KAIKAI

東京の大手企業に35年以上勤務し、実際にいろんな社内文書等に携わってきた経験がある。学生時代から国語は得意で言葉には詳しい自信あり。

「ハニートラップ」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「ハニートラップ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「ハニートラップ」の意味は?

テレビドラマやワイドショーなどで、「あの大統領はハニートラップに引っかかって失脚した」などと耳にすることがあります。「ハニートラップ」をモチーフにしたゲームもありますね。政治の世界のみならず、日常生活でも、「キャバクラでハニートラップに引っかかって貢がされた」と言ったりします。なんとなく「妖艶な女性からだまされて下手を打った」というようなイメージがありますね。では、「ハニートラップ」とは正しくはどんなことをいうのでしょうか。

《甘い罠の意》機密情報などを得る目的で、スパイが色仕掛けで対象(外交官や政治家・軍事関係者など)を誘惑したり、弱みを握って脅迫したりする、諜報活動のこと。主に、女性の諜報員が男性に仕掛けるものをいう。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「ハニートラップ」

「ハニートラップ」とは、「色仕掛けで異性をだまし、落とし入れること」です。金銭をだまし取るといった犯罪を犯していなくても、罠を仕掛ける方が女性ではなくても「ハニートラップ」といいます。

過去をさかのぼると、機密情報を入手するために、女性のスパイが男性に仕掛けるものという意味で使われていました。今日ではスパイ活動だけではなく広く一般社会で「色仕掛けを使って異性を落とし入れること」の意味で多くの場面で使われています。

「ハニートラップ」の語源は?

次に「ハニートラップ」の語源を確認しておきましょう。

「ハニートラップ」の語源はイギリスの小説家「ジョン・ル・カレ」の造語で、「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」という作品で登場し、その後一般に広まりました。「ハニー」は「はちみつ」、「トラップ」は「罠(わな)」であわせて「甘い蜜」というわけです。これが転じて女性が男性を落としいれることを意味するようになりました。

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