
「失念」の使い方・例文
「失念」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
1.先方に連絡を入れるのを失念しておりました。大変申し訳ありません。
2.申し訳ありません。計画書の添付を失念しておりました。
3.同僚に会議の開始時間を伝えることを失念してしまった。
「失念」は「もの忘れ」という意味があるので、ビジネスの場面で使う時は相手に迷惑がかかっている場合があることが多いです。そのため「失念」はしばしば、謝罪の際に謝罪の理由として使われます。また、このとき「失念」は謙譲語として用いられるため、「失念」の主語を上司などの目上の人にすることはできません。目上の人が忘れた、という文脈には「お忘れになる」などの尊敬語を使いましょう。
さらに、「失念」は自分の行為について言うものです。そのため、「ペンを失念した」など物品を忘れたことに対して使うことはできません。

「失念」は仏教が由来の言葉なんだな。「物事を忘れる」という点ではもともとの意味も現代の意味も似ている。
ここからは、「失念」の類義語や対義語、英訳について見ていくぞ。
その1「放念」
「放念」は「心に留めないこと。心配しないこと。」という意味です。「失念」と同じくビジネスシーンで使うこともあります。「失念」と違うところは、「失念」が「自分がうっかり忘れる」という意味なのに対して「放念」は「相手が忘れる」という意味であるところです。
また、「放念」は、「ご放念ください。」「ご放念いただけるでしょうか。」という形で目上の人に「気にしないでください。」「忘れていただけるとありがたいです。」という意味を伝えます。「放念」は「失念」と見かけは似ていますが、ニュアンスも使い方も全く異なるものなのです。
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